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『2026 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』まとまる(2026/5/29発表 第26060号)

AIサーバーからAV、OA機器までエレクトロニクス製品の世界市場を調査

2031年世界市場予測(2025年比)
AIサーバー 650万台(2.4倍)
AI関連投資に積極的な大手クラウドベンダーを中心に大規模調達が継続
スマートフォン 12億2,000万台(4.3%増)
半導体メモリー価格の高止まりにより、当面は低価格帯の生産が縮小

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、大手クラウドベンダーのAI関連機器への積極投資により、半導体メモリーなど部材の不足や価格高騰が進み、スマートフォンやノートPCからコンパクトDSCなどに至るまで、幅広く、直接・間接的な影響を受けているエレクトロニクス製品の世界市場を調査した。その結果を「2026 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査」にまとめた。
 この調査では、AV機器8品目、白物家電4品目、情報通信機器9品目、OA機器/産業機器6品目、自動車/車載電装機器7品目、インフラ/ストレージ機器4品目、ユニット製品・部品4品目の計42品目を対象に市場を明らかにした。

注目市場
サーバー(汎用、AI)
2026 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査:サーバー(汎用、AI)市場規模推移グラフ
 汎用サーバーと、AIアクセラレーターを搭載しAI処理に最適化したAIサーバーに大別した。
 2025年の市場は、AI関連投資に積極的な大手クラウドベンダーを中心にサーバー調達が進み、汎用サーバーが前年比2.1%増、AIサーバーが同34.3%増となった。2026年は大型投資が急増しているAIサーバーは前年比20.7%増と伸長する一方、汎用サーバーは低調で一時的な縮小が見込まれる。
 中長期的にはAIサーバーへの積極的な投資が続くことから市場拡大が予想される。生産を担う大手EMS(電子機器製造受託)各社はAIサーバーを中心とする展開を強めており、メーカーによっては、総生産台数を減らしてでも高単価なサーバーの生産に注力する戦略をとっている。
 生産エリアは、2024年までは中国が中心であったが、2025年に入り主要ユーザーである大手クラウドベンダーなどの脱中国生産の要望が強まったことから、中国からの生産拠点移管が進み、台湾や東南アジアを中心とする他アジアが大きく伸びている。また、今まで北米向けの生産拠点は中南米であったが、北米へのシフトも進んでいる。
 需要エリアとしては、大手クラウドベンダーの展開が強まる北米が4割程度を占め、今後も主要需要エリアとして市場をけん引するとみられる。設備投資の回復が期待される中国、また、欧州や東南アジアなども伸びが予想される。
SSD、HDD
  2026年見込 2025年比 2031年予測 2025年比
SSD 3億4,950万台 94.0% 4億3,900万台 118.0%
HDD 1億2,250万台 97.3% 1億870万台 86.3%
 SSD(Solid State Drive)は、NANDフラッシュメモリーを記憶媒体とした装置である。2025年はサーバー需要の増加やノートPCの伸びにより、市場は前年比8.4%増となった。2026年はNAND製造ラインへの設備投資が進まず、SSD用の大容量NANDが不足していることから、価格が高騰している。AIサービスの展開に必要なAIサーバー向けは、米国の大手クラウドベンダーがコスト度外視で調達している一方、PCをはじめとした民生機器向けは価格高騰に対応できず、サーバー向けに押される形で供給量確保に苦しんでいる。
 メモリーメーカーの内製品が多いため、それらの後工程拠点が集まる他アジアでの生産が多い。PC生産の中心地で需要の約6割を占める中国では、中国メモリーメーカーが生産拡大を進めている。北米は米国大手クラウドベンダー向けの製品について現地生産が増えており、生産量が徐々に拡大すると予想される。
 HDDはPCやサーバー、ストレージシステム、PC周辺機器、OA機器など幅広く使用されており、SSDと競合する記憶装置である。容量単価の優位性が求められる用途ではHDDが有利であるが、高いI/O(時間当たりの処理能力)や耐衝撃性ではSSDが優れるため、PCやエンタープライズ用ストレージなどではHDDからSSDへの切り替えが進んでいる。
 現状、データの中間保存先として使用されるニアラインストレージ用途が中心である。2025年は、ニアラインストレージ需要がクラウドベンダー向けで大幅に増加したことから、他の用途では減少したものの、市場は前年比横ばいとなった。2026年以降は、ニアラインストレージ用途で需要増加が予想されるが、生産能力の制約があるため十分な供給確保が難しいケースも想定される。
スマートフォン
2026年見込 2025年比 2031年予測 2025年比
10億3,000万台 88.0% 12億2,000万台 104.3%
 2025年の市場は、北米や欧州などでは需要が減少したものの、中国や他アジアの順調な伸びにより、前年比2.6%の増加となった。生産エリアは中国から他アジアへのシフトが進み、中でもインドとベトナムでの生産が拡大している。特にiPhone生産が本格的に始まったことによりインドの存在感が高まっている。
 2026年はメモリー(DRAM)の供給不足に伴い生産台数の減少が見込まれる。中でもメモリー高騰を価格に反映できない低価格帯スマートフォンが大きく減少すると予想される。特に中国メーカーは低価格帯の製品比率が高いため、主として生産を行っている中国で大幅に減少するとみられる。
 メモリー価格の高止まりにより、短期的には各スマートフォンメーカーが生産台数を絞ることから、市場の本格的な回復は2028年以降になるとみられる。2030年以降は6Gスマートフォンの発売が開始され、一部で買い替えサイクルが短期化することから、市場拡大が期待される。
コンパクトDSC
2026年見込 2025年比 2031年予測 2025年比
350万台 109.4% 420万台 131.3%
 レンズ一体型のデジタルスチルカメラを対象とした。日本メーカーのブランドが上位を占める製品分野である。スマートフォンに搭載されるカメラの高機能化により市場は縮小が続いていたが、2024年頃より再び需要増に転じている。背景として、スマートフォン搭載カメラの機能進化が緩やかになっていることや、SNSの普及に伴う高画質撮影ニーズの高まりなどがあげられる。スマートフォン搭載カメラでは難しい、被写界深度が生むなめらかなボケ味、細やかな階調による陰影のグラデーションがもたらす物質感などがユーザーに受け入れられている。
 日本や中国、他アジアが主な生産拠点である。従来はEMSによる生産が主流であったが、BCP対策や生産ラインの効率化推進などを背景に、ブランドメーカーの自社生産比率が高まっており、日本での生産が伸びている。
内容の詳細につきましては『2026 ワールドワイドエレクトロニクス市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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