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『2021 データセンター&キーデバイス関連市場総調査』まとまる(2021/10/12発表 第21097号)

サーバー、SSD、光トランシーバーなどデータセンター関連製品の世界市場を調査

2026年世界市場予測(2020年比)
データセンター関連製品 57兆7,302億円(2.9倍)
クラウドサービスベンダーの活発な投資、音声・画像データ活用によるストレージ需要の増加で拡大
SSD 13兆5,000億円(7.1倍)/HDD 1兆8,950億円(66.2%増)
使用頻度によって使い分けがなされているが、コストダウンによりSSDへの移行も

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、ITベンダーによるハイパースケールデータセンター建設の加速により成長が続いているデータセンター関連製品の世界市場を調査した。その結果を「2021 データセンター&キーデバイス関連市場総調査」にまとめた。
 この調査では、関連製品市場に加え、各国のデータセンターの設置状況、高速ネットワーク規格対応製品の普及状況などを整理し、さらにグローバルITベンダー11社の動向についても捉えた。

注目市場
HDD・SSD【ストレージ】
 2021年見込2020年比2026年予測2020年比
HDD1兆2,850億円112.7%1兆8,950億円166.2%
SSD2兆8,000億円147.4%13兆5,000億円7.1倍
 データセンターや一般のサーバーのストレージに用いられる3.5インチニアラインHDD、NANDを記憶媒体としたSSDを対象とする。
 HDDは容量当たりの単価が安いため、容量ベースで主流のストレージとなっている。一方、SSDは読み書き速度が速い、故障頻度が低い、消費電力が少ない、高密度化に適しているといったメリットがある。現状では、ウォームストレージと呼ばれる使用頻度が比較的低いデータではHDDが、使用頻度の高いホットストレージと呼ばれるデータでは検索や高速読み書きに優れるSSDが採用され、使い分けがなされている。
 2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などから、大手クラウドサービスベンダーを中心としたデータセンター投資が停滞した時期もあったが、後半から再び活発に行われたことにより、ストレージの需要が増えた。特にSSDはノートPC向けのNAND、コントローラーICの不足によって供給がひっ迫しており、2021年から価格が上昇している。
 HDD・SSD共に、大容量化の開発が進められている。HDDは2020年時点で14TB/ドライブが主流だったが、2021年は16TB/ドライブ、2022年は18TB/ドライブへ移行するとみられる。一方、SSDは現状では3.84TBタイプが主流であるが、今後は7.68TBタイプへ移行するとみられる。使用頻度の低いデータでは今後もHDDでの保存が主流であるとみられるが、3D NANDのコストダウンが進むことで移行が進み、適用分野が広がることで、SSD市場は大幅に拡大するとみられる。
サーバー【データセンター関連機器】
2021年見込2020年比2026年予測2020年比
5兆4,500億円104.8%6兆6,000億円126.9%
 x86/x64系、RISC、IA-64などのオープンアーキテクチャを採用したオープン系サーバーと大規模システム向けにカスタマイズで生産されるホワイトボックスサーバーを対象とする。
 サーバーには幅や高さなどが規格化されたラックサーバー、筐体にブレードのような薄いサーバーを複数差し込み、ラックサーバーよりもさらに高密度に設置できるブレードサーバーがある。
 2020年は新型コロナ感染拡大の影響により通信量とデータ処理量が増え、サーバー需要が増加した。2021年にはその特需は落ち着くものの、引き続きクラウドサービス需要の増加により、市場は拡大していくとみられる。
クライアント側光トランシーバー(100G〜)【データセンター関連コンポーネント】
2021年見込2020年比2026年予測2020年比
5,380億円134.8%1兆6,550億円4.1倍
 伝送速度が100G以上のデータセンター向けクライアント側光トランシーバーを対象とする。ネットワーク階層がフラットなサーバー同士の通信が増えたことで高速化しており、10Gや25Gが中心だったデータセンター内通信が100Gにシフトしている。今後100Gから400Gへ、さらなる高速化も想定されている。
 一般企業ユーザーにおける100Gの普及と、大手クラウドサービスベンダーにおける400Gの本格導入により市場は拡大している。200Gも展開されているが、400Gの普及により限定的な需要にとどまるとみられる。2022年 には800Gの規格化も進み、さらなる高速化が進むとみられる。
調査結果の概要
データセンター関連製品の世界市場
 2021年見込2020年比2026年予測2020年比
データセンター関連機器9兆197億円106.4%11兆4,555億円135.2%
インターコネクト関連製品2,490億円111.3%3,902億円174.4%
データセンター関連コンポーネント6,960億円126.1%1兆9,500億円3.5倍
ストレージ7兆670億円131.2%22兆7,070億円4.2倍
データセンター関連デバイス6兆8,683億円127.8%21兆2,275億円4.0倍
合計23兆9,000億円119.5%57兆7,302億円2.9倍
 2020年のデータセンター関連製品の世界市場は、20兆78億円となった。SNSやECの利用増加とオンラインゲームや映像コンテンツの増加、テレワークやクラウドサービスの普及などによるクラウドサービスベンダーの活発な投資と中国での需要増加により、2021年は前年比19.5%増の23兆9,000億円が見込まれる。今後は、テキストや音声、画像などのデータ活用が増えることによるストレージ需要の大幅な増加や、膨大なデータを高速・分散処理に対応した伝送処理技術・製品の採用により2026年には2020年比2.9倍の57兆7,302億円が予測される。
 データセンター関連機器は、カテゴリー別市場の中で最も市場規模が大きく、2021年は9兆197億円が見込まれる。市場の6割を占めるサーバーがけん引しており、新型コロナの感染拡大によるデータ通信量の増加などから伸びている。
 インターコネクト関連製品は、銅ケーブルから光ケーブルへのシフト、光トランシーバーの高速化などにより各品目が伸長し、市場は毎年二桁近い伸びを続け、2026年には2020年比74.4%増の3,902億円が予測される。
 データセンター関連コンポーネントは、光通信の高速化により光トランシーバーの市場が拡大している。市場の中心であるクライアント側光トランシーバーは、25G、100Gが一般化しており、400Gの普及も進みつつある。2022年には1兆円を突破し、2026年には2兆円近くまで拡大すると予測される。
 ストレージは、大手クラウドサービスベンダーの旺盛な投資に加え、サーバー1台当たりのメモリー容量の増加によりDIMMが、HDDからのシフトによりSSDが大幅に伸びており、2021年には7兆670億円が見込まれる。大容量化や高速アクセス化など開発が活発化しており、2023年にはカテゴリー別の市場で最も大きい規模になり、2026年には22兆7,070億円が予測される。
 データセンター関連デバイスは、DRAMとNANDがけん引しており、2021年にはDRAMが市場の5割以上、NANDが2割以上を占める。DRAMとNANDはサーバー1台当たりのメモリー容量の増加により、今後も大きく伸びるとみられ、2023年以降カテゴリー別ではストレージに次ぐ規模となり、2026年には20兆円を超えるとみられる。
内容の詳細につきましては『2021 データセンター&キーデバイス関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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