◆マルチクライアント調査レポート:2006年04月21日発刊

サービス指向アーキテクチャの現状と将来展望 2006年版

事業戦略の推進力たる企業情報システムへのインパクト
−調査の背景−
  • 企業がSOA(サービス指向アーキテクチャ)の本質について真剣に研究したり実践したりすることは、企業活動全般を司る情報システムの今後のあり方に対する認識を深めるという観点から意義深いことである。SOAは、従来のハードウェアやOSに依存したシステム開発手法が、非常に高コストで硬直的であるとの反省に立ち、またERPなどのアプリケーション・パッケージの台頭やCORBAなど分散アプリケーションに関する技術の標準化といったこれまでの経緯を踏まえての、新世代の企業情報システムに対する挑戦である。ITとビジネスの橋渡しと称されるSOAには、新しいビジネスを立ち上げるために、または新商品の販売を軌道に乗せるために必要な時間をより少なくする効果が期待される。また既に稼動しているシステム同士の連携が深まり、これまで手作業で行っていた複数のシステムに跨る業務が自動化されることで、企業の中で滞留している情報の流通を促進するというメリットもあろう。このようなメリットはいずれもSOAに取り組む企業自体が享受するものであり、従ってSOAは企業が主体的に取り組むべき課題であるといえる。
    ところが、ユーザー企業の中には、「SOAとはベンダが自社製品を売らんがための単なるキャッチ・フレーズである」といった、SOAに対して否定的な見方がある。こうした見解の背景には、これまでITベンダなどが発するあまたのキーワードの理解に勤め実践したにもかかわらず、大きな成果を上げることができなかったことへの失望感やベンダに対する不信感がある。SOAの普及を期待するベンダは、こうしたユーザー企業の中に蔓延する不満を重大に受け止め、できるだけ速やかに解消するべく努める必要がある。新しい概念であるSOAをユーザーが理解するには相当の学習を要するものであり、またその実践には更に大きな困難が伴う。SOAに関連するソリューション・ビジネスは、四半期や1年といった短期的な視野ではなく、数年間にわたる長期的な視野に立って進めるべき事業であるといえよう。
  • 今回の調査を通じて、SOAを実践する際マスターデータをいかに整備するかが、極めて重要な課題であることが判明した。「スパゲッティ」や「サイロ」などと揶揄されるグランド・デザインに基づかないまま積み上げられてきた既存システムが、アプリケーション同士の連携や再利用などという以前に、データの不整合というよりプリミティブなレベルにおいて深刻な問題を生じさせていることが、SOAへの取り組みを通じて期せずして明らかとなっているのである。
    先進的なベンダはこのような課題に迅速に対応し、MDM(Master Data Management)と呼ぶソリューションの充実を進めている。マスターデータに係る問題への対応方法は、各ユーザー企業の情報システムに対するポリシーやその時の状況により様々であり、MDMによって当座をしのぐというのも一つの選択肢である。しかし、SOAへの取り組みをマスターデータにまつわる問題を抜本的に解決するための好機と捉える企業は、データに関するグランド・デザインの策定に着手するであろう。こうした企業は、SOAによってより多くのメリットをより長期にわたり享受することができる。このように、SOAへの取り組みは本質的に全体最適を目指す活動であり、EA(Enterprise Architecture)とも密接な関わりを持つのである。マスターデータ解決の市場性については、改めて調査を実施したい。
  • SOAは、長らくその定義について議論がなされてきた、抽象的で捉えにくい概念であり、その将来性についても、肯定論、否定論取り混ぜ多様な意見がある。当調査プロジェクトでは、ベンダとユーザーとの間にある温度差に対して特に留意しつつ、2010年に至るSOA関連市場の動向について分析を行った。レポートは、主にマーケティング的な視点から、SOA関連市場の今後の動向と、市場拡大のために必要な戦略について纏めた「第1章 調査総括」、ESB(Enterprise Service Bus)などのソフトウェア製品や主な参入プレーヤの位置付けといったSOA関連市場の構成要素を再整理し、市場規模を含む市場動向について纏めた「第2章 市場分析」、主要ベンダ15社の事業戦略に関するケーススタディである「第3章 ベンダ分析」の三章により構成している。ベンダのマーケティングご担当者、ならびにユーザー企業の情報戦略ご担当者ともに、市場トレンドを把握し、今後の戦略方針を図るための基礎資料として、是非活用されたい。

−調査目的−
  • SOA(サービス指向アーキテクチャ)関連市場について、ベンダー・インタビューを主体に市場動向調査を実施し当該市場の現状を把握すると共に、今後の動向について考察を行うことで、参入事業者におけるマーケティング戦略立案ならびに企業ユーザーにおける情報戦略立案のための基礎データを提供することを目的とした。

