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『2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』まとまる(2021/12/13発表 第21121号)

通信機器、通信サービスの国内市場を調査 テレワークや遠隔授業を受けて、それらの利用を促進する機器/サービスの需要が増加

2025年度市場予測(2020年度比)
通信機器 3兆1,812億円(12.3%減)
移動体通信端末の買い替えサイクル長期化などで縮小
通信サービス 11兆2,158億円(1.2%増)
FTTHサービス10G化の進展や、テレワークに伴う各サービスの伸びで拡大
ローカル5G/プライベートLTE基地局 199億円(8.3倍)
企業や自治体の自営無線システムとしての需要に伴い、各基地局も大きく伸びる

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、有線から無線への移行やクラウド化の進展、IoT需要の増加など、さまざまなトピックスへの対応が注目される通信機器や通信サービスの国内市場を調査した。その結果を「2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた。
 この調査では、通信機器(ネットワーク関連製品12品目、音声関連製品5品目、会議関連製品3品目、移動体通信端末3品目、移動体通信基地局関連製品4品目)計27品目、通信サービス(インターネット接続サービス5品目、移動体通信サービス2品目、固定データ通信サービス4品目、音声関連サービス6品目、その他サービス9品目)計26品目の市場について現状を調査し、将来を予想した。

調査結果の概要
通信機器・通信サービスの国内市場
 2021年度見込2020年度比2025年度予測2020年度比
通信機器3兆4,627億円95.4%3兆1,812億円87.7%
通信サービス11兆296億円99.5%11兆2,158億円101.2%
合計14兆4,923億円98.5%14兆3,970億円97.8%
 通信機器市場は、2020年度は、「GIGA スクール構想」を受けて文教向けタブレット端末やネットワーク関連製品が伸び、5G通信サービス向け移動体通信端末/基地局関連製品の需要増加もあり好調だった。2021年度は文教分野での特需の反動減により、縮小するとみられる。今後は、会議関連製品や移動体通信基地局関連製品は堅調な伸びが期待されるが、移動体通信端末の買い替えサイクル長期化や、スマートフォン利用増加に伴う固定電話端末の需要減少などにより、市場は緩やかな縮小が予想される。
 通信サービス市場は、2020年度は、新型コロナ流行の影響を受けた自宅時間の増加によりFTTHサービスへの移行進展、映像系会議やビジネスチャットサービスの需要増加、また、リモートアクセスサービスなどが伸び、好調だった。今後、移動体通信サービスが事業者間の競争激化に伴うARPU低下により縮小が懸念されるが、インターネット接続サービスにおけるFTTHサービスの普及や10Gサービスの需要増加、また、テレワークや遠隔授業に伴う会議サービスやリモートアクセスなどの伸長が期待される。
 カテゴリー別にみると、通信機器市場では、会議関連製品と移動体通信基地局関連製品の伸びが期待される。
 会議関連製品は、2020年度は、オフィス内のハードウェア製品への投資抑制や、テレワーク推進のため導入が容易なクラウド系Web会議サービスが採用され影響を受けたが、2021年度はオフィス内のリモート会議環境整備などへの投資増により、堅調な伸びが期待される。今後、テレワークや遠隔授業などの広がりを受けて、自宅やオフィス、学校などで映像/音声品質の向上によるコミュニケーション環境の整備が求められるため、堅調な市場拡大が予想される。また、遠隔会議の参加人数や場所、用途に応じてさまざまな機器やサービスが利用され、オンライン商談やオンライン相談窓口などの活用も広がり、需要増加が予想される。
 移動体通信基地局関連製品は、2020年度は、移動体通信基地局やEPC(Evolved Packet Core)/5GCが、主要移動体キャリアの5G通信投資や、楽天モバイルの4G/5G通信投資により好調だった。また、ローカル5G/プライベートLTE関連製品が、固定キャリアやCATV事業者、大手電機メーカーによる実証実験の需要を獲得し伸びた。今後は、移動体通信基地局やEPC/5GCは5G通信やSA対応投資の継続により、堅調な伸びが予想される。ローカル5G/プライベートLTE関連製品は、SA製品の商用化やPoC(概念実証)ユーザーの本格導入、構内PHSシステムのリプレース需要獲得が期待される。
 通信サービス市場では、インターネット接続サービスとその他サービスの伸びが期待される。
 インターネット接続サービスは、2020年度は、新型コロナ流行によるテレワークやWebコンテンツの利用増加に伴い、FTTHサービスへの移行が進んだ。ADSLサービスやINSネット(ディジタル通信モード)の終了もあり、今後はFTTHサービスなどで1G超プランの利用が増え、顧客単価が上昇するとみられ、市場拡大が予想される。
