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『2024年 エレクトロニクス先端材料の現状と将来展望』まとまる(2024/2/14発表 第24017号)

エレクトロニクス先端材料の世界市場を調査

2030年世界市場予測(2022年比)
ソルダーレジストフィルム 692億円(2.4倍)
高価であるが、その特性から液状からのシフト、需要増加が期待
熱電変換デバイス 102億円(34.0倍)
2023年に日系メーカーも参入。将来的には、用途の広がりなどにより拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、米中デカップリングなどから経済安全保障の概念が広がる中、活発化する日本での半導体製造拠点新設、各種生産拠点の中国から東南アジアへの移管など、地政学的観点から戦略物資として位置付ける動きが注目されるエレクトロニクス先端部材の市場を調査した。その結果を「2024年 エレクトロニクス先端材料の現状と将来展望」にまとめた。
 この調査では、半導体関連14品目、基板・回路関連14品目、ディスプレイ関連9品目、脱炭素ソリューション関連8品目、計45品目の市場を分析し、将来を展望した。

注目市場
1. 液状ソルダーレジスト、ソルダーレジストフィルム
 2023年見込2022年比2030年予測2022年比
液状994億円93.2%1,337億円125.4%
フィルム状254億円88.8%692億円2.4倍
 ソルダーレジストは、配線保護を目的にプリント基板の最外層に用いられる絶縁樹脂である。液状(液状ソルダーレジスト)とフィルム状(ソルダーレジストフィルム)があり、液状は汎用的に使用される。フィルム状は液状と比較して高価であるが、レジスト面の平坦性、保存安定性や生産性に優れ、また、薄膜対応、膜厚精度、ファインピッチ配線への埋め込み性などに優れることから、微細化や小型化、高速・高機能化が進むパッケージ基板と一部のビルドアップ基板で採用される。
 液状は、主にプリント基板の保護膜として使用される。そのため、市場はプリント基板を使用する家電や電子機器市場の影響を大きく受ける。2021年は、コロナ禍の巣ごもり需要や在宅ワークの普及を背景としたノートPCやタブレットなどの特需により市場が拡大した。2022年は、特需が落ち着いたことに加え、中国でのロックダウンによって電子機器全般の生産活動に制約が生じたため、市場縮小した。2023年は、4月頃から需要が徐々に回復に向かい始めたが、3月までの落ち込みを引きずり、通年では前年を下回るとみられる。今後は車載電装品、EVの増加を背景に市場は拡大推移するが、これまでのピークである2021年の規模に回復するのは2027年頃になるとみられる。パッケージ基板やビルドアッププリント配線板向けの一部は、ソルダーレジストフィルムへの切り替えがみられるが、自動車部品においては長期信頼性の観点から、部材や材料の置き換えが進みにくいため、引き続き使用されると予想される。
 フィルム状は、薄型かつ高密度配線が必要なフリップチップ型パッケージ基板で主に採用される。特に、薄型化ニーズの強いメモリー用FC-CSP基板向けが大半を占める。また、サーバー用FC-BGA基板は層数が多いため基板が反りやすく、コーナーラックが発生しやすいが、フィルムタイプを使用することで反りが軽減されることから、需要が増加している。2023年は主力のスマートフォン向けやサーバー向けが低迷し、前年からマイナスとなったが、2024年以降は拡大推移が予想される。
2. 熱電変換デバイス
2023年見込2022年比2030年予測2022年比
5億円166.7%102億円34.0倍
 熱電変換デバイスは、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイスで、ここでは温度差のある環境下でゼーベック効果を利用した発電を行うデバイスを対象とした。大気中に廃棄される工業排熱や生活排熱などから発電が可能であるため、近年注目されている。
 2021年から2022年にかけて、発売やサンプル出荷が活発化した。機器・モーター向けは、低温度帯での発電を可能としており、工場のDX化・IoT化の進展に伴い需要の増加が期待される。発電した電力はセンサーなどへの使用が想定される。産業排熱向けは、企業のCO2削減意識の高まりにより需要の増加が期待される。現状では、導入コストの高さが増加阻害要因となっているが、エネルギーコストの高騰などを受け、熱電発電で電力を賄おうとする動きがみられる。これまで中国メーカーが上位を占めていたが、2023年に日系メーカーが参入したことで、日本市場も徐々に拡大が期待される。将来的には、導入における費用対効果や発電能力の向上による用途の広がりなどにより、市場は大きく拡大すると予想される。
3. ポリマー光導波路
2023年見込2022年比2030年予測2022年比
2億円100.0%150億円75.0倍
