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『2025 データセンター・AI/キーデバイス市場総調査』まとまる(2025/10/9発表 第25097号)

データセンター向けのサーバーなどIT機器や冷却関連の世界市場を調査

2031年市場予測(2024年比)
AIアクセラレーターチップ 46兆6,150億円(3.9倍)
高性能化に伴う単価上昇と中国における複数採用などにより市場拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:稲葉 視朗)は、生成AIの普及によりAIサーバーの需要が急増する中、高性能化による消費電力増加や冷却機能の課題が顕在化し、それらへの対応が求められている、データセンター向けのIT機器や冷却関連などの世界市場を調査した。その結果を「2025 データセンター・AI/キーデバイス市場総調査」にまとめた。
 この調査では、データセンター向けのIT機器5品目、冷却関連8品目、記録媒体3品目、通信デバイス/ケーブル5品目、半導体9品目、材料/その他デバイス6品目、計36品目の市場について、現状を明らかにし、将来を展望した。また、クラウドベンダー5社の動向についても整理した。

調査結果の概要
データセンター向けIT機器の世界市場
2025 データセンター・AI/キーデバイス市場総調査:データセンター向けIT機器の世界市場規模推移グラフ
 生成AIの普及により、AmazonやApple、GoogleなどのクラウドベンダーでAIサーバー需要が急増していることから、市場は拡大している。
 AIサーバーの需要は増加が続くとみられ、AIサーバーの要となるAIアクセラレーターチップや、HBMを含むDRAMなどの半導体は今後も大きく伸長するとみられる。ただし、生成AIビジネスの収益性の低さやデータ元となる既存インターネットコンテンツの枯渇などにより、2027年以降は学習用AIサーバーへのハイペースな投資が一段落するとみられ、市場の伸びの鈍化が予想される。
 サーバーやデータセンター向けスイッチ、サーバーラック用温湿度センサーが大きく伸長している。特に、学習用AIサーバーの需要が急増している。2026年頃までは、学習用AIサーバーが市場拡大の中心となる。2027年以降、学習用AIサーバーの投資は一段落するものの、推論用AIサーバーへの投資が伸びると予想され、市場拡大を続けるとみられる。
 記録媒体では、SSDがAIサーバー向け、HDDが汎用サーバー向けに使用されることが多い。2025年の市場は、AIサーバーの普及に伴うSSDの需要増加によって大きく拡大している。2026年以降は、AIサーバーや汎用サーバーにおける記録容量増加と単価の上昇が予想されることから、引き続き市場は拡大するとみられる。
 半導体では、AIサーバー市場の拡大に伴い、堅調な伸びが続いている。AIアクセラレーターチップの高性能化により、スイッチICの高速化やCo-Packaged Opticsの採用、HBMの大容量化、パワー半導体ではSiC採用が進んでおり、今後もAIサーバーの高速化を目的とした高機能製品の需要増加により、単価が上昇することなどから市場拡大が予想される。
 材料/その他デバイスでは、汎用サーバーに比べて採用枚数が多いAIアクセラレーターボード向けを中心にサーバー用高多層基板の伸びが市場拡大をけん引している。サーバー用高多層基板の層数増加や低誘電材料採用による単価上昇や、低誘電CCLの上位グレードの採用増加などによって、市場拡大が予想される。
データセンター向け冷却関連の世界市場
2025年見込2024年比2031年予測2024年比
1兆7,270億円133.3%4兆468億円3.1倍
 2025年は、液冷方式や液浸方式向けの冷却液、コールドプレート、CDU、クーラントなどが大きく伸びている。
 今後は、AIサーバーの普及に伴って、特に冷却液の急伸が予想される。また、低GWP(地球温暖化係数)のPFAS(有機フッ素化合物)開発が進むことで二相液浸方式向けクーラントが大きく伸びるとみられる。
データセンター向け通信デバイス/ケーブルの世界市場
2025年見込2024年比2031年予測2024年比
3兆3,845億円121.8%7兆8,668億円2.8倍
 ライン側光トランシーバーがデータセンター向けの投資増加を背景に好調であり、2025年は長距離向け製品が市場をけん引している。また、光コネクターや光ファイバーも同様の背景で伸びている。
 今後は、市場規模の大きいクライアント側光トランシーバーや、ライン側光トランシーバー、AOC(アクティブ光ケーブル)が大きく伸びるとみられ、市場拡大への貢献が予想される。
注目市場
AIアクセラレーターチップ
2025年見込2024年比2031年予測2024年比
17兆7,720億円148.2%46兆6,150億円3.9倍
 AIサーバーに使用されるAI向けICを対象とする。推論用では2から4個、学習用では4から8個採用されるケースが多い。1個あたりの性能は著しく向上しており、性能当たりの効率は改善されているものの消費電力は増加している。
 生成AIの普及に伴いAIサーバーの需要は急速に増加しており、市場は拡大している。2025年の市場は17兆7,720億円が見込まれる。
 近年のデータセンターでは使用可能な消費電力に制約があることから、今後は数量よりも高性能化を重視し、単価上昇に伴って市場は拡大するとみられる。中国では電力供給が潤沢であるものの、自国で生産可能な半導体の性能に限界があるため、性能効率の低いチップを複数採用することでシステム全体の高性能化を目指す傾向が強まると予想される。これらの結果、2031年の市場は2024年比3.9倍が予測される。
クーラント
2025年見込2024年比2031年予測2024年比
92億円113.6%1,817億円22.4倍
 液浸冷却で用いられるクーラントを対象とする。液体の温度変化を利用する単相液浸方式と、液体が気化する際に熱を奪う性質を利用する二相液浸方式に分けられる。主に前者では油が、後者ではPFASが用いられる。
 2025年は、ラック当たりの消費電力増加に伴い市場が拡大している。PFAS規制の影響により、単相液浸方式向けが市場拡大をけん引している。
 低GWPのPFAS開発も進んでおり、2027年頃から冷却効率の高い二相液浸方式が普及し始めると予想される。さらに、ラック当たり150から200kWを超える高消費電力製品の登場により、2027から2028年頃には液浸冷却システムの採用本格化に伴う需要増加が予想される。長期的には、サーバーラックあたりの発熱量増加に伴い液浸冷却の普及が進み、特に単価の高いPFAS系クーラントの採用増加が市場拡大に繋がるとみられる。
コールドプレート
2025年見込2024年比2031年予測2024年比
5,797億円190.7%1兆8,220億円6.0倍
 消費電力低減や冷却性能向上を目的に、従来はCPUやAIアクセラレーター向けに限定されていたが、メモリーへの採用も増えている。潜熱を利用した冷却能力向上が採用される要因となっており、2025年の市場は5,797億円が見込まれる。
 今後もAIサーバーでの採用が増加し、冷却性能向上要求や部材価格の高騰により単価が上昇することから、2031年の市場は2024年比6.0倍の1兆8,220億円が予測される。
内容の詳細につきましては『2025 データセンター・AI/キーデバイス市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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