◆マルチクライアント調査レポート:2007年09月25日発刊

BTCスペシャルレポートVol. 2 SOAに対する顧客ニーズと導入実態

実用段階を迎えたSOA関連市場の実態をユーザー調査から解明
−調査の背景−
  • かつてハイテク市場の発展を支えていたのは、イノベーションを次々に生み出しその浸透を図るという活動のサイクルであった。ITが未成熟な段階ではイノベーションは多くの顧客に対して確実に利便性の向上をもたらすものであり、それを提供する側が力を注ぐべきは、新たな技術の信頼性を高め、またその技術を顧客がより簡単に取り込むことができるよう、周辺製品やサービスを充実させることであった。
  • 企業ITの分野では、ERPパッケージをその代表的な例として挙げることが出来る。ERPパッケージの登場により、それまでスクラッチ開発を主体としてきた業務アプリケーションの導入手法に既製品を利用するというイノベーションがもたらされた。そしてそのイノベーションをより受け入れやすくするために、コンサルティングサービス、アドオン開発、「ベストプラクティス」という考え方、「ビッグバン導入」などの導入方法論、様々なマーケティング・プロモーションなどが周辺で展開されたのである。
  • このようなイノベーションをベースとするハイテク市場のシンプルな発展サイクルは、いわゆるITバブルの崩壊とともにその有効性を失いつつある。企業にとってイノベーションが引き続き重要である点には変化は無いものの、その提供方法や企業の受け入れ方に変化が見られるということである。こうした変化の主な要因としては、ITがある程度成熟したことに加え、企業などイノベーションを受け入れる側が既に飽和状態に達したことが挙げられる。イノベーションは既存の技術をリプレースしつつ企業に受け入れられるケースもあるが、多くの場合新たな企業資産として蓄積されていく。上記の例では、既存のホストアプリケーションに対してERPが加えられたほか、その後SCMやCRMなどのアプリケーション群、グループウェア、Webアプリケーションなどが次々と加えられていった。このように既存技術との間で互換性の無い新たな技術が蓄積され続けることで、今日企業ITにおける深刻な問題の一つとなっている“カオス”を生じさせたとの見方ができる。このような状況に至って企業から求められているのは、新たなイノベーションではなくむしろカオスの解決である。
  • こうした視点から、今日企業ITの世界で最も注目されるキーワードの一つであるSOAについてみると、これまでに登場したあまたのキーワードとの明確な差異が認められる。すなわちSOAは、“サービス”という単位でシステムを構築するという一種のイノベーションを提供しつつも、より重要なコンセプトとしてカオスの解決が、“疎結合”というキーワードとともに謳われている点である。SOAは“密結合”によるカオスの解決を謳ったEAIの後継技術としての側面を持つといえ、またSOAは企業の中に新たに蓄積されるものではなく、既に企業内に蓄積されている“かつてのイノベーション”を整理・統合するものと捉えることができる。
  • このようにSOAは、これまでの企業ITの変遷を踏まえ、時流に合わせて登場したものであり、自社内にカオスを抱える企業にとって極めて有効な考え方を提供している。しかしこうした特徴が同時にSOAの普及を阻む最大の要因ともなっている。すなわちSOAへの取り組みの前段には、既存システムの調査という困難を乗り越えなければならないということであり、SOAの利点は理解しつつも、多くの企業がしり込みしてしまうという状況を招いている。
  • カオスの解決はSOAの特に技術的な側面にフォーカスした特長であり、これ以外にも“俊敏な経営の支援”など実に多様なコンセプトが含まれている。こうした広範で多様という特色が、SOAをより難解なものとしている。
  • SOA市場の成長はベンダ各社が当初期待よりもかなりスローペースである。しかしスローペースではあるものの、着実に進展している。企業システムの基盤をなすSOAの導入メリットを享受するためには、他のシステムと比べより長期的な観察が必要であると考えられるが、ベンダにとってもSOA市場で果実を得るためには、長期的な忍耐が必要となろう。
  • 当調査企画では、SOAが漸く実用段階へと移行しつつあるという状況を踏まえ、ユーザー企業における取り組みやニーズの実態把握にフォーカスして調査を行った。調査手法として実践状況やベンダ評価などを含むユーザーアンケート調査と並んで、導入企業ならびに未導入企業に対するインタビュー調査、および主要なベンダ企業に対するインタビューを実施することで、定量的ならびに定性的な分析を行った。
  • 当レポートが、SOA市場での成功を目指すベンダ企業のご担当者、ならびにSOAを自社事業の強化のために活用を目指すユーザー企業のご担当者にとって有用な基礎情報として大いに活用されれば幸甚である。
−調査目的−
  • 当調査企画では、登場から数年経過した国内SOA市場の現状について、主要参入ベンダにおける製品戦略や販売戦略を把握すると共に、ユーザー企業における取り組みやニーズ実態を把握することで、2010年に至るSOA市場を展望し、もって今後採るべき方策を明らかにすることを目的とした。
−調査対象−
1. 調査対象市場
(1) 関連ソフトウェア
