◆市場調査レポート:2001年03月13日発刊

2001 テレビ・放送市場総調査

ブロードバンドインフラストラクチャ
−調査の背景−
  • テレビ(受像機)が、一般に広く普及したのは1960年前後(昭和32年〜37年あたり)のことで、当然モノクロテレビ(白黒テレビ)である。以降、一家に一台の電気製品として普及したが、この時期、テレビと同じように普及したのが、冷蔵庫や、洗濯機などのいわゆる”白もの家電”である。テレビもこうした家電の一つとして普及したわけである。

  • しかし、他の機器が”電気機器”であるのに対し、テレビは”電子機器”である。ハードウェアの機構上、他の家電製品とは異なった製品であったといえる。高電圧であり、ガラス製の管球で構成される構造は、見方を変えれば”大変危険な”機器であるともいえる。しかし、その扱い方は、家の掃除のついでに雑巾で拭くのも当然なほど、”家電”として完成されていた。現在、同じようなディスプレイのあるP/Cを、水拭きしようとする気は起きないのではないだろうか。

  • こうした時期から数十年経た現在、振り返ってみれば、テレビは元来、情報機器の要素を持ちながら、”家電”として普及してきた機器であるといえる。一方に、放送という情報コンテンツがあり、これを再生する装置という点も、道具である”家電”とは隔絶した存在にある。

  • こうした”家電”的なテレビに、情報機器としての要素が強まったのは'80年代の後半であるが、続く'90年代は周知の通りアナログかデジタルかの問題が論議され、およそ10 年を経てBSデジタル放送が開始に至った。
    2000年12月1日、BSデジタル放送が開始されたことは大きな話題であるが、この一年は単に従来の放送が発展した以外に、それまで放送の範疇になかったインフラの、放送に加わる状況がより顕著となった年である。

  • 実は、これが最も大きな変化であり、本調査レポートが、放送を調査対象としてきた所以である。放送という概念は”増殖”しているということである。今回は、まずこの拡大(増殖)する放送の体系を確定する作業から始まり、放送を構成するインフラの将来予測と全様を、1冊の調査レポートとしてまとめることに努めた。

−調査目的−
  • 本調査はデジタルインフラストラクチャの内、テレビ(受像機)と放送を対象とし放送インフラからそれらを取り巻くハードウェアとインフラ市場を調査・分析したものである。今後のデジタルコンテンツ市場をインフラ側から広範囲に把握し、将来展開すべさ方向性を示唆することを目的とした。

−調査対象−
○ コンテンツ
放送【CSデジタル放送BSデジタル放送他】

○ ハード
パッケージ系機器【TVゲーム機DVDプレーヤ他】

○ ハード
放送系機器【STB(セットトップボックス)TV受像機他】
放送事業の種類と区分・位置付け(メディアのヒエラルキ)
2001年:放送メディアの構成・体系
[ 調査イメージ ]

  • 2001年初頭におけるテレビ放送に関する話題は、2000年12月にBSデジタル放送が開始されたことから,この放送に関するものに集中している。また、この後、地上波がデジタル放送になることや、そのための電波塔の建設場所などデジタル放送に関する話題が続く。これらは専ら放送を、テレビという単一媒体のものであるような語られ方で伝えられている。

  • しかし、情報媒体全体に目を転ずれば、放送の概念は単にテレビ・ラジオといった旧来からあるもの以外にも広まっているのが事実である。ここに至る状況は既に'96年頃から発生していたものであるが、2000年内において急激に具体化してきたといえる。これに該当するのがインターネットにおけるストリーミング配信をもって放送とする”インターネット放送”と、携帯電話を端末に見立てた”モバイル関連の放送”である。この二系統の放送は非テレビ放送として新たに放送の範疇に加えられるべきものである。

  • 特にインターネット放送は、'99年〜2000年初頭の段階では概念こそあったものの、市場あるいは特定のインフラストラクチャとして捉えるには事業性が見出しがたく、当調査レポートにおいても時期を待って取り上げるものとしていた。

