- ■2030年予測
-
■自動車用材料45品目の世界市場 1億3,358万トン/23兆4,251億円
軽量化、高機能化、次世代技術などに対応できる材料の需要が増加
-
■PPS…9万8,005トン/853億円 SPS…2万5,000トン/200億円
EV、HVの電装部品での採用増加と、一台当たりの電装部品搭載個数の増加に伴い伸長
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、従来のニーズである軽量化、低燃費化に加え、「CASE」化が進むことで車内における快適性の向上が求められるなど、要求の多様化により採用動向に変化がみられる自動車用材料の世界市場を調査した。その結果を「自動車用ケミカル&マテリアル市場調査総覧 2020」にまとめた。
この調査では、汎用樹脂6品目、エンプラ・熱硬化性樹脂14品目、合成ゴム/エラストマー12品目、鉄・非鉄金属・セラミック5品目、加工品・応用素材8品目計45品目を調査・分析した。
- ■調査結果の概要
-
■自動車用材料45品目の世界市場
| | 2019年見込 | 2018年比 | 2030年予測 | 2018年比 |
| 汎用樹脂 | 799万トン | 96.5% | 1,029万トン | 124.3% |
| 1兆7,780億円 | 94.3% | 2兆1,962億円 | 116.5% |
| エンプラ・熱硬化性樹脂 | 456万トン | 98.1% | 657万トン | 141.3% |
| 2兆7,501億円 | 96.9% | 3兆6,839億円 | 129.8% |
| 合成ゴム・エラストマー | 264万トン | 96.0% | 374万トン | 136.0% |
| 1兆687億円 | 97.6% | 1兆4,763億円 | 134.8% |
| 鉄・非鉄金属・セラミック | 9,363万トン | 97.6% | 1億1,092万トン | 114.6% |
| 11兆5,542億円 | 97.6% | 14兆2,350億円 | 120.3% |
| 加工品・応用素材 | 152万トン | 97.4% | 206万トン | 132.1% |
| 1兆3,705億円 | 98.1% | 1兆8,337億円 | 131.3% |
| 合計 | 1億1,034万トン | 96.7% | 1億3,358万トン | 117.1% |
| 18兆5,214億円 | 97.2% | 23兆4,251億円 | 123.0% |
※市場データは四捨五入している
-
2030年の市場は1億3,358万トン(2018年比17.1%増)、23兆4,251億円(同23.0%増)と予測される。特に伸長率が高い分野はエンプラ・熱硬化性樹脂、合成ゴム・エラストマーで、今後も軽量化、高機能化、次世代技術などに対応できる材料の需要が増加するとみられる。
汎用樹脂分野はすでにさまざまな用途で利用が進んでおり、新たな用途開拓が難しくなっているものの、長期的には新興国を中心とした自動車の生産台数増加の影響を受けて堅調に市場は拡大していくとみられる。
エンプラ・熱硬化性樹脂分野は耐熱性や機械的強度を保ちながら軽量化を実現する素材として採用が増加している。特にPPS・SPS、高耐熱樹脂が伸長している。非常に高い性能を背景に、従来であれば金属を使用することが一般的であった部品についても樹脂化が進んでいる。
合成ゴム・エラストマー分野では、特にS−SBRやTPV・TPOの伸びが高い。S−SBRは低燃費タイヤ、TPV・TPOは内装材などで採用されており、全体的にも燃費や意匠性・快適性といった、今後の自動車差別化要因に関わる部品に使用される材料が多い。
鉄・非鉄金属・セラミック分野では、最も市場規模の大きい軟鋼が他の材料への移行が進むことから、今後緩やかに縮小していくとみられる。一方、軟鋼以外は自動車の軽量化、高機能化が進むことで伸長していくと予想される。
加工品・応用素材分野は自動車用放熱材や高周波対応部材の伸びが高く、自動車制御の高度化や5G通信の導入が進められる中で、急速に市場は拡大するとみられる。
- ■注目市場
-