 ポリマー光導波路は、フッ素樹脂などのポリマーをコアとする光信号の伝送路である。薄くてフレキシブル性を有することから、狭小な通信機器内において光配線を形成することに適しており、高密度・高集積パッケージや情報通信エッジ端末内に使用することが可能である。また、低温での加工や大面積での生産ができることから低コスト化が期待される。一方でポリマーはガラスと比較して通信波長帯における伝送損失が大きいため、その損失を許容可能な短距離伝送路への採用が検討されている。
 現在、市場は日本におけるスプリッター向けの実績であり、横ばいが続いている。日本でのスプリッター向けはすでに飽和しており、海外での展開もないため、今後も横ばいが予想される。現在開発の中心となっている用途は、データセンター内通信におけるCPO(Co-Packaged Optics)への応用である。すでに実績のあるガラスやシリコンの導波路と比べると低損失性・信頼性で劣るものの、2027年頃には応用が始まり、市場は急拡大すると予想される。
4. バッファコート・再配線材料
2023年見込2022年比2030年予測2022年比
668億円96.1%1,421億円2.0倍
 バッファコートは、半導体前工程においてシリコンウェハー上に形成した配線の上に塗布し、後工程作業中のダメージや封止材からの応力を緩和するための表面保護コート材料である。WLP・PLPプロセスにおいては、この保護材料を塗布したのち、絶縁層としてその上に配線を形成し高密度で薄型のパッケージを製造する。この再配線プロセスに使用される材料を再配線材料とした。
 バッファコート市場は、2023年はメモリーやロジック、パワーデバイス向けがセット機器の需要低迷からくる在庫過剰の影響などを受けており、前年から10%以上縮小するとみられる。ただし、中国をはじめEVのパワーデバイス向けは堅調であり、2024年以降市場は回復に向かい、2025年には2022年の規模に戻るとみられる。再配線材料市場も主力のスマートフォン向けの落ち込みから前年比縮小となった。しかし、微細配線パッケージ向けで研究用途を含め強い引き合いがあり、2024年以降は各種民生・通信機器の需要回復に伴い高成長が予想される。
調査結果の概要
エレクトロニクス先端材料の世界市場
 2023年見込2022年比2030年予測2022年比
半導体関連 1兆94億円 98.2% 1兆6,227億円 157.8%
基板・回路関連 3兆1,619億円 105.0% 5兆1,240億円 170.1%
ディスプレイ関連 8,589億円 106.2% 1兆1,320億円 139.9%
脱炭素ソリューション関連 1,335億円 114.4% 5,232億円 4.5倍
半導体関連は14品目、基板・回路関連は14品目、ディスプレイ関連は9品目、脱炭素ソリューション関連は「CO2混合ガスセンサー」を除く7品目
 エレクトロニクス先端材料は、スマートフォンやPCといった民生機器市場がコロナ特需の反動もあって2022年後半から急速落ち込み、需要が急減した。2023年は在庫調整もあって、半導体関連、基板・回路関連、ディスプレイ関連の多くの品目の販売量が前年割れになるとみられる。現在では前年割れとなった品目の市場環境は改善に向かっており、2024年から2025年にかけて、2022年の販売規模への回復が予想される。
 半導体関連市場は、2023年にマイナス成長となるが、2024年にはプラス成長に回帰するとみられる。2022年後半からの在庫調整の影響で需要が低調であったが、在庫正常化以降は中長期的な需要増加に対応して設備投資計画も多く、市場は拡大推移が予想される。特に、半導体の高機能化に必要なフォトレジスト(EUV)は、採用層数が増加していくため、伸長率が高くなる。
 基板・回路関連市場は、回路材料(コンデンサー)や好調な放熱材料にけん引され、2022年、2023年と堅調に推移した。今後は基板材料も需要回復が期待されることから、市場は高成長が続くと予想される。データセンター関連で安定的な需要を獲得している品目の伸長率が高く、2023年はAIサーバー向けが急伸長した。また、昨今のxEV市場の急成長に伴い、フィルムコンデンサーが車載インバーターで需要を獲得しており、高単価であることから高伸長が期待される。
 ディスプレイ関連市場は、巣ごもり需要の反動から2022年に他市場より早く停滞した。2023年は在庫解消が進んだことによるパネル生産の改善、以降はTVのサイズアップなどを要因に、市場は微増推移が予想される。ディスプレイ分野では、近年OLED市場が拡大しており、フォルダブルOLED市場も今後高成長が予想されることから、フォルダブル用カバーシート・ガラスの伸長が期待される。また、OLED-TVに対抗すべく開発されたQD-TVの構成部材であるQDシートも伸長が期待される。
 脱炭素ソリューション関連市場は、まだ形成期であり量産メーカーも限られる。2025年以降後発メーカーの事業立ち上げが相次いで普及段階に入り、2030年に向けて高成長が予想される。世界的な脱炭素化の動きに伴い、各品目とも高伸長が予想される。特に、エネルギーハーベスティングや太陽電池などは、次世代の発電技術として注目が高まっている。
内容の詳細につきましては『2024年 エレクトロニクス先端材料の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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