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『AR/VR関連市場の将来展望 2023』まとまる(2023/2/3発表 第23012号)

AR/VR表示機器の世界市場および関連コンテンツ/ソリューションの国内市場を調査

2030年予測(2021年比)
AR/VR表示機器の世界市場 7兆4,301億円(11.6倍)
各種新商品投入のタイミングで拡大。また、2030年にはAR表示機器がVR表示機器を上回る
MRスマートグラスの世界市場 2兆7,741億円(73.0倍)
BtoC向け商品の投入により2027年ごろから大幅に拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、新機種の投入や関連コンテンツ、ソリューションの進化により今後の拡大が期待されるAR/VR関連市場の最新動向を調査し、その結果を「AR/VR関連市場の将来展望 2023」にまとめた。
 この調査では市場をAR/VR表示機器、AR/VR関連・周辺機器、AR/VR表示関連デバイス、センサー/フィードバックデバイス、BtoC向けコンテンツ、BtoB/BtoBtoC向けソリューションに区分し、各市場の現状を捉え、将来を予測した。また、市場拡大への課題点や今後のロードマップなどを中長期の視点で整理した。

調査結果の概要
AR/VR表示機器の世界市場
 2022年見込2021年比2030年予測2021年比
VR表示機器4,937億円140.6%2兆8,858億円8.2倍
AR表示機器3,961億円137.8%4兆5,443億円15.8倍
合計8,898億円139.3%7兆4,301億円11.6倍
 AR(Augmented Reality、拡張現実)、VR(Virtual Reality、仮想現実)の技術を活用したコンテンツの表示機器、具体的にはVR表示機器はHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、AR表示機器はHUD(ヘッドアップディスプレイ)やスマートグラス、スマートコンタクトレンズを対象とする。またAR表示機器の一部として、より高精度なオーバーレイ表示を可能とするMR(Mixed Reality、複合現実)表示機器を含む。
 2023年にはHMDで複数の新製品発売が予定されており、市場はさらに拡大するとみられる。それぞれの機器で新商品が発売されるタイミングで市場が拡大すると予想され、将来的にはBtoC向け商品の投入によってMRスマートグラスが急激に拡大し、2030年時点ではAR表示機器市場がVR表示機器市場を上回るとみられる。
 VR表示機器のHMDは接続型とスタンドアロン型に分類され、2021年時点で市場は3,511億円となっている。PCやゲーム機器に接続して使用する接続型はコアユーザーの使用が多く、スタンドアロン型は手軽さからライトユーザーのニーズを捉えている。
 スタンドアロン型はゲーミングに加え個人でのビジネス利用やBtoB/BtoBtoCの利用が増加し、市場をけん引していくと予想される。また接続型はコアユーザーの需要が底堅いため今後も比較的安定して伸びるとみられる。
 AR表示機器は2021年まではHUDが主体であったが、今後はスマートグラスの構成比が高まっていくとみられる。スマートグラスは製造やインフラ、建築業での作業支援などBtoB向けがメインの市場であるが、2022年からBtoC向けの市場が本格的に立ち上がったことにより大きく伸びている。技術的な進展が当初計画のロードマップより遅れていることから、市場は2027年ごろから本格的に拡大していくとみられ、特に大手ITベンダーやスマートフォンメーカーによるBtoC向け商品の発売が拡大のトリガーになると期待される。
BtoC向けコンテンツの国内市場
2022年見込2021年比2030年予測2021年比
775億円101.6%2,284億円3.0倍
 ゲームコンテンツや映像コンテンツ/映像配信を対象とする。VRでは一般のゲームコンテンツをVR対応したものや、360°動画の配信が主流となっている。将来的にはVR用に開発されたゲームが増えるとみられ、NFT(非代替性トークン)との組み合わせによりコンテンツ内での経済活動も可能になると予想される。また、映像配信においてはマルチアングルの映像配信や視点ズーム機能などが増えていくとみられる。
 ARではスマートフォンの位置情報を用いたゲームが主流である。また、ARとスポーツを組み合わせたARスポーツのアミューズメント施設もあり、徐々に利用が増えている。今後位置情報技術の発展に伴い、より高度なコンテンツの開発が期待されるほか、スマートグラスの普及によってARスポーツの認知が広がり、利用者の増加が期待される。
BtoB/BtoBtoC向けソリューションの国内市場
2022年見込2021年比2030年予測2021年比
203億円116.0%1,158億円6.6倍
 AR/VRによるショッピングや会議、作業支援などを対象とする。現状はVRシミュレーション/トレーニングが主体であり、製造業や建築業、インフラ分野のメンテナンスなどで、スタンドアロン型HMDを用いたシミュレーションの採用が増加している。またAR/MRを利用した作業支援も普及しつつある。
 今後は製造現場や医療現場など、3Dを導入することでミスによるリスクの低減が期待される業界を中心にVRシミュレーション/トレーニングやVR会議/オフィスの利用が広がっていくとみられる。
注目市場
MRスマートグラスの世界市場【AR表示機器】
2022年見込2021年比2030年予測2021年比
452億円118.9%2兆7,741億円73.0倍
 肉眼で見える視界に映像を重ね合わせることでMR表示を可能とする機器をMRスマートグラスと定義した。HMDは対象外とする。ARスマートグラスよりも表示機能やセンシング機能に優れるが、現状では高重量や高価格である。2022年時点ではBtoB向けの製品が大半であり、BtoC向けは高価格やサイズが大きいことから商品の投入が少ない状況である。
 今後、BtoC向けの商品投入が市場拡大の起爆剤になるとみられる。特に有力企業の参入が想定される2027年ごろから市場が本格的に拡大し、将来的には低価格化が進むことによりARスマートグラスから需要がシフトし、2030年の市場は2兆7,741億円が予測される。
スタンドアロン型HMDの世界市場【VR表示機器】
2022年見込2021年比2030年予測2021年比
4,195億円152.7%2兆4,639億円9.0倍
 CPUが搭載され単独で機能するHMDを対象とする。高スペックなPCやゲーム機などがなくても手軽にVRを体験できる点や、ケーブルが不要で取り回しが良い点がメリットであり、ライトユーザーから支持されている。
 2020年に低価格で高性能な商品が登場したことにより市場が拡大した。部材供給がひっ迫した時期があったものの、2022年には状況が改善されており、市場は前年比52.7%増の4,195億円が見込まれる。
 中長期的には、ゲーム用途以外にPCモニターの代替やBtoB/BtoBtoCでの活用、さらには、メタバース空間へのアクセスデバイスとしての利用が期待される。またビジネス利用を想定した10万〜20万円のハイエンド機種が増加することから、2030年の市場は2兆4,639億円が予測される。
内容の詳細につきましては『AR/VR関連市場の将来展望 2023』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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