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『2021 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』まとまる(2022/1/27発表 第22008号)

半導体実装関連の世界市場を調査

2027年予測(2020年比)
実装関連の世界市場 11兆5,131億円(51.8%増)
低誘電化や多層化による需要でプリント配線板向けが伸び、市場拡大
FC-BGA基板市場 1兆3,825億円(3.0倍)
サーバー用CPUや通信機器向けなど単価の高い製品が伸長

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、前年からのテレワークや巣ごもり需要によるPCやタブレット端末、ゲーム機などの伸長に加え、自動車やスマートフォン市場が回復していることから好調な半導パッケージやプリント配線板とそれらの材料、実装関連装置の世界市場を調査した。その結果を「2021 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」にまとめた。
 この調査では、プリント配線板7品目、半導体後工程/実装関連材料10品目、実装関連装置5品目、放熱関連材料7品目、アプリケーション機器4品目、半導体パッケージ4品目、基板関連材料13品目を分析し、将来を展望した。

調査結果の概要
実装関連の世界市場
2021 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧:実装関連の世界市場グラフ
 2021年は、前年下半期からのテレワークや巣ごもり需要を背景としたPCやタブレット端末、ゲーム機、通信機器などの好調が続いているほか、自動車やスマートフォン市場も回復に向かっているのを受けて、半導体封止材、リードフレーム用条材、ボンディングワイヤなどの半導体後工程/実装関連材料や、多層リジットプリント配線板などのプリント配線板が大きく伸長している。実装関連装置でも、半導体関連製品や受動部品関連がけん引し、伸びている。また、エポキシ樹脂や銅、スズの価格上昇など各種材料の値上げなどから単価が上昇した製品も多く、市場は拡大が予想される。
 2022年以降も市場は拡大するとみられる。規模の大きいプリント配線板ではサーバーや通信機器向け、半導体パッケージ基板を中心に低誘電化や多層化が進むため2027年に向けて年率3〜6%の伸びが予測される。また、放熱関連材料は、EV/HVのパワー半導体や電池向けがけん引し、窒化ケイ素基板(AMB)、放熱フィラーなどが大きく伸びるため、2027年の市場は2020年比51.8%増の11兆5,131億円が予測される。
注目市場
FC-BGA基板
2021年見込2020年比2027年予測2020年比
5,824億円126.5%1兆3,825億円3.0倍
 主に、CPUや通信機器などの高性能な多ピンロジックなどで採用されているFC-BGAの基板を対象とした。
 市場はPC向けが中心である。2021年は、需給がひっ迫していることから、単価が上昇している。製品別では、テレワーク環境の構築需要の増加からPC市場が拡大したためPC向けが好調なほか、ADASの導入が進んでいることから車載SoC向けが増えている。また、FC-BGA基板の中でもサイズが大きく層数も多いため、単価の高いデータセンターや5G通信基地局向けが伸びており、市場は前年比26.5%増が見込まれる。
 今後は、データセンターや5G通信基地局などインフラ機器の高性能化に伴い単価の上昇が予想される。また、引き続き、インフラ機器が増加することでサーバー用CPUやAIアクセラレータチップ向けなどが伸びるとみられる。特に、AIアクセラレータチップの出荷数量は、2021年100万個程度であったが、2025年に500万個近くまで増えると予想され、市場拡大に繋がるとみられる。車載SoC向けもADASの導入増加により大幅な需要増が予想され、2027年の市場は2020年比3.0倍が予測される。
HTCC基板
2021年見込2020年比2027年予測2020年比
2,202億円113.3%2,538億円130.6%
 電子部品に用いられるセラミック基板のうち、高温焼成セラミックスを対象とした。
 セラミック基板は、耐熱性や耐湿性、平坦性に優れるほか、高周波回路での低損失、三次元的な多層配線が可能で立体構造を形成しやすいといった特性から、通信モジュールや車載基板、イメージセンサーの基板などに使用されている。
 特定の周波数の信号を検出するSAWフィルターや電波の基である基準信号を作り出す水晶デバイス向けを中心に市場は拡大している。2021年はSAWフィルター向けが、5G通信機器の増加などから伸びている。また、水晶デバイス向けはユーザーの在庫確保の動きがみられたことで、大きく伸長している。
 今後、SAWフィルター向けはモジュール化や主要用途であるスマートフォンの成長鈍化により、伸び悩むとみられる。一方、水晶デバイス向けは、2022年は前年の反動を受け伸びが鈍化するが、長期的には自動車用の通信機器や3Dセンシングで使用される水晶デバイスの増加に伴って搭載数が増えるため、市場は拡大するとみられる。また、ヘッドマウントディスプレイの3Dセンシングでも採用が期待されており、2025年以降に本格的な使用が進むことで2027年には2020年比30.6%増の2,538億円が予測される。
ガラス基材銅張積層板(CCL)
 2021年見込2020年比2027年予測2020年比
汎用1兆3,213億円145.3%1兆3,760億円151.3%
低誘電対応1,064億円105.8%5,673億円5.6倍
合計1兆4,277億円141.4%1兆9,433億円192.4%
 ガラス繊維を布状に編みエポキシ樹脂を染み込ませたプリプレグという絶縁層に、回路層を書き込む銅箔を貼った製品を対象とした。汎用品と、低誘電かつ電気エネルギーの損失の度合いを示す誘電正接(Df)が0.005以下の主にPPE樹脂などをベースとした低誘電対応品に分類した。
 2021年は、各種民生機器や自動車の市場が回復し、サーバーや通信機器などのインフラ向けで需要が高まっている。また、汎用CCLは、材料の銅箔が価格高騰しており、値上げしているメーカーもみられることから、市場は前年比45.3%増が見込まれる。一方、低誘電対応CCLでは、前年にHuaweiが米中貿易摩擦による規制を避けるために買い込んだことの反動を受け、基地局向けが大きく減少したが、データセンター向けが増えていることからDfが0.004〜0.005のVery Low Lossが伸長し、市場は前年比5.8%増が見込まれる。
 2022年以降は、低誘電対応CCLは、サーバーのマザーボードの拡張スロットの規格であるPCI Express5.0対応の「Eagle StreamプラットフォームでVery Low Lossの採用が想定されることから、市場は拡大するとみられる。また、AIサーバーやミリ波対応のBBUでDfが0.002〜0.003のUltra Low Lossの採用が進むことで、2027年の市場は2020年比5.6倍の5,673億円が予測される。
内容の詳細につきましては『2021 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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