◆最新マルチクライアント調査レポート:2026年06月29日予定

2026 日本の石油化学工業と誘導品市場の将来像

日本のナフサクラッカーの将来像とそれに伴う誘導品市場への影響を徹底分析
−調査の背景−
  • 2014年に現三菱ケミカル鹿島事業所のナフサクラッカーが停止して以降、日本のエチレン生産能力は減少の一途をたどっている。その後、旭化成・三菱ケミカルの水島、住友化学の千葉など立て続けに国内ナフサクラッカーは停止した。戦後の高度経済成長期に建設され成長してきた日本の化学産業が転換期を迎えた瞬間であった。
  • 当時「シェールガス革命」と呼ばれた米国におけるエネルギー革命により、大量のエタンクラッカーが建設されたため、エチレン市況の下落・供給過多が懸念されたことが原因であった。
  • 米国シェールガスに加え中国の石炭など多種多様な原料で安価なエチレンが生産されるようになり、加えて中国では従来技術であるナフサクラッカーの増強も着実に進み世界のエチレン生産能力は毎年向上してきた。
  • 日本のエチレンは海外生産のエチレンと比べるとコスト競争力はないものの、中国を中心に世界のエチレン需要が旺盛であったことと、日本国内の需要は単純にコストだけでは海外品に置き換えにくい市場であることから、結果的に2021年頃までは輸出+内需で600万t台の生産を維持できていた。
  • しかし、新型コロナウイルスの流行により経済が停滞した2022年頃に、日本のエチレン生産は一気に100万tほど減少し600万tを割り込んだ。以降回復することなく2024年には500万tも割り込んだ。新型コロナウイルスの流行による経済変化をきっかけに、これまで海外のオレフィン樹脂を採用しなかった日本のユーザーも、安価な海外品を調達するようになった。
  • 今後はより一層国内産のオレフィン離れが進むことが予測される。このような背景から国内ナフサクラッカーは現在千葉地区、川崎地区、瀬戸内地区において設備の停止が予定されている。
  • ナフサクラッカーの停止は単純なエチレン生産の停止だけにはとどまらない。ナフサクラッカーはC2〜BTXまでの化学品チェーンが連なっており、紐づいた各種誘導品メーカーにとっては原料調達ができなくなる。
  • エチレンや汎用オレフィン樹脂での差別化は難しいが、ナフサクラッカーの連産品で生産される各種化学品は日系企業の世界シェアが高い品目もあり、化学メーカーにとって稼ぎ頭となる誘導体は少なくない。このままナフサクラッカーの停止が継続すれば、結果的に日本の機能化学品の競争力も大きく失われてしまう可能性がある。
  • 弊社では2012年に「シェールガス革命」をテーマに日本の石油化学工業の将来像を考察したレポートを発刊している。それから14年ほど経過し、当時想定した日本のエチレン生産縮小シナリオが具現化した現在、改めて現状における日本の石油化学工業の将来像を考察すべきタイミングと考えている。
  • 欧州や一部アジアでも加速しつつあるナフサクラッカーの停止の動向を踏まえつつ、世界のエチレン生産および需給を整理し、日本のエチレン生産の現状と将来像を考察する。その上で日本における主要な誘導品サプライチェーンを整理し、何が不足するのか、どのような影響が想定されるのかについて、このままエチレン生産が減少した時のバランスを踏まえ考察する。
  • 本マルチクライアント特別調査企画では、これまでの経緯や歴史を踏まえ、新たな局面に突入した日本の化学産業の行く末を考察し、高付加価値誘導品の原料・サプライチェーンを整理することで新たなビジネスチャンスのヒントとなるロードマップを明らかにすることを目的としている。
−調査ポイント−
1. 世界のエチレン生産・需要・生産能力の整理
  • 需給バランスを考察
2. 日本のエチレン生産・需要・生産能力の整理
  • 現状の経済成長や海外の需給を踏まえ2050年における日本のエチレンバランスを予測
3. 誘導品サプライチェーンを整理(不足するもの・輸入依存のもの・無くなるもの)
  • エチレン生産を踏まえ誘導品サプライチェーンへの影響を考察
4. ホルムズ海峡などの影響
  • 現状の中東不安の影響について整理
−調査対象−
1. 調査対象品目
1) 基礎化学品
対象品目
エチレン、プロピレン、C4・C5留分(ブタジエン、イソプレン、イソブチレン、他)、BTX
2) 誘導品
対象分野 対象品目
エチレン PE、VCM、EG、他
プロピレン PP、MMA(PMMA、他)、AN、AA、PO、IPA、他