  • 2000年後半期は、BSデジタル放送の話題が高まったことの他、いわゆる”ブロードバンド”が目前のものとして認識されるようになった。このブロードバンドを構成する技術計画や、構想が発表されてきたことから”ワイドバンド”ブロードバンド”のサービスがより現実のものとして意識されるようになった。

  • この一年の状況変化は、放送の概念を拡大させるものである。ハードウェアで見た場合、放送はこれまでのテレビ(テレビやラジオ)といった旧来からある出力装置の他、P/C、携帯電話がそのためのハードウェアとして加わることとなった。2001年以降の放送は、複数の端末向けの放送によって構成される、”複合映像情報サービスインフラ”という概念で捉えるべきである。要するにディスプレイというハードウェア別のシチュエーションに、それぞれ適した放送事業が成立して行くものと断定できる。放送は昨年2000年の一年間で”様変わり”したということである。

−調査対象先−
  • ハードウェアメーカー

  • コンテンツホルダ
    〔ソフトウェアハウス、出版系、音楽系他〕

  • 情報・通信関連機関、団体
  • 放送系プラットフォーム

  • 委託放送事業者

  • その他

−目次−
()内は掲載ページ
■ まとめ
1.2001年初頭の放送事業(3)
  ◎放送の概要:〜2000年アナログ−デジタル(4)
  ◎ブロードバンド”ストリーミング”インターネット放送(4)
  ◎CSデジタル放送BSデジタル放送地上波デジタル放送(5)
  ◎CSデジタル放送(6)
  ◎CS110°放送(6)
  ◎BSデジタル放送(8)
  ◎地上波デジタル放送(9)
  ◎地上波デジタル放送の機能と地方局の意義(9)
<参考>
全国放送局一覧(11)

2.各放送の現状と今後(ブロードバンド環境)(15)
  1)BSデジタル放送(15)
   (1)事業者の見直し(見解)(16)
   (2)BSデジタル放送の普及状況と予測(17)
     ○独立データ放送(18)
   (3)BSデジタル放送事業者一覧(19)
     ○”番組放送”事業者(19)
     ○独立データ放送事業者(20)
  2)CSデジタル放送(21)
   (1)CSデジタル放送の普及状況と予測(21)
   (2)CS放送事業者一覧(22)
     ○補足:参入希望者一覧(23)
  3)CATV(24)
  4)インターネット放送(ストリーミング配信)(26)
  5)ADSL(27)
   (1)国内普及・予測(27)
   (2)ADSLサービス概況(28)
   (3)ADSLサービス事業者(30)
  6)ディスプレイと放送(31)
   (1)放送ディスプレイとハードウェア(31)
   (2)放送受信機器に関わるディスプレイと潜在市場(33)
   (3)ディスプレイの種類(34)
  TVメーカー(ソニーの例)(35)
  BSデジタル事業者
   (1)日本放送協会(37)
   (2)ビーエス日本(41)
   (3)ジャパン・デジタル・コミュニケーション(45)
   (4)ビーエスフジ(49)
   (5)ビー・エス・ジャパン(53)
■ インターネット放送
1.インターネット放送の概要(59)
  1)インターネット放送の特徴(59)
   (1)インターネット放送(ストリーミング配信)とは(59)
   (2)インターネット放送の可能性(59)
   (3)インターネット放送と地上波・BS放送との違い(59)
  2)インターネット放送の形態(59)
   (1)ライブ放送とオンデマンド放送(59)
   (2)ユニキャスト配信とマルチキャスト配信(60)
  3)インターネット放送ビジネス(61)
   (1)インターネット放送事業者(61)
   (2)インターネット放送事業者の分類(61)
   (3)インターネット放送業界構造図(62)

2.インターネット放送の市場(63)
  1)インターネット放送の経緯・歴史(63)
  2)インターネット放送ビジネスの推移(ロードマップ)(63)
  3)インターネット放送(ストリーミング配信)ビジネスの予測(64)
  4)インターネット放送(ストリーミング配信)の市場形成・発展(64)
  5)インターネット放送(ストリーミング配信)の市場規模(65)
   (1)市場概況(65)
   (2)市場拡大要因(65)
   (3)問題点(65)

