- ■2035年市場予測(2024年比)
- ■エレクトロニクス先端材料37品目の世界市場 14兆8,629億円(2.6倍)
生成AI関連の需要急増により、半導体分野や基板・回路分野が市場をけん引
高価格帯グレードの採用が好調で、市場の伸びを押し上げる
- ■低誘電対応銅張積層板 3兆6,390億円(15.3倍)
AIサーバーやデータセンターで採用拡大、より低誘電な製品の開発や需要シフトが進む
- ■ポリマー光導波路 2,212億円(1,106.0倍)
データセンターやAIサーバーの注目度が高まり、高速通信機器でのCPO採用増加に伴い大幅拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、AIサーバーの需要増加などインフラ側からノートPCやスマートフォンへのエッジAI搭載などアプリケーション側まで、生成AIブームに伴うエレクトロニクス業界への好循環により、今後の拡大が期待されるエレクトロニクス先端材料(先端エレクトロニクス部材/プロセス材料)の世界市場を調査した。その結果を「2026年 エレクトロニクス先端材料の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では、半導体関連10品目、基板・回路関連15品目、ディスプレイ関連8品目、次世代マテリアル関連4品目、計37品目の市場を分析し、将来を展望した。
- ■調査結果の概要
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■エレクトロニクス先端材料37品目の分野別世界市場

生成AIブームによりAIサーバーに不可欠な先端ロジックや先端メモリーの需要が急拡大していることから、材料市場も大きく底上げされている。今後も半導体分野や基板・回路分野が市場拡大をけん引していくとみられる。また、ディスプレイ分野は成熟市場であるため他の分野と比較して成長率は低いものの画面サイズの大型化を背景に堅調な伸びが予想され、次世代マテリアル分野は今後各アプリケーションで採用がはじまることで2035年にかけて市場は急拡大するとみられる。
なお、2025年は米国の関税政策が市場に不透明感をもたらし、調達コストの上昇や納期の遅延に対する懸念から、ユーザー企業が在庫積み増しなどに動いたケースも多くみられる。また、米中の対立が過熱する中で、チャイナリスク低減を目的としたサプライチェーンの見直しも行われ、ディスプレイ分野では韓国メーカーのパネルの採用が増えるなど中国への依存度を減らす動きが出ている。
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■半導体
生成AI向けデータセンターへの投資の加速により、AIサーバーで使用される製品の好調に加え、AIサーバー向けは半導体パッケージ数の増加や高性能化に伴い、チップサイズが大型化していることも材料市場拡大の要因となっている。2026年以降も生成AI関連の需要が市場をけん引するほか、スマートフォンやPC向けエッジAIの普及、民生機器や車載半導体の回復などから、今後も市場は拡大が予想される。
フォトレジスト、CMPスラリー、半導体封止材などが中心であるが、生成AIの台頭を背景とした2.5Dパッケージ向けの伸びにより再配線材料が、AIサーバー向けの急増によりアンダーフィルが、HBM向けの拡大により非導電性接着フィルム(NCF)が、先端半導体向けで使用されることで高成長が期待される。生成AI関連で採用される材料は、基本的に汎用品より高価であることから市場の伸びをけん引するとみられる。
なお、中国では半導体の内製化を進めているため、すでに汎用品向けの半導体材料の量産化が進み、日本メーカーからシェアを奪うケースも出てきている。また、生成AI関連の半導体についても内製化を進めるとみられ、今後は先端領域の半導体材料においても、中国メーカーの存在感が増す可能性が高い。
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■基板・回路
プリント配線板の工程・構成材料および、熱・電磁波対策材料、回路実装部品であるコンデンサー関連製品が対象である。AIサーバーやデータセンターの需要が急拡大しており、高速通信機器の高速化や低損失化、基板サイズの大型化や多層化、熱対策ニーズなどから、高価格帯グレードの採用拡大が進むとみられる。
汎用材料である積層セラミックコンデンサー(MLCC)の規模が最も大きく、今後も単価の高いAIサーバー向けや、車載向けを中心に伸びが予想され、市場拡大をけん引するとみられる。また、低誘電対応銅張積層板は通信速度高速化に伴う高価格グレードの採用、層間絶縁フィルムはFC-BGA基板の層数増加や大型化などから伸びるとみられる。
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■ディスプレイ
TVやPCモニター、スマートフォンなどの各アプリケーションはすでに成熟市場であり、伸びは緩やかなものの、車載ディスプレイの大型化が市場拡大の要因となり、堅調とみられる。
輝度向上フィルム、偏光板保護フィルム、表面処理フィルムなどLCD関連部材の規模が大きく、フォルダブルスマートフォンの普及によりフォルダブル用カバー材料の高い伸びが期待される。
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■次世代マテリアル
これからの市場形成が期待される次世代マテリアルでは、各アプリケーションで採用が増えることで、市場が急拡大するとみられる。調光ガラス・フィルムは自動車用ルーフガラスでの採用拡大により、ポリマー光導波路はデータセンター内の高速通信機器に使用されるCPO(Co-Packaged Optics)での採用が期待されており、2028年以降に市場が急拡大するとみられる。
- ■注目市場
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■低誘電対応銅張積層板【基板・回路分野】
| 2025年見込
| 2024年比
| 2035年予測
| 2024年比
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| 4,020億円
| 168.9%
| 3兆6,390億円
| 15.3倍
