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『2020 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』まとまる(2020/12/15発表 第20130号)

テレワーク関連が伸びる通信機器&サービスの国内市場を調査

2024年度市場予測(2019年度比)
Web会議サービス 216億円(60.0%増) 会議やセミナーのオンライン開催が定着し拡大
リモートアクセスサービス 590億円(2.7倍) 既存ユーザーの増設が中心も二桁近い伸び続く

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2020年度は新型コロナウイルス感染症の影響によりテレワーク関連が伸び、今後は5G通信向けが拡大していく通信機器&サービスの国内市場を調査した。その結果を「2020 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた。

注目市場
Web会議サービス、オンライン商談サービス
 2020年度見込前年度比2024年度予測2019年度比
Web会議サービス156億円115.6%216億円160.0%
オンライン商談サービス44億円2.2倍118億円5.9倍
 Web会議サービス
 サービス事業者が運営する会議サーバーにアクセスすることで、複数拠点間のコミュニケーションが可能となるクラウド型サービスを対象とした。
 映像/音声コミュニケーションや資料共有、デスクトップ共有、ホワイトボード、議事録作成などの機能があり、PCをはじめスマートフォンやタブレット端末、さらにはテレビ会議システムと接続可能なサービスもある。
 2020年度はテレワークが急速に普及し、これまで対面で行っていた会議などをオンラインで行う必要がでてきたことから、すぐに導入可能なWeb会議サービスの需要が急増した。また、セミナーやイベントなどでの採用も増えている。
 Web会議やオンラインイベントは定着しつつあり、今後も市場は拡大が予想されるが、サービスの導入が一巡することで、伸びは緩やかになるとみられる。
 オンライン商談サービス
 アプリをインストールせず、Webブラウザーを利用して商談などが行えるサービスを対象とした。名刺機能やトークスクリプト、共有メモなど、商談に特化した機能が搭載されている。
 訪問営業に伴う移動時間削減など、営業活動の効率化を目的とした需要が増えている。また、新型コロナウイルス感染症対策の一環として、オフィスへの立ち入りを制限する企業が増えたことから、営業機会の獲得を目的とした採用も伸びている。
 BtoBでは以前からWeb会議サービスなどとともに利用されてきたが、BtoCでは利用が進んでいなかった。しかし、2020年度は来店型の対面接客を基本としている不動産業や自動車販売業で導入が進んでいる。
 Web会議サービスと類似する機能もあることから、差別化として商談プロセスの可視化や感情分析、文字起こしなど、より商談に特化したデータ分析機能の強化が進むとみられる。
リモートアクセスサービス
2020年度見込前年度比2024年度予測2019年度比
380億円172.7%590億円2.7倍
 インターネット回線を通じて、オフィスの自席PCなどに接続することでテレワークを実現するサービスを対象とした。営業や外勤者が、社外から社内システムにアクセスすることで業務効率化を図るサービスとして幅広い業種、企業規模で利用が進んでいる。
 これまでは働き方改革の推進や国際的なスポーツイベント開催時の公共交通機関の混雑緩和を目的に市場は緩やかに拡大してきた。2020年度は緊急事態宣言の発出により、テレワーク環境の迅速な構築が求められ、需要が急速に高まっている。小規模企業や総務、人事といったバックオフィス系までユーザーが広がっており、今後は既存ユーザーの増設を中心とした需要になるが、二桁近い伸びが続くとみられる。
FMCサービス
2020年度見込前年度比2024年度予測2019年度比
278億円112.1%352億円141.9%
 社内・社外を問わず、携帯電話端末を企業の内線電話端末として利用できるFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスを対象とした。市場は、内線通話利用料金であり、内線以外での通話料金や端末代は含まない。
 これまでは、固定電話のコスト削減や働き方改革(在宅勤務、サテライトオフィスの活用など)を目的に携帯電話端末と併せた導入が進み、市場は堅調に拡大していた。
 2020年度はテレワークが広がっていることで新規導入が増加し、既存ユーザーの拡張需要も増えている。今後もテレワーク環境の構築や、スマートフォンの活用による音声機器のコスト削減を目的とした導入が進み、市場は拡大していくとみられる。
調査結果の概要
通信機器&サービスの国内市場
  2020年度見込 前年度比 2024年度予測 2019年度比
通信機器 3兆973億円 95.6% 3兆901億円 95.4%
通信サービス 10兆7,453億円 97.9% 10兆1,946億円 92.9%
合計 13兆8,426億円 97.4% 13兆2,847億円 93.5%
 5G通信向け 9,453億円 9.7倍 4兆9,620億円 50.7倍
5G通信向けは合計の内数
 2020年度の通信機器市場は、テレワークやオンライン授業の増加により、データ通信関連製品やリモートアクセス関連製品、会議関連製品の需要が伸びている。しかし、テレワークに関連する製品&サービスの導入が優先されたことで、ネットワーク関連製品などが導入時期再検討により停滞し、市場は縮小するとみられる。
 今後は、5G通信向けの移動体通信基地局が市場をけん引するが、移動体通信端末はサービスと端末の分離料金プラン導入により低価格化が進み縮小していくことや、音声関連製品は労働人口減少に加えテレワークの常態化による事業所数の減少による縮小が想定され、2024年度の通信機器市場は2019年度比4.6%減が予測される。
 2020年度の通信サービス市場は、社内の業務システムへのアクセスや社内外での会議、オンライン商談、リモートアクセスなど、テレワークに関連するサービスの需要が伸びているが、移動体通信サービスやCATVインターネットサービスなどが店舗営業の自粛などにより停滞し、縮小するとみられる。
 今後は、テレワークに関連するサービスの拡大が期待される一方で、移動体通信サービスが競争激化によるARPU(1ユーザー当たりの平均売上)低下などから縮小し、コミュニケーション手段の多様化から音声関連サービスの利用が減少していくとみられ、2024年度の通信サービス市場は2019年度比7.1%減が予測される。
 5G通信向けは、商用化サービス開始に向けた移動体通信基地局など通信機器市場が先行して立ち上がり、2020年3月にNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが5G通信の商用サービスの開始により通信サービス市場が立ち上がった。2020年度は、5G通信提供エリア拡大に向けて通信機器市場が大きく拡大しているが、サービス市場は5G通信向け端末のラインアップが少なく、提供エリアも限定されていることや、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛や店舗営業の時間短縮などから、緩やかな伸びとなっている。
 総務省では、5G通信の導入促進の取り組みとして、税制優遇措置や4G用周波数の5Gへの転用・共用の制度化を進めており、今後移動体通信基地局、WDM、ハイエンドルーターといったキャリア向けの通信機器の需要がさらに増えるとみられる。これにより5G通信の提供エリアが広がり、携帯電話端末など5G通信向け端末のラインアップの拡充が進むことで通信サービス市場も拡大していき、5G通信向け全体の2024年度の市場は2019年度比50.7倍と大幅な伸びが予測される。
内容の詳細につきましては『2020 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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