ブタジエン 各種合成ゴム(BR、SBR、他)、1,4-BDO(PBT、他)、アジポニトリル(PA)、ノナンジアミン、他
イソブチレン PIB、IIR、MTBE、MMA(PMMA)、イソプレン、ペンタンジオール(PU、他)、他
イソプレン イソプレンモノマー(IR、SIS、IPG、他)、他
ベンゼン フェノール類(エポキシ、フェノール樹脂、PC、他)、SM(PS、ABS、他)、シクロヘキサン(PA、他)、他
キシレン PTA(PET)、MXDA(MXナイロン)、無水フタル酸(PVC、他)、他
()内は誘導品をモノマーとするポリマー
日本のナフサクラッカーに連なる各種誘導品はすべて対象とする(例えばCOP樹脂など日本に強みがある化学品・ポリマーなどは可能な限りすべてカバーする)
2. 調査対象企業
対象分野 対象企業
ナフサクラッカー等 三菱ケミカル(鹿島、水島)、ENEOS(川崎地区)、三井化学(千葉、大阪)、丸善石油化学、京葉エチレン、出光興産(千葉、周南)、東ソー(四日市)、旭化成(水島)、クラサスケミカル(大分)
海外についても可能な限り整理する(エタンクラッカー等含む)
主要誘導品メーカー
(ポリマー他)
信越化学工業、クラレ、JSR、デンカ、日本ゼオン、東レ、帝人、東洋紡、日本ポリエチレン、日本ポリプロ、プライムポリマー、住友化学、日本曹達、UBE、他
日本のナフサクラッカーは拠点ごとに整理する。
誘導品メーカーはナフサクラッカーにつながっている企業を中心にその原料の影響度を調査する。
海外のナフサクラッカーおよびエタンクラッカーについても可能な限り整理する。
−調査項目−
1. 分析・総括編
1) 日本のナフサクラッカー生産量・能力推移予測(2023年〜2025年実績、2030年予測、2050年予測)
2) 世界のエチレン生産需給・生産能力推移予測(主要国・地域別)
3) 日本のエチレン需要分析
(1) 現状のエチレン換算需要(内需、輸出バランス)
(2) 今後の国内エチレン需要予測(各種誘導品、経済成長等踏まえ、2050年まで予測)
(3) 日本の最適なエチレン生産能力考察
4) 誘導品への影響
(1) ナフサクラッカーに連動する主要誘導品一覧
(2) 誘導品別影響度
(a) 日系メーカーの世界シェア
(b) 価格帯・付加価値
(c) 原料調達の課題(船輸送等容易か、生産メーカーは豊富か、純度など問題ないか)
(3) 日本のナフサクラッカー減少により影響を受ける国内誘導品一覧
(4) 原料調達が課題となる誘導品と今後の方向性・まとめ
2. ナフサクラッカー別ケーススタディ 国内の全ナフサクラッカー
1) 対象ナフサクラッカー概要(場所、生産能力、定修年、他)
2) ナフサクラッカーサプライチェーン(マテリアルフロー図)
3) 基礎化学品生産量推移(2023年〜2025年実績、2030年予測、2050年予測)
4) フィードストック(ナフサ以外の原料、サスティナブル化の対応)
5) 直近の設備投資(ボイラーなどの刷新の有無)
6) 同社における基礎化学品事業の売上比率・収益性(IRベースに富士キメラ総研一部推定)
7) 当該ナフサクラッカーの競争力評価(立地、誘導品、稼働率など)
8) 誘導品への影響度
9) 今後の方向性
3. 誘導品・ポリマー別企業ケーススタディ編 15品目程度付加価値が高い品目を抽出
1) 対象品目概要
2) 主要生産企業・生産拠点・原料調達状況
3) 国内ナフサクラッカー停止の影響度
4) 国内ナフサクラッカー停止による新規原料調達対策
5) 原料調達の方向性
6) 国内外における需給状況(市場規模推移および予測)
7) 企業別の影響度・生産安定性評価
8) 今後の需給バランス考察・方向性
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
2026 日本の石油化学工業と誘導品市場の将来像

総額
990,000円(税抜 900,000円)

発刊日
2026年06月29日(予定)

報告書体裁
ファイル綴り報告書

ページ数
150ページ(予定)

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第一部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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