プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望』まとまる(2023/8/22発表 第23092号)

『2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望』まとまる(2023/8/22発表 第23092号)

容器・包装材料の国内市場を調査

2026年市場予測(2022年比)
スキンパック用トップフィルム 5億円(66.7%増)
賞味期限延長ニーズにより精肉向けのバリア品の需要が増加
電子レンジ対応パウチ 199億円(22.8%増)
開封せず電子レンジで加熱できる手軽さが評価され市場拡大、バイオPETの採用が増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、バイオ樹脂をはじめとした環境対応素材の採用・切り替えなどプラスチック使用量削減に向けた取り組みや、リサイクル推進に向けてのモノマテリアル化などで注目される飲料、食品、トイレタリーなどで使用される容器・包装材料の国内市場を調査した。その結果を「2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望」にまとめた。
 この調査では、液体容器10品目、食品容器11品目、軟包装10品目、バリアフィルム7品目、その他5品目の計43品目の市場を捉えたほか、環境対応素材の採用動向、モノマテリアル化への対応やリサイクル動向をまとめた。

注目市場
スキンパック用トップフィルム
2023年見込2022年比2026年予測2022年比
3億円100.0%5億円166.7%
 スキンパックに使用されるトップフィルムを対象とする。スキンパックはプラスチックトレーや台紙、フィルムなどの容器・基材の上に生鮮食品などの商品を置き、上から特殊なフィルムで隙間なく熱圧着した包装形態である。凹凸がある製品の形に添って真空状に密着、シールして包装されるため、生鮮食品のドリップ流出が抑制され、食品の鮮度保持に適していることからフードロス削減対策として近年注目されている。
 ノンバリア品は水産物向けの採用が中心であり、バリア品は気体や水分、ガス、においなどを遮断する特性を持つことから精肉、チーズ向けなどで採用され、チルドや冷凍流通のいずれも対応可能である。メディアで取り上げられたことから2020年、2021年は特需がみられた。2023年は宣伝効果が収まりノンバリア品は縮小するものの、バリア品はフードロス削減や脱プラスチックなどの環境対応、人手不足の解消など社会的ニーズに合致していることから伸長が予想される。今後はドリップ流出を防ぐことで賞味期限を延長できるため精肉向けのバリア品の需要増加が予想され、市場をけん引するとみられる。
シーラントフィルム
 2023年見込2022年比2026年予測2022年比
全体1,245億円96.6%1,245億円96.6%
 PET0.5億円100.0%1.0億円2.0倍
PETは全体の内数
 包装材の内面に接着層として使用することで加熱圧着できるフィルムで、LLDPE(低密度ポリエチレン)、CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)を対象とする。LLDPEは耐衝撃性、密着強度、ホットタック性に優れ、水物など重量物に適している。CPPは耐熱性、透明性などに優れ、軽量物、レトルト食品での採用が多い。PETはモノマテリアル(単一素材)化の進行により需要増加が期待される。
 LLDPEやCPPは、2020年から2022年の巣ごもり需要による大容量サイズの菓子や冷凍食品、レトルト食品などの買いだめ、ペットフードの販売量の増加などを背景に需要が増えた。特に、2022年は最終製品市場の拡大に加え、コロナ禍におけるサプライチェーンの混乱や最終製品の値上げなどを懸念した先行発注が増加したことから市場は大きく伸びた。2023年は前年の反動により、市場縮小が予想される。今後、LLDPEは冷凍食品や大容量パウチなど最終製品の増加やCPPからのシフトなどにより横ばいから微増で、CPPは横ばいから微減で推移するとみられる。
 PETは、食品包装の特定用途で採用されており、横ばいで推移している。現在、プラスチック使用量削減に向けPETトレーのふたをトップシールに変更する開発が行われるなど、新規用途での採用による需要増加が期待される。現状ではモノマテリアル化の動きは少ないが、今後プラスチック資源循環促進法(プラ新法)によるモノマテリアル化への対応が進み、採用増加が予想される。
パウチ(食品用)
 2023年見込2022年比2026年予測2022年比
一般品342億円102.4%317億円94.9%
電子レンジ対応168億円103.7%199億円122.8%
合計510億円102.8%516億円104.0%
 一般品パウチ(レトルト食品、惣菜、小麦粉用など)と、自動的に蒸気が抜けることで開封せず電子レンジで加熱できる構造の電子レンジ対応パウチを対象とし、飲料用のスパウト付きパウチや菓子類に使用されるチャック付きパウチは対象外とする。
