◆市場調査レポート:2004年04月27日発刊

バイオメトリクス市場総調査 2004

認証デバイス、アルゴリズム、システムとその運用サービス市場まで
バイオメトリクス関連ビジネス市場の徹底研究による現状把握と将来展望
−調査の背景−
  • バイオメトリクスとは、身体(からだ)の一部を利用して、個人が誰であるのかを認証する技術である。もっともポピュラーなものとしては指紋が用いられ、これまでは、軍事施設や原発など重要な施設で使われていた技術である。それが、ここ最近で携帯電話にも利用されるなど、一般生活レベルにまで広まってきている。認証の方法としては、ほかに、顔や虹彩、手のひらや指の静脈、音声や筆跡を認証の対象とする技術も商品化されている。

  • アメリカでは2001年の9.11の同時多発テロをきっかけにバイオメトリクスの必要性が叫ばれるようになった。アメリカでは2003年から「US-VISIT」という制度を開始している。アメリカに入国する際に、写真とともに指紋などの「生体情報」を収集し、個人が誰であるのかを特定することで、アメリカに入ってくる人間を「ふるい」にかける。テロリストの流入を防ぐのが目的である。日本でも主要国際空港では、顔認証によるスクリーニングを行なうようになっている。

  • しかしながら、指紋というと、まず犯罪捜査や移民の登録にも使われている悪いイメージが強く、一般の人には抵抗感があるのが実情である。一方で、また日本に視点を移してみると、「機密情報漏えい」の対応として、バイオメトリクスの導入が始まっているが、やはり、指紋を収集されることに対して、抵抗感があるようだ。それでも、管理する側の都合で、バイオメトリクスの導入はどんどん進んでいる。というのも、テロや情報漏えいを未然に防ぐという目的があるからで、安全の代償として、指紋を取られることもやむを得ないとの考え方が世間一般に広がってきているように思える。

  • 日本では、機密情報漏えいのリスクを防ぐための手段となり、顧客リストなど個人情報への不正アクセスを未然に防ぐ目的で導入が進んでいる。これまでは、企業(官公庁もだが)において、顧客情報などのデータベースへのアクセスは、パスワードやICカードで管理されていた。建前としては、相応の責任を持った管理者のみが、アクセスできることになっているのだが、パスワードとカードを持っている人間が許可を受けた本人であるかどうかの確認を取ることはできない。これは、前出の入国管理にも言えることで、ビザを取得した人間と実際に入国した人間が同じ人物とは限らないことが、それぞれシステム上の問題として露呈してしまったのが、昨今の情報漏えい事件とも言えるだろう。

  • このようにバイオメトリクスは、安全を保つ上で不可欠の技術となるのだが、しかしながら、これを管理主義的な考えだけに留めてしまうのは、あまりにも短絡的である。たしかに指紋を取られることに抵抗感はあるのかも知れないが、都合が悪いのは、あくまでテロリストや個人情報を盗もうとする悪意のある人間だけのはずで、大多数の善良な人間にとっては、安全ということだけでなく、入国審査の処理が早くなることや、安心してインターネットでの行政サービスやネットショッピングができるようになるなど、数々の利便性を得ることのできるメリットのほうがはるかに大きい。

  • 2003年のバイオメトリクス技術は、携帯電話やPC、PDAなどに搭載されはじめた。今後は、家電や自動車、ロボットへの応用など市場性が研究されている。今回の2004年版レポートにおいては、今後の発展が期待されるバイオメトリクス市場について、現状の製品について参入各社の現状または新規参入者の戦略を捉えた上で、今後の市場将来性についての予測提案を主題としてデータをまとめている。今回の「バイオメトリクス総調査2004」が、関係各社各位の事業戦略への基礎データとして活用していただくことで、バイオメトリクス市場全体の更なる発展に寄与できれば幸いである。


−調査目的−
  • 本レポートでは、バイオメトリクス技術を用いた本人認証に関わる市場について、市場規模、マーケットシェアおよびユーザーニーズについて調査・分析し、今後のバイオメトリクス市場の将来性と方向性を明確にすることを目的としている。


−調査対象−
1. バイオメトリクス基本技術

・指紋
・顔
・虹彩
・静脈
・音声
・筆跡
・掌形
・DNA

2. 応用製品分野

・物理セキュリティ関連
・情報セキュリティ関連
 

3. ユーザー分野

・金融
・オフィス
・空港
・自治体
・病院
・学校
・店舗
・アミューズメント
・住宅
・モバイル
・自動車
・ロボット

4. 対象企業

・デバイス/アルゴリズムメーカー
・機器/装置メーカー
・システムインテグレータ
・サービス事業者
・運用サービス

−目次−
I. 市場分析編(1)

1. バイオメトリクス市場概要(3)
1)バイオメトリクスの定義(3)
2)各バイオメトリクスの市場規模(3)
3)バイオメトリクス市場の展開(4)

