- ■2035年世界市場予測(2024年比)
- ■ボディ系ECUは、5兆4,310億円(2.1倍)
E/Eアーキテクチャーの中央集権化に伴い、ゾーン型ボディコントローラーを中心に拡大
また、ゾーン型の次世代BCUも増加
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、自動運転レベル2+(プラス)車両やNoA対応車の増加、高速車内通信Ethernet/SerDesの普及、冗長設計や機能安全(ASIL)対応に向けた高機能化などにより、今後益々搭載が進む車載ECUの世界市場を調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 下巻:ECU関連デバイス編」にまとめた。
この調査では、自動車に搭載される主要なECUの市場を、パワートレイン系、xEV系、走行安全系、ボディ系、情報通信系、センサー/モーター/その他に分類して現状を分析し、将来を展望した。また、ECUを構成するデバイス、接続するデバイスの市場についても地域ごとにその動向を捉えた。なお、この調査のシリーズ企画「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻:システム/デバイス編」では車載電装システム、関連デバイス&コンポーネンツの世界市場を調査しており、その調査結果の概要については4月21日に公開している。
- ■注目市場
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1. ボディ系ECU

ボディ系ECUはウインドウやドア、照明などのほか、車内の快適性・利便性を向上させる機能を制御する。
自動車生産台数に比例するECUが多いものの、近年はキャビンセンシングやWPAN(Wireless Person Area Network)を利用した無線機能を制御するECUを中心に市場が拡大している。今後はE/Eアーキテクチャーの中央集権化に伴って、自動運転レベル2+以上の高度なADAS/ADS搭載車などのBCU(Body Control Unit)からシフトするゾーン型ボディコントローラー、また、ゾーン型の次世代BCUが増加して市場は拡大すると予想される。
国・地域別にみると、日本では車両の電装化率が比較的高いことから、自動車生産台数に比例して市場は推移する。今後は人口減少による自動車需要の縮小や、米国内生産政策の影響で自動車生産台数が減少することから市場は縮小すると予想される。欧州では日本と同様に電装化率の高い車両が多く、自動車生産台数に比例して市場は推移する。北米では関税政策によって日本の自動車メーカーなどを中心に生産台数が増加、また、ボディ系領域の高機能化もあり、市場は拡大すると予想される。中国では急速なEVシフトを背景に搭載率の上昇が見られた。特にハイエンドモデルなどでの車内空間のラウンジ・スパ化が後押しし、市場が拡大するとみられる。その他韓国を除くインドやブラジル、中東エリアなどでは基本的な機能のみを搭載する車両が多いが、近年はヘッドランプのLED化やTPMS、キーレスなどのWPAN技術を利用したアプリケーションの搭載が増えており、市場は拡大している。
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2. 半導体(ECU構成デバイス)
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| 2025年見込
| 2024年比
| 2035年予測
| 2024年比
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| 半導体
| 9兆605億円
| 113.8%
| 16兆505億円
| 2.0倍
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| | DRAM
| 8,631億円
| 179.0%
| 1兆5,834億円
| 3.3倍
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| | NAND
| 1兆393億円
| 173.9%
| 2兆9,153億円
| 4.9倍
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半導体では車載マイコンやSoC/FPGAの市場規模が大きいが、2035年に向けた成長率はDRAMやNANDが高い。
DRAMは、車両のSDV(Software Defined Vehicle)対応に伴いCDC(Cockpit Domain Controller)やHead Unitのメモリー容量が増加しているほか、自動運転レベル2+車両の増加によるADASドメインコントローラー需要の伸びにより市場が拡大している。また、データセンターのDRAM需要増加を背景とした価格高騰が市場拡大の要因にもなっている。インフォテインメント機器における平均搭載容量の増加、ADAS需要と平均搭載容量の増加が続くことから、市場は長期的に拡大すると予想される。
NANDは、インフォテインメント機器やEDR(Event Data Recorder)の容量拡大ニーズに伴い、市場が拡大している。また、価格上昇も市場拡大の要因の一つである。ADAS/ADS搭載の進展に伴い、カメラやミリ波レーダー、LIDARなどで大量に発生したデータを処理することから、自動運転レベルの上昇とともに、要求されるストレージ容量も増加している。SDV化に伴い、車内エンターテインメントの充実化に伴う動画コンテンツ用ストレージなどの新たな需要も期待されることから、市場は長期的に拡大すると予想される。