 その他サービスは、2020年度は、テレワークの普及に伴い、非対面のコミュニケーションサービスである映像系会議やビジネスチャットサービスの需要が増加した。また、自宅やオフィス外から社内ネットワークなどに安全にアクセスするため、リモートアクセスサービスやZTNAサービスの利用が拡大した。今後は、業務インフラとして、Web会議サービスが汎用的な会議用途で継続して需要を獲得し、ビジネスチャットサービスは他の業務アプリケーションと連携した利用が増えるとみられる。また、ユーザーのシステム管理負担を軽減できるZTNAサービスが引き続き伸びるとみられる。
 なお、5G通信関連では、2020年度にサービスエリア拡大に向けて、ネットワーク関連製品や移動体通信基地局関連製品を中心に好調だった。通信サービスでは携帯電話サービスのほか、固定データ通信サービスやインフラシェアリングサービスなどで立ち上がりつつある。2025年度にかけては通信サービスが大きく伸びるとみられる。
注目市場
ローカル5G/プライベートLTE基地局
 2021年度見込2020年度比2025年度予測2020年度比
ローカル5G35億円2.1倍147億円8.6倍
プライベートLTE13億円185.7%52億円7.4倍
合計48億円2.0倍199億円8.3倍
 総務省によりローカル5Gでの利用に割り当てられた4.5GHz帯と28GHz帯向けのローカル5G基地局、プライベートLTEの利用に割り当てられた1.9GHz帯(sXGP)と2.5GHz帯(自営BWA)向けのプライベートLTE基地局を対象とした。市場は無線部(RRH、RU)とベースバンド部(BBU、DU/CU)のメーカー出荷金額で算出した。
 ローカル5GやプライベートLTEは、企業や自治体の自営無線システムとして高速、低遅延、多接続かつ、帯域独占、セキュリティの高さ、基地局構築の柔軟性などさまざまな利点があり、普及が期待されている。
 ローカル5Gは2019年度にミリ波帯が制度化され市場が立ち上がった。2020年度には、ミリ波帯と比べて使い勝手の良いSub6帯が制度化され、ローカル5Gを利用したソリューション提供や自営インフラ構築を検討する通信キャリアやCATV事業者、大手電機メーカーなどがPoC(概念実証)を進めている。総務省による補助金の提供や税制優遇措置も後押ししている。
 基地局に関しては、移動体キャリア向け製品をベースとした製品が存在するが、高価格であるため、低価格なローカル5G用製品が注目されている。ただし、ローカル5G用製品はキャリア向け製品をベースとした製品と比べると通信品質が低い点が課題である。また、ローカル5Gに関して、免許申請の手間、対応するルーターや端末機器が十分に整備されていないなどの課題があるが、それらが徐々に解消されることで、市場拡大が予想される。
 プライベートLTE基地局は、2.5GHz帯のBWA(Broadband Wireless Access)製品はNSA(Non-StandAlone)構成のローカル5G基地局におけるアンカー基地局としてや、ローカル5G基地局より低価格で機能が成熟している点で需要を獲得するとみられる。1.9GHz帯のsXGP(shared eXtended Global Platform)製品は利用できる帯域が拡張され、構内PHSシステムとの共存が容易となったことで、代替需要が増えるとみられる。
クラウドPBXサービス
2021年度見込2020年度比2025年度予測2020年度比
163億円117.3%225億円161.9%
 オフィス構内に置いていたPBX(Private Branch eXchange)をクラウド化し、PBX機能をネットワーク経由で提供するサービスを対象とした。特にクラウドPBXと組み合わせたスマートフォンの活用は、オフィスのフリーアドレス化や、テレワーク時のコミュニケーションツールとして注目されている。
 2020年度は、テレワークの普及やスマートフォン活用ニーズの増加に伴い、好調だった。テレワーク時の電話対応の課題解決として、既存PBXの利用を継続したまま、このサービスを利用するケースが増えたことなどが要因である。
 2021年度以降は、働き方改革の一環としての導入や、資産の運用管理コストの削減、他業務システムとの連携による業務効率化を目的とした利用増加により、市場拡大が続くとみられる。オンプレミス製品との併用が可能であり、オフィスワークとテレワークのハイブリッド環境を実現するため、更改期に合わせた段階的な移行を図るユーザーも多い。今後、感染症対策として利用を開始したユーザーの拡張需要などが期待される。また、オフィススペース削減/拠点統廃合や、問い合わせ電話窓口/コールセンターの臨時開設に際して、迅速な利用開始が可能なことや設備を必要としない柔軟な運用ができる点でも関心が高まっている。
内容の詳細につきましては『2021 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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