■PPS・SPS
| | 2019年見込 | 2018年比 | 2030年予測 | 2018年比 |
| PPS | 6万580トン | 100.1% | 9万8,005トン | 162.0% |
| 537億円 | 99.8% | 853億円 | 158.6% |
| SPS | 1万1,865トン | 101.4% | 2万5,000トン | 2.1倍 |
| 95億円 | 101.1% | 200億円 | 2.1倍 |
PPS、SPSは共に耐熱性や電気特性などに優れ、EV、HVの電装部品向けでの採用が増加している。
PPSは主要用途である電装部品の自動車一台当たりの搭載個数は増加しているものの、2019年は自動車生産台数の減少が影響し、市場は横ばいが見込まれる。2021年以降は自動車生産台数が増加に転じ、自動車一台当たりに使用されるセンサーやコンデンサーなどの増加や新規採用も進むことから市場は拡大していくとみられる。
SPSは2018年に需要が低迷したものの、2019年は電装部品向けを中心に回復し、微増が見込まれる。2020年以降はPPSと同様に電装部品の搭載個数増加などから伸長していくとみられる。
-
■アルミニウム合金板
| 2019年見込 | 2018年比 | 2030年予測 | 2018年比 |
| 409万トン | 100.0% | 530万トン | 129.6% |
| 2兆6,590億円 | 100.1% | 3兆4,281億円 | 129.1% |
アルミニウム合金板は強度と軽量性に優れている。近年、先進国を中心に外装部品の軽量化を目的に採用が進んでおり、軟鋼と高張力鋼、ホットスタンプ材の置き換え材料として注目されている。軽量化ニーズの高いEVやHVでの需要が増加し、市場は堅調に拡大するとみられる。
-
■マグネシウム合金
| 2019年見込 | 2018年比 | 2030年予測 | 2018年比 |
| 11万9,260トン | 100.0% | 26万5,430トン | 2.2倍 |
| 425億円 | 100.2% | 917億円 | 2.2倍 |
マグネシウム合金は比重、比熱が小さく、寸法安定性、電磁シールド性などに優れている。特に軽量である点が注目され、鉄やアルミニウム合金からの置き換えが進んでいる。EUではSUVなどの大排気量・大型車においてトランスミッションハウジングをマグネシウム合金に置き換える事例が見られるほか、最大の原料産出地域である中国では、バスなどの大型車両で積極的な採用がみられる。
-
■自動車用放熱材
| 2019年見込 | 2018年比 | 2030年予測 | 2018年比 |
| 2万315トン | 114.1% | 7万5,470トン | 4.2倍 |
| 382億円 | 113.4% | 1,240億円 | 3.7倍 |
液状タイプの放熱ポッティング材や放熱ギャップフィラー、放熱フィラーと熱可塑性・硬化性樹脂をコンパウンドした筐体タイプを対象とする。放熱ポッティング材は実装を行う際の基板保護、防汚性、防水性付与などを目的に使用され、放熱ギャップフィラーは発熱部とヒートシンクの隙間を埋めることを目的に使用される。筐体タイプはモールドコイル向けなどで使用される。
自動車用放熱材料はEVの市場拡大による放熱ニーズの増加に伴い、市場は拡大している。放熱ポッティング材はECU、インバーター、コンバーター、ヘッドライト周り、センサー(油温センサー、バッテリー残量センサー)などで使用されており、今後も車載電装化やEV、HV市場の拡大に伴い需要が増加するとみられる。放熱ギャップフィラーは、放熱シートや放熱グリースなどで対応が難しい用途で需要が増加しており、特にECU周りで採用が増加している。筐体タイプは、2018年時点ではモールドコイル向けに一部展開されているのみであるが、EV市場の拡大に伴い、ワイヤレス給電システムやバッテリーケースなどでの新規採用が期待される。
内容の詳細につきましては『自動車用ケミカル&マテリアル市場調査総覧 2020』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)