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銅張積層板のうち、高速・大容量のデータ通信が要求される基地局やサーバー、データセンター内通信機器に使用される低誘電対応製品を対象とした。低誘電対応製品では、誘電正接(Df)値0.005以下を対象とし、現状ではDf0.0012グレードまで量産されている。
2025年以降、AIサーバーやデータセンターで採用が拡大しており、高速化・低損失化のトレンドがさらに加速することで、Df0.0012グレードの採用が増加するとみられる。2030年にかけてはさらなる高速化によってDf0.001未満の製品の出荷も始まり、Df0.004グレードの代替が進むと想定される。また、設置されるサーバーの台数や搭載サーバー内で使用される枚数増加によって、市場は拡大が予想される。用途別にはサーバー向けが最も大きく、AIサーバー需要の急増により、今後も市場成長が続くとみられ、材料供給の安定化が求められる。次いで、データセンター内の通信を行うスイッチや、上流ネットワークと接続するルーター、上流ネットワーク内の光伝送装置などの通信機器での需要が大きい。
なお、2030年以降は、新技術としてCPOの採用が増加することで、通信用に銅回路ではなくポリマーやガラスを用いた光導波路を用いた基板が主流になると考えられることから、伸びの鈍化が予想される。
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■ポリマー光導波路【次世代マテリアル分野】
| 2025年見込
| 2024年比
| 2035年予測
| 2024年比
|
| 2億円
| 100.0%
| 2,212億円
| 1,106.0倍
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板状あるいはシート状の光通信伝送路である。光伝送では長距離は光ファイバー、高密度化が必要な場合は光導波路と用途ですみ分けられる。光導波路の材料としては光学特性を持つ石英などが主に採用されるが、次世代技術としてポリマーを材料とした光導波路が開発されている。ポリマー光導波路は、薄さやフレキシブルさから、狭小な光通信機器内の光配線形成に適しており、ガラス製の平面光回路と比較して、低温での加工、大面積での生産、低コスト化が可能である。
現状、光ファイバー網のスプリッター(分配器)で実用化されているが需要は日本のみであり、市場は横ばいが続いている。近年、データセンターやAIサーバーへの注目度が高まり、データセンター内の高速通信機器に使用されるスイッチ基板にCPOの採用が期待され、ポリマー光導波路もCPO向け材料として開発が進められている。データセンター内スイッチ基板は、現状電気伝送が主であり、光トランシーバーとLSIの間にハイグレードの低誘電対応銅張積層板が採用されるが、増幅器の利用による消費電力増加が課題であり、光伝送にすることで消費電力の大幅な低減が期待できる。
今後、通信機器でCPOの採用増加に伴い、ポリマー光導波路の需要が大きく伸び、2035年には2024年比1,106.0倍の2,212億円が予測される。また、データセンター以外でも、車載用次世代光ハーネス向けに従来よりもコンパクトなスプリッターの開発が進められている。
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■再配線材料【半導体分野】
| 2025年見込
| 2024年比
| 2035年予測
| 2024年比
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| 612億円
| 120.2%
| 7,821億円
| 15.4倍
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半導体チップ上に微細な回路を形成するために使用される絶縁材料である。再配線材料は半導体チップの小型化と高性能化を両立するための有用な材料として、FI-WLP、FO-WLP/PLP、2.5Dパッケージなどの先端領域で主に採用される。
2025年は2.5Dパッケージ向けが急増している。2.5Dパッケージ向けは形成される配線幅が微細で高価格なことから、市場は前年比20.2%増が見込まれる。今後も、PC向けCPUやAIアクセラレーター、サーバー向けCPU向けで2.5Dパッケージの急増が予想され、市場は大幅な拡大が予想される。
なお、生産エリア別では、日本メーカーのシェアが高いため、生産拠点も日本に集中しているが、近年は台湾メーカーや中国メーカーが参入を検討しており、 徐々に同エリアの生産ウェイトが上昇するとみられる。
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■調光ガラス・フィルム【次世代マテリアル分野】
| 2025年見込
| 2024年比
| 2035年予測
| 2024年比
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| 363億円
| 109.3%
| 8,155億円
| 24.6倍
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透明導電膜が形成されたPETフィルム・ガラスに、 液晶分子またはSPD粒子を分散したポリマー溶液を塗布し、別の透明導電膜付きPETフィルム・ガラスで挟み込むことで、通電によって透明・不透明の切り替えが可能なフィルムである。ガラスに挟み込まれた状態で設置されるタイプや既存のガラスに貼り付けて使用するフィルムタイプがある。
現状、建築向けにデザイン性やラグジュアリー感の演出、プライバシー確保のために採用されることが多いが、建材価格の高騰によって需要が伸び悩み、市場の拡大は緩やかである。しかし、これまで一部車種のリアガラスやサイドガラスのオプション展開にとどまっていた自動車向けで、2026年以降、ルーフガラスに調光ガラス・フィルムを採用した車種が増加すると予想されており、中国や欧米の自動車メーカーを中心に採用増加が期待される。
建築物の外装や自動車のルーフガラスなど、遮光性要求の高い用途が伸びるとみられ、比較的高価格な製品需要が高まることで、大幅な市場拡大が予想される。
内容の詳細につきましては『2026年 エレクトロニクス先端材料の現状と将来展望』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)