 カレーなどのレトルト食品やアイスクリームなどのデザート類、しょうゆや調理みそなどの調味料で使用され、レトルト食品に使用される平パウチは、電子レンジ対応への切り替えが進んでいる。電子レンジ対応は冷凍食品やチルド食品で主に採用され、開封せず電子レンジで加熱できる手軽さが評価されて近年市場が急拡大している。特に、2020年は巣ごもり需要により長期保存可能で手軽な冷凍食品の需要が増加したことから市場は前年比二桁増となった。コロナ禍に大手外食チェーンがECやスーパーマーケットで冷凍食品の展開を進めたことも市場拡大の追い風となった。今後は中小の食品メーカーで電子レンジ対応への切り替えが進むとみられ、市場は堅調な拡大が予想される。
 環境対応素材の動向としては、電子レンジ対応の最外層を中心にバイオPETの採用が進んでおり、今後電子レンジ対応への切り替えが進むとともにバイオ樹脂の使用量が増加するとみられる。
スパウト付きパウチ(飲料用)
2023年見込2022年比2026年予測2022年比
164億円103.8%170億円107.6%
 ゼリー飲料などの清涼飲料に使用されるスパウト付きパウチを対象とする。ゼリー飲料は従来、スポーツシーンにおけるエネルギー補給が主な用途であったが、近年はオフィスワーカーの間食やダイエットを目的とした食事代替、子ども向けのおやつなど多様なシーンでさまざまな年代に飲用されているため、スパウト付きパウチ市場は堅調に拡大している。
 2020年は、新型コロナウイルスの影響によりテレワークが浸透しオフィスワーカー向けの需要が低迷したほか、スポーツシーンが減少したため、市場は大幅に縮小した。2022年は外出規制の緩和を受け、オフィスワーカーや学生向けの需要増加、スポーツシーンの回復がみられた。また、これまでは男性をターゲットにした商品が多かったが、女性をターゲットとするダイエットや美容訴求の商品が増加し、新規需要の獲得により市場は前年比二桁増となった。2023年以降は、オフィスワーカー向けやスポーツシーンでの需要に加え、女性向けの新規需要により市場拡大するとみられる。
調査結果の概要
容器・包装材料の国内市場
 2023年見込2022年比2026年予測2022年比
液体容器8,993億円103.6%9,156億円105.5%
食品容器1兆3,342億円100.6%1兆3,586億円102.4%
軟包装3,245億円105.7%3,278億円106.7%
バリアフィルム3,340億円99.7%3,351億円100.1%
その他2,448億円102.5%2,487億円104.1%
 国内の容器・包装材料市場は、2020年に新型コロナの感染拡大により外食産業やCVS商品の需要減退を受け、各カテゴリーが縮小した。2021年は軟包装を除くカテゴリーが伸長し、2022年は特に原材料高騰の影響を強く受け、値上げの関係からすべてのカテゴリーが前年比二桁増の伸びとなった。ナフサなど原材料コストは徐々に下落するものの、エネルギーコストや関連設備、人件費などコスト上昇に伴い、今後、各市場は拡大するとみられる。
 液体容器は、飲料メーカーがリサイクルPET樹脂の採用を進めていることから関連する品目が好調なほか、スパウト付きパウチ(飲料用)の需要が増加している。食品容器は、電子レンジ対応容器関連の品目の伸びが大きい。軟包装は、スキンパック用トップフィルムなど賞味期限延長ニーズから新しい形態の包装が好調である。バリアフィルムは、モノマテリアル化の開発トレンドからPETを使用したシーラントフィルムの需要増加が予想される。その他、紙管・プラスチックコアがエレクトロニクス関連市場の回復に伴い需要が高まっている。
容器・包装材料における環境対応素材の国内市場
 2022年2026年予測
210万340トン 211万3,600トン
バイオ樹脂 非生分解 7万6,848トン 10万6,109トン
生分解 3,315トン 3,996トン
天然由来素材 800トン 850トン
マスバランス バイオ 108トン 368トン
CR 20トン 100トン
合計 218万1,431トン 222万5,023トン
 紙はリサイクル性に優れ、カーボンニュートラルや脱プラスチックの観点から環境対応素材として注目されている。すでに汎用的に使用されており、使用量に大きな変動はみられないものの、ラミネートチューブやストローでは紙化が進んでいるほか、チルド飲料カップや透明飲料カップは環境対応ニーズから紙カップに需要がシフトするなど脱プラスチックニーズを獲得している。
 バイオ樹脂は、カーボンニュートラルやサステナブルなどを受けて採用が増えている。非生分解は、コストは上がるものの石化樹脂と物性が近く、代替しやすいことから多くの品目で採用が進んでいる。生分解はPLA(ポリ乳酸)やPHBH(3-ヒドロキシブチレート-co-3-ヒドロキシヘキサノエート重合体)、PBS(ポリブチレンサクシネート)などがある。PLAの採用が先行しているものの、耐熱性や加工性、供給量などに課題がある。PHBHは海洋生分解性を特長とし、ストローやカトラリーなどで採用が進んでいるが、保管可能期間が短いことが採用の阻害要因となるケースもみられる。
 天然由来素材は木や竹、石灰石、廃棄予定の非食用米を原料とする「ライスレジン」などであり、レジ袋やカトラリー、ストローのみで使用されるが、採用は一部にとどまっている。
 マスバランスは、特性の異なる原料が混合される場合、ある特性を持つ原料の投入量に応じて生産する製品の一部にその特性を割り当てる手法である。採用実績はわずかであるが、今後各社で認証取得や採用検討が進むと予想される。
内容の詳細につきましては『2023年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

ページトップ