- ■調査結果の概要
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1. 車載ECUの世界市場
| 2025年見込
| 2024年比
| 2035年予測
| 2024年比
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| 26兆4,198億円
| 106.0%
| 37兆8,114億円
| 151.7%
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2025年の市場は、前年比6.0%増の26兆4,198億円が見込まれる。パワートレイン系を除き各カテゴリーが伸長して2035年には2024年比51.7%増の37兆8,114億円が予測される。
パワートレイン系の市場は、EV需要の伸びが鈍化し、内燃機関を搭載するHVやPHVなどの需要が増加したことから、縮小のペースが緩やかとなった。なお、新興国や北米などは需要が増加するものの、2030年以降はEVシフトに伴い減少に転じると予想される。
xEV系の市場は、EV需要鈍化の影響を受けているが、MHVやHV、PHV需要が増加していることにより拡大すると予想される。新興国などにおける現状の電線網やEVスタンドの設置状況を踏まえるとハイブリッド車両を中心に市場が形成されていくとみられる。
走行安全系の市場は、ADAS/ADSの高度化を背景にECUの高機能化が進み拡大が予想される。
ボディ系の市場は、中央集権型E/Eアーキテクチャーを採用した車両の発売により、ゾーン型ボディコントローラーを中心に拡大すると予想される。
情報通信系の市場は、SDVやE/Eアーキテクチャーの中央集権化を背景に、CDCやTCUなどの通信機能を制御するECUの需要が増加しており、拡大が予想される。
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■自動車1台当たりのECU平均搭載数量
| 2025年見込
| 2035年予測
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| 15.6個
| 18.3個
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自動車1台当たりの平均搭載個数は、2025年に前年から0.5個増加して15.6個が見込まれる。今後は年平均で約0.29個ずつ増加して2035年には18.3個になると予測される。
パワートレイン系の平均搭載数量は、1個から2個で、トランスミッションECUの搭載が減るため僅かに減少していく。xEV系は、2個から3個程度で、自動車の電動化によって増加していく。走行安全系は、5個から6個で、半分強がEPSやESC-ECU、エアバッグECUなどのパッシブセーフティ機能を制御するECUで構成されている。今後はアクティブセーフティ機能を制御するECUなどが搭載数量を押し上げる。ボディ系は4個から5個で、ゾーン型ボディコントローラーやBCUを中心にHVAC-ECUやDC・DCコンバーター、シートECUなどで構成される。今後は新機能を制御するECUの増加、ゾーン型ボディコントローラーを採用する車両の増加で平均搭載数量は増えていく。情報通信系は、車載メーターやHead Unit、CDCなどで構成される。近年はSDV化を背景にCDCやTCUなどの外部通信システムを中心に搭載率が上昇している。
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2. ECU構成デバイス、ECU接続デバイスの世界市場
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| 2025年見込
| 2024年比
| 2035年予測
| 2024年比
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| ECU構成デバイス
| 13兆2,193億円
| 110.1%
| 22兆3,296億円
| 186.1%
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| ECU接続デバイス
| 12兆2,428億円
| 102.8%
| 13兆4,512億円
| 112.9%
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ECU構成/接続デバイスの市場は、自動車の電装化に伴って拡大している。半導体や回路部品の市場は、半導体センサーやECU接続デバイスよりも高成長すると予想される。特にxEV系領域におけるパワー半導体や、ADAS/ADS-ECU、インバーター、CDC、ゾーン型ボディコントローラーに実装される部品は、耐圧性や高い演算性能、セキュリティ性、高周波特性などさまざまな性能が要求される。パワーモジュールや車載マイコン、SoC/FPGAなどでは、高付加価値製品の増加によって市場の平均価格帯が上昇している。センサーやECU周辺デバイスは高度なシステムに向けた製品もあるものの、半導体や回路部品とは異なり1台当たりの搭載数が少ないケースや、電動シフトや無線化によってマイナスの影響を受けやすい製品も多くあるため半導体や回路部品よりも低い成長率になると予想される。
内容の詳細につきましては『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 下巻』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)