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『データセンタービジネス市場調査総覧 2020年版 市場編/ベンダー戦略編』まとまる(2020/4/21発表 第20040号)

データセンタービジネスの国内市場を調査

2024年市場予測(2019年見込)
調査結果の概要
データセンターサービス 3兆2,549億円(45.4%増)
今まで市場の中心であったハウジングを上回り、IaaS/PaaSが拡大をけん引
注目市場
データセンター内稼働サーバー台数 251万台(48.5%増)
オンプレミスからの移行に伴い、国内のサーバー稼働総数の70%以上を占める

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、メガクラウドベンダーのクラウドサービス拡大がけん引するデータセンタービジネスの国内市場を調査した。その結果を「データセンタービジネス市場調査総覧 2020年版 市場編/ベンダー戦略編」にまとめた。
 「市場編」ではデータセンターサービス8品目、データセンター関連製品17品目の市場を調査・分析し、将来を展望した。「ベンダー戦略編」ではデータセンター事業者の動向を整理し、Webアンケートによるユーザー調査を行った。

調査結果の概要
データセンターサービスの国内市場
 2019年見込2024年予測
ホスティング(基本/アウトソーシング)3,050億円2,980億円
IaaS/PaaS5,963億円1兆3,769億円
ハウジング(基本/アウトソーシング)5,470億円5,940億円
通信回線サービス1,323億円2,120億円
共同利用3,730億円3,950億円
その他2,845億円3,790億円
合計2兆2,381億円3兆2,549億円
 2019年の市場は2兆2,381億円が見込まれる。これまでハウジングが市場拡大をけん引してきたが、メガクラウドベンダーによって展開されているIaaS/PaaSが好調に伸びており、ハウジングの市場規模を上回るとみられる。今後はIaaS/PaaSの伸びが市場の拡大をけん引していくとみられ、2024年の市場は3兆2,549億円と予測される。
 カテゴリー別にみると、IaaS/PaaSは既存ユーザーの拡張や、ホスティング、ハウジングからの移行需要が高まっている。また、2019年は「Windows server 2008」のサポート終了によるオンプレミスからの移行需要が高まり伸びている。安価に利用が可能であることや、AI/機械学習、ビッグデータ/IoT用途のサービス拡大、デジタルトランスフォーメーション基盤としての新規需要獲得などから今後も伸長していくとみられる。
 ホスティング(基本)は、これまでホームページサーバーの需要を獲得していたが、IaaS/PaaSへの移行が進んでいることから縮小している。また「Office 365」などのSaaSの普及も縮小の要因とみられる。一方、ホスティング(アウトソーシング)は、グループ会社のシステム運用やプライベートクラウド基盤のフルアウトソーシングニーズの高まりに伴い、横ばいから微増で推移していくとみられる。
 ハウジング(基本)は、システム基盤としての利用は需要が一巡しているが、クラウドアクセスポイントとの接続を目的とした利用やIX(インターネットエクスチェンジ)としての利用に加え、自社でデータセンターを運用してきた金融系の需要を獲得しており伸びている。ハウジング(アウトソーシング)は強固なセキュリティ環境が求められる基幹系システムなどの運用が多く、クラウド利用を敬遠するユーザーからの安定的な需要を獲得している。
 通信回線サービスは、IaaS/PaaSへのアクセスにおけるセキュリティ強化、回線速度強化などを目的に専用線やデータセンター内のダイレクトアクセスなどの高付加価値なサービス需要が高まるとみられ伸びが予想される。
 共同利用は、公共系で安定的な需要を獲得しているが市場構成比の高い金融系では需要が一巡したことから微増となっており、全体でも微増で推移していくとみられる。
地域別市場
 2019年見込2024年予測
関東1兆6,589億円2兆4,356億円
関西4,055億円6,216億円
その他地域1,737億円1,978億円
合計2兆2,381億円3兆2,549億円
市場データは四捨五入している
 データセンター施設の立地エリア別にデータセンターサービス市場を分類した。
 市場をけん引するメガクラウドベンダーのサービス拠点は関東を中心に開設され、2018年ごろから関西でも拡充されてきた。このため、地域別市場の拡大は関東、関西が中心となっており、その他地域は微増となっている。
 関東は、ユーザー拠点からのアクセス性やネットワーク環境の良さなどから、高い需要を獲得してきた。近年はメガクラウドベンダーのサービス拠点として、大型データセンターであるハイパースケールデータセンターが多く新設されており、2020年以降も新設が計画されているため市場は拡大していくとみられる。
 関西は、関東ユーザーのバックアップニーズなどを取り込み拡大してきた。2018年以降は、メガクラウドベンダーが西日本ユーザーの利便性向上を目的に関西にサービス拠点を開設しているため、好調である。関東同様に今後も新たなデータセンターが建設されるとみられ、市場の拡大が予想される。
 その他地域は、地場ユーザーにおける需要の一巡、関東、関西といった大都市圏ユーザーからのバックアップニーズの鈍化が続いていること、関東、関西と異なりメガクラウドベンダーのサービス拠点の誘致に成功していないことなどから苦戦しており、今後は5GやIoTを活用したサービスの展開など新たな需要獲得を目指していくとみられる。
注目市場
データセンター内稼働サーバー台数とオンプレミス稼働サーバー台数
 2019年見込2024年予測
データセンター内稼働サーバー169万台251万台
オンプレミス稼働サーバー147万台102万台
 データセンター内の稼働サーバー台数は2019年の169万台に対して、2024年には251万台まで増加し、国内サーバー稼働総数の内の70%以上がデータセンターに所在するようになるとみられる。
 一方で、企業や官公庁などが自社に設置するオンプレミス稼働サーバー台数は、2019年の147万台に対して、2024年には102万台まで縮小すると予想される。主な要因としては、BCP(事業継続計画)やDR(災害復旧)などユーザーの災害対策意識向上によって、サーバーの移行や新システムの構築でIaaS/PaaSの採用が増加していることなどが挙げられる。データセンター内の稼働サーバーは、オンプレミスからの移行や既存ユーザーの拡張などで今後も増加するが、「仮想化技術によるサーバー統合」「サーバースペックの向上」などにより、増加ペースは鈍化していくとみられる。
ハイパースケールデータセンターラック供給量 ラック数
2019年見込2024年予測
40,570100,220
 ハイパースケールデータセンターは、昨今におけるデータセンターの大規模需要家であるメガクラウドベンダーや動画・音声コンテンツ配信事業者であるOTT(Over The Top)をターゲットとした大型データセンターであり、関東、関西を中心に開設されている。
 ハイパースケールデータセンターの建設/開設は急激に進んでおり、メガクラウドベンダーを中心に利用が増加している。特に、2020年から2023年にかけて開設が非常に多くなるとみられており、2024年の供給量(総ラック数)は2019年の倍以上になると予想される。クラウドサービスの利用拡大、5G化の進展によるWebコンテンツの利用拡大などを背景にハイパースケールデータセンターの需要は今後も増加していくとみられる。
内容の詳細につきましてはこちらのページ(市場編ベンダー戦略編)をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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