『データセンタビジネス市場調査総覧 2010年版』まとまる(2010/5/28発表 第10046号)
データセンタ関連サービスの国内市場を調査
- ■2014年市場予測
-
- ■TCO※削減やサーバ統合などでサービス活用が進み1兆5,550億円(09年比34%増)
- ※Total Cost of Ownership:コンピュータシステムの導入、維持・管理などにかかる全ての費用
マーケティング&コンサルテーションの(株)富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、お客様のサーバを預かり、インターネットへの接続回線や保守・運用サービスなどを提供するデータセンタ関連のサービス市場(データセンタビジネス市場)を調査した。その結果を報告書「データセンタビジネス市場調査総覧 2010年版」にまとめた。
この報告書では、データセンタビジネス市場の分析を中心に、データセンタの規模や投資の動向、さらにデータセンタ事業に参入しているデータセンタ事業者(ベンダ)の企業戦略分析を行った。
- ■調査結果の概要
- 1. データセンタビジネス市場
-
| 2009年 | 2014年予測 | 2009年比 |
| 1兆1,605億円 | 1兆5,550億円 | 134.0% |
2009年のデータセンタビジネス市場は1兆1,605億円となった。その内、サーバや通信機器などまで提供するホスティングサービスが28%、サーバや通信機器などはユーザーが持ち込むハウジングサービスが37%を占める。その他は、共同利用型サービス(複数企業が共同でシステムを利用)、通信回線サービス(データセンタとユーザー間の通信回線)、SaaS(データセンタ上でのサービス)である。2014年には2009年比34.0%増の1兆5,550億円の市場が予測される。
市場拡大要因は、データセンタ活用によるTCO削減やクラウドコンピューティングビジネスの拡大、サーバ統合の進展の他、グリーンITの推進やユーザーセンタの老朽化などが上げられる。一方で、不況による案件の凍結/先送りやサービス価格の値下げ要求、また、都内や首都圏におけるサービスの供給過多による値崩れ、パブリッククラウド利用の増加によるサービス利用の減少が市場拡大を阻害する要因と見られる。
- (1) ベンダカテゴリ別市場予測
-
| ベンダカテゴリ | 2014年予測 | 市場構成比 | 2009年比 |
| コンピュータ/SIベンダ | 1兆2,812億円 | 82.4% | 134.6% |
| キャリア及びキャリア子会社 | 1,460億円 | 9.4% | 129.8% |
コンピュータ/SI(システムインテグレーション)ベンダは、サーバの製造販売又はシステム開発から運用までを手掛けデータセンタ事業を行っているところで、その実績は最も大きく市場の80%以上を占める。大規模なアウトソーシング型のデータセンタサービスを提供しているケースが多く、他のベンダに比べマネージドサービス(ハウジング/ホスティングサービスにおける運用サービス。監視、診断、障害対策等のサービス)による収益が多い。また、従来マネージドサービスへの注力度が低かったベンダも収益を向上させるために注力度を高めている。
キャリア及びキャリア子会社は、自社(グループ)の通信回線を保有してデータセンタ事業を行っているところで、基本型のハウジングサービス及び通信サービスを主としている。また、多くのキャリア及びキャリア子会社が他のカテゴリのベンダに対してスペースを提供している。コンピュータ/SIベンダと比べると一案件あたりのサービス単価は低いが、今後はマネージドサービスの強化やクラウドサービス(仮想型ホスティングサービス)の展開により収益性の向上を図っていくと見られる。
その他にデータセンタ特化型のベンダがある。これらのベンダは、大規模なファシリティ(施設や設備等)を自社保有しているファシリティ系とサービスに特化した事業展開を行っているサービス系に分けられる。ファシリティ系は、基本型のハウジングサービスが主力サービスである。ハイスペックな施設を強みとしており堅調な需要を確保していることから、今後も需要の伸びに応じた増床を続け、収益を上げていくと見られる。サービス系は、ユーザー数などに柔軟に対応するために他社の施設を借り受けてサービスを提供しているケースが中心である。中堅・中小企業をターゲットとしたレンタルサーバ事業者やWebサイトのサポートサービス、コンサルティングサービスなど特色のあるサービスに特化したビジネス展開を進めている。
- (2) ユーザー業種別市場予測
-
| ユーザー業種別カテゴリ | 2014年予測 | 市場構成比 | 2009年比 |
| 金融 | 6,230億円 | 40.1% | 128.2% |
| 流通/サービス | 3,420億円 | 22.0% | 145.5% |
| 製造 | 3,060億円 | 19.7% | 133.0% |
市場構成比が最も高いのが金融であり、2014年には市場の40.1%を占めると予測される。共同利用型サービスの実績が高いほか、金融庁からの要請によるバックアップ案件などの利用がある。2008年は世界的な金融危機の影響により外資系金融からの案件が減少し縮小したが、2009年後半から案件が回復基調にある。
製造業は潜在需要が大きく景気の復調と共に拡大が期待され、流通/サービス業もECサイト構築などのアウトソーシングニーズが堅調であることから、今後は高い伸びが予測される。
その他に公共、ISP事業者、放送、通信、エネルギーなどがある。2014年には2009年比35.6%増の2,840億円(市場構成比18.3%)と予測される。ISP(インターネットサービスプロバイダ)は基本型のホスティングサービスの利用が多く一案件当たりの単価は低いが、Webコンテンツが増加すると見られるほか、SNS/ゲームのシステムのオープン化によりユーザーの拡大が予測される。ただし、今後単価が安いクラウドサービスが浸透した場合伸びは鈍化すると予想される。
- (3) 地域別市場予測
-
| 地域別カテゴリ | 2014年予測 | 市場構成比 | 2009年比 |
| 関東 | 1兆1,730億円 | 75.4% | 139.5% |
| 関西 | 2,220億円 | 14.3% | 123.3% |
市場構成比が最も高いのが関東であり、2014年には市場の75.4%を占めると予測される。関東は国内の主要企業が集中していることからである。関西も需要が見込める地域ではあるが、現状ではデータセンタサービスの普及は関東圏ほど進んでいない。東京に本社を置くビジネス展開が多く、支店・支社によるサービスの利用は消極的であることからである。
その他地域は、2014年に2009年比14.7%増の1,600億円(市場構成比10.3%)の実績が予測される。本格的な需要拡大にはまだ時間を要すると考えられる。
内容の詳細につきましては『データセンタビジネス市場調査総覧 2010年版』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)
|最新プレスリリース一覧に戻る|