3.主要参入企業動向(66)
  1)事業者一覧(66)
  2)ストリーミング事業者の分類(67)
   (1)タイプ別分類(67)
   (2)タイブ別事業者(67)
  3)タイプ別事業者の詳細(FCRの分析・見解)(70)
  4)企業動向一覧(71)

4.代表的なストリーミング配信サイト及びインターネット放送局一覧(77)

5.インターネット放送事業者(82)
   (1)フォーリンTVジャパン(82)
   (2)オルカビジョン(85)
   (3)日本デジタルコミュニケーションズ(88)
   (4)インプレスコミュニケーションズ(91)
   (5)ゼン(94)
   (6)Jストリーム(97)
   (7)リアルネットワークス(100)
   (8)ヤフー(103)
   (9)松下電器産業(Hi−Ho)(106)
   (10)ニフティ(109)
■ CATV
1.CATVの方向性(115)
  1)LocalAreaNetworkから広域ネットワークヘ(115)
  2)地域インフラとしての位置付け(116)

2.国内のCATV事業の推移(117)
  1)施設の概要(117)
   (1)施設数の推移(117)
   (2)都道府県別施設数(118)
  2)CATV加入者の推移(119)
   (1)受信契約者数推移(119)
   (2)地域別加入者数(120)
   (3)都道府県別CATV普及状況(121)
  3)自主放送を行うCATVの状況(122)
  4)CATV事業者(123)
   (1)規模別事業者数の推移(123)
   (2)CATV事業者の分類(124)
   (3)CATV事業者の経営状況(125)
   (4)加入世帯上位のCATV事業者(126)

3.CATV事業者の取り組み(127)
  1)BSデジタル放送(127)
   (1)BSデジタル放送への各社の対応(127)
   (2)BSデジタル放送配信の狙い(128)
   (3)BSデジタル放送に対する加入者の反応・視聴状況(129)
  2)放送のデジタル化への今後の対応(130)
  3)広帯域化への取り組み(131)
  4)サービス(132)
   (1)サービスの状況(132)
   (2)CATVの優位性(133)

4.CATV業界再編の動き(134)
  1)CATV業界の動向(134)
  2)ネットワーク化の状況(135)
   (1)大資本・MOS型ネットワーク(135)
   (2)自然派生型ネットワーク(136)
   (3)ブロードバンドネットワークとしての位置付け(136)
   (4)協議会・グループ一覧(137)

5.CATVの普及予測(139)

6.CATV事業者(140)
   (1)東急ケーブルテレビジョン(140)
   (2)大阪セントラルケーブルネットワーク(146)
   (3)名古屋ケーブルネットワーク(150)
   (4)武蔵野三鷹ケーブルテレビ(154)
   (5)小田急情報サービス(158)
   (6)北ケーブルネットワーク(161)
   (7)東関東ケーブルテレビ296(165)
   (8)キャッチネットワーク(169)
   (9)シティウェーブおおさか(172)
   (10)日本ネットワークサービス(176)
   (11)エルシーブイ(180)

7.MOSの動向(184)
   (1)ジュピターテレコム(184)
   (2)TOKAI(186)
   (3)トーメンメディアコム(187)

8.配信事業者(188)
   (1)日本デジタル配信(188)
   (2)ジャパンケーブルネット企画(190)
   (3)東海デジタルネットワークセンター(192)

9.ネットワーク化の動向(194)
■ ハードウェア市場
1.ハードウェア(199)
  1)テレビ全体(199)
   (1)4:3テレビ(201)
   (2)ワイドテレビ16:9(202)
   (3)PDP−TV(203)
   (4)リアプロジェクションTV(205)
   (5)ハイビジョン・デジタルTV(207)
  2)TVゲーム機(208)
  3)DVDプレーヤ(214)
  4)CSチューナ(219)
  5)BS/CSデジタルチューナ(223)
  6)VTR(227)
  7)CATVホームターミナル(232)
  8)ホームシアターシステム(236)
()内は掲載ページ
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
2001 テレビ・放送市場総調査

頒価
106,700円(税抜 97,000円)

発刊日
2001年03月13日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
240ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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