2. バイオメトリクス市場規模推移集計(5)
1)各バイオメトリクスの市場規模推移予測(5)
2)各市場についての分析・見解(6)
  (1) 指紋認証(6)
  (2) 顔認証(7)
  (3) 虹彩認証(7)
  (4) 静脈認証(7)
  (5) 音声認証(8)
  (6) 筆跡認証(8)
  (7) 掌形認証(8)
3)利用シーン別市場発展予測イメージ(9)
4)タイプ別市場推移予測(数量)(9)
5)タイプ別市場推移予測(金額)(9)
6)FCRの見解(11)

3. バイオメトリクス技術比較(12)
1)バイオメトリクス技術の比較(12)
2)その他のバイオメトリクス(13)
3)バイオメトリクスの標準化動向(14)

4. 個人認証としてのバイオメトリクス(17)
1)個人認証の現状(17)
2)バイオメトリクス導入の利点(18)
3)各バイオメトリクスの位置付け(19)
4)各アプリケーションにおけるバイオメトリクスの適応(20)
  (1) 出入管理機器(20)
  (2) PC周辺機器(22)
  (3) 携帯電話(24)
  (4) その他(25)

5. 潜在需要分析(業種業態別市場分析)(26)
1)ユーザー市場の概況(26)
2)調査対象の分析(27)

6. 参入企業一覧(29)

II. デバイス/アルゴリズム市場編(35)

1. 指紋(37)
2. 顔(59)
3. 虹彩(76)
4. 静脈(86)
5. 音声(98)
6. 筆跡(105)
7. 掌形(111)
8. DNA(116)

共通項目
1. 製品概要
2. 市場背景
3. 利用シーン別導入スケジュール
4. 応用製品別市場規模推移・予測(2001〜07年・2010年)
5. 参入企業シェア(2003年)
6. 方式/タイプ別ウェイト(2003年)
7. 業界構造/流通チャネル
8. 製品参入企業/製品一覧

III. 認証機器/装置市場編(119)

1. 物理セキュリティ関連(121)
2. 情報セキュリティ関連(125)
 

共通項目
1. 製品概要
2. 市場背景
3. 市場規模推移・予測(2001〜07年・2010年)
4. タイプ別ウェイト(2003年)
5. 参入企業/製品一覧

IV. メーカー事例編(133)

指紋
1. 日本電気株式会社(135)
2. 三菱電機株式会社(137)
3. 日本セキュアジェネレーション株式会社(139)
4. 株式会社富士通(141)
5. ソニー株式会社(143)
6. アトメルジャパン株式会社(145)
7. STマイクロエレクトロニクス株式会社(147)
8. オーセンテック(149)
9. 株式会社ビーエムエフ(151)
10. カシオ計算機株式会社(153)
11. ミツミ電機株式会社(155)
12. サイレックス・テクノロジー株式会社(157)
13. 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社(159)
14. 日本ライトン株式会社(161)
15. テクノイマジア株式会社(162)
16. 株式会社ディー・ディー・エス(163)
17. 株式会社ビヨンド・エルエスアイ(164)
18. 株式会社スターテック・テクノロジー・ジャパン(165)

19. オムロン株式会社(166)
20. 株式会社東芝(168)
21. 日本電気株式会社(170)
22. 富士写真フイルム株式会社(172)
23. 株式会社グローバル・セキュリティ・デザイン(174)
24. 松下電工株式会社(176)

虹彩
25. 沖電気工業株式会社(177)
26. アイリテック株式会社(179)

静脈
27. シンクロ株式会社(181)
28. 株式会社日立製作所(183)
29. バイオニクス株式会社(185)
30. 株式会社富士通(187)
31. 株式会社アイディテクニカ(189)

音声
32. 株式会社アニモ(190)
33. 株式会社アドバンスト・メディア(192)
34. ニュアンス・コミュニケーションズ株式会社(194)
35. 株式会社システム・ケイ(196)

筆跡
36. 日本サイバーサイン株式会社(198)
37. 株式会社クールデザイン(200)
38. 株式会社アクシム(202)

V. 利用シーン・業界事例編(205)

1. 金融業(207)
2. オフィス(213)
3. 空港(219)
4. 自治体(231)
5. 病院(237)
6. 学校(245)
7. 店舗(250)
8. アミューズメント(256)
9. 住宅(264)
10. 携帯電話(271)
11. 自動車(277)
12. ロボット(283)

共通項目
1. 対象業界の概観(業界区分、特徴など)
2. 対象業界の動向
3. バイオメトリクスの採用動向
  1)対象業界における採用目的の種類
  2)主要業種の導入イメージ/導入事例
4. 業界全体への波及見込み(採用側の見解/FCRの見解)
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
バイオメトリクス市場総調査 2004

頒価
106,700円(税抜 97,000円)

発刊日
2004年04月27日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
285ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第一研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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