−調査対象市場−
SOA関連市場
(1) 関連ソフトウェア
ActiveGlove、AquaLogicServer、Artix、BizTalkServer、BusinessWare、Cosminexus、FusionMiddleware、ICANSuite、Interstage、NetWeaver、PolarLake、SonicESB、webMethods、WebSphere その他
(2) 関連サービス

−目次−
第1章 調査総括(15)
1.1 2010年の企業情報システムにおけるSOAの位置付け(15)
1.1.1 ストラテジー(16)
1.1.2 インテグレーション(16)
1.1.3 ビジネス・プロセス(16)
1.2 SOAに関する現状の問題点および今後の課題(17)
1.2.1 SOAにおけるデータ・マネジメントの重要性(17)
1.2.2 全体最適を達成するためのコンサルティング・サービス(17)
1.2.3 ユーザーとベンダとの間の信頼関係の強化(18)
1.3 ユーザー・ニーズ実態および市場浸透のための有効な方策(19)
1.3.1 ユーザー導入事例の検討(19)
1.3.2 SOAの適用範囲ならびに適用実態(20)
1.3.3 有効かつ現実的な導入形態(21)
1.3.3.1 SOAの導入目的の類型(21)
1.3.3.2 SOAの最終目標の類型(22)
1.3.3.3 SOA導入の現実解(22)
1.3.4 ユーザー企業の実態に即した提案手法(23)
1.3.5 システム運用と管理(24)
1.4 市場における主導権掌握のためのマーケティング戦略(24)
1.4.1 主要参入企業のマーケティング戦略実態(24)
1.4.1.1 ESBをめぐる動き(25)
1.4.1.2 価格戦略(25)
1.4.1.3 評価サービス(26)
1.4.1.4 既存顧客の深耕(26)
1.4.2 市場での主導権(26)
1.4.2.1 Webサービス関連技術の標準化(27)
1.4.2.2 Java関連技術の標準化(27)
1.4.2.3 マーケティング・ツールとしてのOSS(27)
1.4.3 マーケティング戦略の方向性(29)
1.4.3.1 市場の裾野拡大が急がれる(29)
1.4.3.2 PoC主体のプロモーションが継続(29)
1.4.3.3 百貨店と専門店への分化(29)
1.4.4 調査対象企業マーケティング戦略一覧表(30)
第2章 市場分析(33)
2.1 市場概況(33)
2.2 SOAの定義(34)
2.3 SOA市場の構成要素(34)
2.3.1 関連ソフトウェア製品(35)
2.3.1.1 コンポーネントとデータ管理(36)
2.3.1.2 サービス基盤(36)
2.3.1.3 ビジネス・プロセス(37)
2.3.1.4 ポータル(38)
2.3.1.5 開発ツール(38)
2.3.2 関連サービス(38)
2.3.2.1 コンサルティング(39)
2.3.2.2 実装から運用(39)
2.3.2.3 ソリューション(40)
2.4 SOAに関するキーテクノロジー(40)
2.4.1 ESB(40)
2.4.1.1 ESBの位置付けの変化(40)
2.4.1.2 ESBとSOAの関係(41)
2.4.2 SCAとSDO(41)
2.4.3 コンポジット・アプリケーション(42)
2.4.4 ビジネス・プロセス(42)
2.4.4.1 BPM(42)
2.4.4.2 BPEL(42)
2.4.5 EA(43)
2.5 SOA関連市場構造(45)
2.5.1 主要参入企業の相関図(45)
2.5.2 主な参入プレーヤとカバー範囲(47)
2.5.3 業務提携動向(49)
2.5.4 主要ベンダ/製品一覧表(50)
2.6 国内市場規模推移(54)
2.6.1 SOAベース・ソリューション全体市場(54)
2.6.1.1 トータル(54)
2.6.1.2 ソフトウェア/サービス別(55)
2.6.1.3 ユーザー業種別(55)
2.6.1.4 導入目的別(57)
2.6.2 関連ソフトウェア市場(59)
2.6.2.1 市場規模推移(59)
2.6.3 関連サービス市場(60)
2.6.3.1 市場規模推移(60)
2.6.4 市場占有率(61)
2.7 市場拡大要因/阻害要因(62)
2.7.1 市場拡大要因(62)
2.7.2 市場拡大阻害要因(63)
第3章 ベンダ分析(15社)(67)
−共通調査項目−
1 企業プロフィール
2 事業の位置付けおよび市場参入目的/狙い
3 事業実績推移
4 事業戦略
4.1 事業推進体制
4.2 製品戦略
4.3 販売チャネル実態
4.4 ユーザーターゲット
4.5 プロモーション戦略
4.6 アライアンス戦略
5 現状の課題及び今後の方向性
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
サービス指向アーキテクチャの現状と将来展望 2006年版

頒価
660,000円(税抜 600,000円)

発刊日
2006年04月21日

報告書体裁
ファイル綴り報告書

ページ数
161ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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