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メインフレームなど大型コンピュータが主流であった時代から、企業内のシステム構築は、伝統的に個別開発を旨としてきた。ソフトウェア・パッケージは、多くの企業で共通して用いられる汎用的な機能の開発にかかる重複を排除し、システム開発全体を通じて合理化を促進するといった機能のほか、UNIXマシンの登場などと並んで、独自アーキテクチャによる囲い込みから顧客を解放するオープンシステム化の一翼を担ったといえよう。
ソフトウェア製品のパッケージ化の程度は、市場性ならびに技術の標準化動向に依存する。市場性とは端的にはどれだけ多くのユーザーに使われるかということであり、より汎用性の高い製品分野ほど、その将来性が高いといえる。一方標準技術という概念自体はソフトウェア・パッケージに関して必須の要件ではないが、比較的最近になって盛んに議論されるようになった。市場原理のみで少数のソフト・メーカーが市場を席巻するのではなく、標準技術をサポートしうる多くのメーカーが平等にビジネス・チャンスを享受できる市場環境をもたらすものであると同時に、標準技術の策定作業において主導的な立場を確保することで、独自アーキテクチャーに代わって市場優位を確かなものにするための一種のマーケティング・ツールと捉えることもできる。
ともあれ、従来であれば専ら受託開発により構築されてきた業種・業務特化システムなどへも、その適用範囲を拡大しているソフトウェア・パッケージの企業システムに占める位置づけは確実に高まっている。また市場全体の概況について見ると、いわゆるITバブルの崩壊以降、企業の設備投資意欲の減退も手伝って2002年前後はやや低迷したものの、現在は回復基調にある。有望な産業分野の一つとして、その市場規模や需要動向、さらには現状の市場ライフサイクルにおける位置づけおよび将来展望について把握することは、非常に重要な取組みである。
当調査レポートは、2004年6月発刊した「2004年 パッケージソリューション・マーケティング便覧」の継続調査プロジェクトとして、調査対象を再整理した上で改めて敢行した延べ100件を超えるインタビューに基づくフィールド・サーベイの成果である。企業向けソリューションで用いられる主なソフトウェア・パッケージを網羅し、その市場動向について精査すると共に、新たに各調査対象品目ごとにユーザー業種別での市場規模把握ならびにニーズ動向に関する分析を実施した。更に全調査対象品目を10のカテゴリに分類した上で、急速な変化を見せる市場トレンドについて詳細な分析を行った。