製品例:ActiveGlove、AquaLogic、Artix、ASTERIA、BizTalk Server、BusinessWare、Cosminexus、Ensemble、Fusion Middleware、Interstage、Java Enterprise System、NetWeaver、SOAプラットフォームESB、SonicESB、Universal Application Network、webMethods、WebSphere その他
(2) 関連サービス
2. 調査対象ベンダ企業
  • IBMビジネスコンサルティングサービス、NTTデータイントラマート、SAPジャパン、インフォテリア、ウェブメソッド、サン・マイクロシステムズ、ソニックソフトウェア、日本BEAシステムズ、日本アイオナテクノロジーズ、日本アイ・ビー・エム、日本オラクル、日本ティブコソフトウェア、日本ヒューレット・パッカード、日本電気、日立製作所、ビトリアテクノロジー、富士通、ブレイニーワークス、ボーランド、マイクロソフト、三菱電機インフォメーションテクノロジー その他
3. 調査対象ユーザー企業
ユーザーアンケート調査の結果、SOAにすでに取り組んでいる大手企業を中心に14社/団体を選定し、インタビュー調査を実施した。
−レポートのキーポイント−
第1部 調査総括
  • 2010年の企業情報システムにおけるSOAのあるべき姿
  • SOA導入を成功に導くためのキーポイント
  • 現状の課題とその解決に向けた取り組み
第2部 市場分析
  • 関連製品の詳細レベルにブレークダウンした市場データ、2010年に至る予測
  • ミドルウェア製品などの主要ベンダにおける事業戦略の実体と方向性
  • SOAを支える製品/サービス体系と技術開発動向
第3部 ユーザーアンケート
  • 企業の経営層ならびに情報システム部門の責任者を対象
  • SOAで“何をしたいのか”、“何がネックなのか”などを定量的に分析
  • 業種別/企業規模別などによる詳細分析
第4部 ユーザーインタビュー
  • 民間企業および官公庁を対象に14件のデプス・インタビューを敢行
  • ユーザーの真のニーズとそこから導かれるSOA市場飛躍のためのトリガー
−目次−
調査設計(3)はじめに(1)
調査設計(3)
第1部 調査総括(9)
第1章 2010年に至るSOA関連市場のシナリオ(11)
1.1 2007年現在の市場実態(11)
1.2 2010年の市場展望(11)
第2章 ユーザーニーズ実態および市場浸透のための有効な方策(13)
第3章 SOAに関する現状の問題点および今後の課題(15)
第2部 市場分析(17)
第4章 市場概況(19)
第5章 SOAに基づくソリューションの体系(21)
5.1 SOA関連製品の概要(21)
5.2 関連ソフトウェア製品(21)
第6章 SOA関連市場構造(27)
第7章 主要ベンダのマーケティング戦略(31)
7.1 主要参入企業のマーケティング戦略実態(31)
7.2 市場でのポジション(32)
7.3 主要ベンダの動向(33)
7.4 マーケティング戦略の方向性(45)
第8章 技術開発動向(47)
8.1 BPEL(47)
8.2 SCA/SDO(48)
第9章 市場規模推移(51)
9.1 SOAベース・ソリューション全体市場(51)
9.2 関連ソフトウェア市場(54)
9.3 関連サービス市場(59)
第10章 市場拡大要因/阻害要因(60)
10.1 市場拡大要因(60)
10.2 市場拡大阻害要因(62)
第11章 主要ベンダ/製品一覧表(65)
第3部 ユーザーアンケート(69)
第12章 SOAの認知度(71)
12.1 予備調査分を含む全体(参考データ)(71)
12.2 SOA認知者主要8業種対象(本調査)(72)
第13章 SOAへの取り組み(実践の有無 等)(75)
13.1 SOAの実践状況(75)
13.2 SOAの適用対象業務(77)
13.3 導入製品/サービス(80)
13.4 SOA実践の目的(83)
13.5 SOAの満足度(86)
第14章 製品・ブランド評価(87)
14.1 ブランド認知度(87)
14.2 ブランド別導入意向(91)
第15章 今後の方針(95)
15.1 SOA実践における課題(95)
15.2 他部門や他の業務への展開意向(95)
15.3 ESB製品の導入意向(96)
15.4 SOA関連予算の今後の見通し(96)
15.5 SOA市場の今後の展望(97)
第4部 ユーザーインタビュー(99)
−14社/団体・共通項目−
1 企業プロフィール
2 SOAの位置づけと現状の取り組み
3 導入システム実態
4 導入システムに対する評価
5 現状の課題及び今後の方向性
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
BTCスペシャルレポートVol. 2 SOAに対する顧客ニーズと導入実態

頒価
660,000円(税抜 600,000円)

発刊日
2007年09月25日

報告書体裁
ファイル綴り報告書

ページ数
163ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 ビジネス・テクノロジー・オフィス(BTO)
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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