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『2010 SaaS関連市場総調査』まとまる(2010/8/10発表 第10073号)

SaaS関連の国内市場を調査

2014年度予測
SaaS:基幹系は2009年度比2倍以上の227億円…中小製造業を中心に導入広がる
基盤サービス:PaaSは同16倍の480億円、IaaSは同10倍の980億円と急拡大

マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、ネットワーク経由のアプリケーション提供サービス「SaaS(Software as a Service)」関連の国内市場を調査した。その結果を報告書「2010 SaaS関連市場総調査」にまとめた。

SaaS は、ITリソース(資源)をパソコンなどに“所有”せず、ネットワークを経由しオンデマンドで “利用”するシステム概念「クラウドコンピューティング」の代表的なサービス形態である。この調査では、「基幹系」「情報活用系」「Web構築ツール」「音声/映像系」「セキュリティ」「業種特化・他」の6カテゴリ・35サービスのSaaS市場を分析し今後を予測すると共に、ユーザーの業種別や従業員数別※1にSaaS市場を横断的に捉えた。
さらに、プラットフォーム提供サービス「PaaS(Platform as a Service)」やインフラ提供サービスの「IaaS(Infrastructure as a Service)」など基盤サービス市場も調査し、クラウドコンピューティングの現状と今後を網羅的に分析した。

※1 大規模:1,000人以上、中規模:100人以上1,000人未満、小規模:100人未満

調査結果の概要
サービス形態2009年度2010年度見込2014年度予測14年度/09年度比
SaaS1,313億円1,502億円2,119億円161.4%
基盤サービス133億円250億円1,508億円1,133.8%
SaaS関連市場 合計1,446億円1,752億円3,628億円250.9%
注:各カテゴリなどを億円単位で四捨五入しているため、合計と一致しない年度がある
 クラウドコンピューティングへの注目が集まっている中で、その中心的存在のSaaSも市場拡大が続いている。また、基盤サービスはPaaSやIaaSの事業展開が本格化してきており、市場は創成期から成長期に移行しつつある。2010年度は景気の先行きに不透明感が残っているものの、SaaS関連市場は好調を維持し前年度比21.2%増の1,752億円が見込まれる。
 IT関連への投資抑制が続く一方で、コスト削減と競争力強化を図る戦略的投資としてSaaS関連は需要を獲得している。また、新規参入も相次いでおり、ユーザーにとってはコスト、品質、機能など様々な面から自社に最適なサービスを選択できる環境が整ってきている。
 2014年度のSaaS関連市場は、2009年度比2.5倍となる3,628億円が予測される。特に基盤サービスは、同11倍と急拡大が予測される。ITリソースを“所有”せず効率的に“利用”できることから、今後幅広いユーザーに導入が広がると考えられる。
SaaS市場動向
1. カテゴリ別市場
カテゴリ2009年度2010年度見込2014年度予測14年度/09年度比
基幹系105億円129億円227億円216.2%
Web構築ツール68億円85億円128億円188.2%
セキュリティ37億円42億円67億円181.1%
情報活用系446億円527億円802億円179.8%
音声/映像系167億円187億円244億円146.1%
業種特化・他490億円532億円652億円133.1%
 基幹系は、ERP(Enterprise Resource Planning)や財務・会計、販売・在庫などの企業の根幹に関わるシステムを外部に預けることへの抵抗感が強く今までSaaSの普及が遅れていたが、最近では中小の製造業を始めSaaS導入を機にシステム化を図る中規模、小規模ユーザーや、パッケージソフトウェアからの移行などの需要を獲得しており、2014年度は2009年度比2倍以上の市場が予測される。一方、大規模ユーザーは汎用的なSaaSが自社業務に適合しないケースがあり、従来通り自社システムの運用、もしくは、社内など限定されたネットワーク上にシステムを構築するプライベートクラウドへの移行が中心と考えられる。
 Web構築ツールは、企業サイトやEC(E-Commerce)サイトを構築・運用するサービスである。ECサイト構築が約75%を占めている(2009年度)。EC市場の拡大が続く中、自社のECサイトを立ち上げる中小の流通小売業がユーザーの中心となっている。また、検索エンジンは企業サイト内の検索を目的に大規模、中規模ユーザーへの導入が進んでいる。Web上でのプロモーションや事業展開の重要性が増す中、今後も需要が多いと見られる。
 セキュリティは、ウイルス対策が約75%を占めている(2009年度)。中規模、小規模ユーザーがセキュリティ管理の負担軽減を目的にSaaSへ移行しており、市場が拡大している。また、大規模ユーザーでも本拠地では自社システムの運用、各拠点ではSaaSと使い分けているケースがあり、規模を問わず幅広いユーザーに導入が広がっている。IT資産管理やサーバログ管理は、対象となるIT機器やサーバの導入数に需要が比例しており、大規模、中規模ユーザーが中心である。SaaSでも高いセキュリティが維持出来るという認識が広がっており、今後、大規模、中規模ユーザーの比率は高まっていくと予想される。
 情報活用系は、業種や規模を問わない汎用的なサービスが多いことからSaaS市場の中心的な存在である。中でもセールスフォース・ドットコムのCRM(Customer Relationship Management)「Salesforce CRM」は高い知名度でSaaS自体の認知度向上にも貢献し導入が進んでいる。「Salesforce CRM」や日本オラクル「Oracle CRM On Demand」といった統合型CRMのほか、メール配信やアンケートなどマーケティングに特化したサービスが中心となっている。情報活用系はCRM以外でもグループウェアやメールなどSaaSの利用が最も活発な分野であり、今後も導入が広がっていくと予測される。
 音声/映像系は、会議系(テレビ、Web、音声)サービスとCTI(Computer Telephony Integration)である。会議系サービスは、出張コスト削減と業務効率化を背景に導入が広がっている。また、2009年度は新型インフルエンザの流行に伴うパンデミック対策としての需要も見られた。CTIは、顧客満足度向上や顧客サポート充実の重要性が高まっている中、低コストで効率的なコールセンターの構築を可能とする。数席からの構築が可能で、小規模ユーザーにおける新たなコールセンター構築を中心に市場拡大が見込まれる。また、複数のコールセンター拠点の統合や増設を目的にSaaSを導入するケースも増えてきており、大規模ユーザーへの導入増加が期待される。
 業種特化・他は、システム化があまり進んでいない業界で、中規模、小規模ユーザーの需要を中心に市場が拡大している。福祉・介護など業界内では広く普及しているサービスもある。
 その他、EDI(Electronic Data Interchange)はインターネットを通じてデータの送受信を行うWeb-EDIの登場よって、製造業や流通小売業におけるSaaSの導入が活発化している。
2. ユーザー業種別構成比(2009年度)
製造業流通小売業金融業サービス業他公共分野
32.5%21.5%10.6%28.7%6.6%
 企業数の多い製造業とサービス業他の構成比が高くなっている。製造業は、EDIや情報活用系、音声/会議系が大きいほか、中規模、小規模ユーザーを中心に基幹系の導入が進んでいる。サービス業他は、顧客管理・対応でCRMが大きい。
 流通小売業は、拠点間や取引先との情報共有でEDI、また、中規模、小規模ユーザーにおいてECサイト構築の導入が広がっている。金融業はセキュリティに対する要件が厳しく、一部を除き他業種に比べて限定的な導入に留まっている。公共分野は、官公庁や地方自治体がクラウドコンピューティング活用に向けた取り組みを進めており、今後導入が広がっていくと考えられる。
 なお、各業種の構成比は2014年度もほぼ同様と予測される。
内容の詳細につきましては『2010 SaaS関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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最終更新日:2012年2月2日

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