プレスリリースプレスリリースPress Releases

『2019 光通信関連市場総調査』まとまる(2019/11/25発表 第19100号)

光通信関連装置・キーデバイスの世界市場を調査

2025年予測(2018年比)
光通信関連装置・キーデバイス市場は15兆6,469億円(56.4%増)
データ伝送量・処理能力の高速化が進むデータセンターや、5G通信への対応が市場拡大をけん引

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、世界規模でのSNSや動画共有サービスの普及に加え、BtoBではクラウドサービスの利用拡大によってデータ伝送の高速大容量化の進展により需要が増加している光通信関連装置・キーデバイスの世界市場を調査した。その結果を「2019 光通信関連市場総調査」にまとめた。
 この調査では、光伝送装置・関連装置4品目、光コンポーネント6品目、光アクティブデバイス5品目、光パッシブデバイス7品目、光ファイバー・光回路デバイス7品目、光測定器7品目、計36品目を取り上げ市場を分析した。

調査結果の概要
光通信関連装置・キーデバイスの世界市場
 2018年2025年予測2018年比
光伝送装置・関連装置7兆3,350億円10兆1,750億円138.7%
光コンポーネント1兆5,190億円3兆4,939億円2.3倍
光アクティブデバイス2,207億円5,199億円2.4倍
光パッシブデバイス1,108億円1,769億円159.7%
光ファイバー・光回路デバイス7,273億円1兆1,629億円159.9%
光測定器929億円1,183億円127.3%
合計10兆57億円15兆6,469億円156.4%
 光通信関連装置・キーデバイスの世界市場は、2018年に10兆57億円、2025年には2018年比56.4%増の15兆6,469億円が予測される。
 光伝送装置・関連装置市場は、通信キャリア大手の継続した設備投資や、ハイパースケールデータセンターのDCI(Data Center Interconnect:データセンター相互接続)需要など、データセンターのネットワーク増強によって拡大している。
 光コンポーネント市場は、光トランシーバーの高速化により、今後高成長が期待される。
 光アクティブデバイス市場は、2018年は25G DFB-LDチップの高成長がけん引した。今後はデータセンターのインフラ投資による光トランシーバーの伸長や、通信キャリアやOTT(動画・音声などのコンテンツ・サービスを提供する事業者)によるインフラ投資に伴うラインカードの伸長を要因に、高成長が予想される。
 光パッシブデバイス市場は、今後もデータセンターで使用される高速光トランシーバー向け製品の伸びが拡大をけん引する。各品目へのコストダウン要求は強まっているが、LDチップの搭載個数が増えることで市場は拡大するとみられる。
 光ファイバー・光回路デバイス市場は、2018年は在庫過多で価格が下落した光ファイバーが前年比マイナスとなり、そのほかはデータセンター需要により伸びたものの、縮小した。今後はクライアント側400G光トランシーバーで採用されるPAM用ICの高成長が期待される。
 光測定器市場は、400G光トランシーバーなどの開発投資や、5G通信インフラ投資により、各品目とも堅調に伸びている。今後は、特に任意波形発生器やBERTの伸びが期待される。
注目市場
1. ライン側光トランシーバー(100G、200G、400G〜)
2018年2025年予測2018年比
387億円1,512億円3.9倍
 ライン側光トランシーバーとは、幹線系やメトロ系など、長距離伝送用の光トランシーバーである。これに対してクライアント側光トランシーバーは伝送距離40km以下で、主にアクセス系やデータセンター内で用いられる。ここでは伝送速度100G、200G、400G以上の光トランシーバーを対象とした。
 データトラフィック量の増大によりトランシーバーの高速大容量化が必要となり、市場が拡大している。2017年は100G CFP(フォームファクター)DCO(タイプ)と、100G/200G CFP2 ACOが伸びた。
 現在は100Gや100G/200G対応製品がメインとなっているが、今後は400G以上の速度をもつ製品の需要増加が期待される。データセンター向けに400G-ZR QSFP-DD DCOやOSFP DCOが投入されると、市場は急成長する可能性がある。市場への本格投入は2020年頃からと予想される。なお、2024年には600G、800G製品が市場投入されるとみられる。
2. クライアント側光トランシーバー(100G、200G、400G〜)
2018年2025年予測2018年比
2,866億円1兆3,185億円4.6倍
 ここでは光伝送装置のインターフェース用、およびスイッチやルーター用の光トランシーバーを対象とした。伝送速度は100G以上(100G、200G、400G〜)、伝送距離は最短で100m、最長で40kmである。
 現在市場は100G製品が主流である。データセンター向けの40G QSFP+(フォームファクター)を代替して100G QSFP28が大きく伸びた。QSFP28はデータセンター向けに開発された製品ではあるが、今後は通信キャリア向けも取り込み大きく伸長するとみられる。一方、100G CFP、CFP2、CFP4は、QSFP28が通信キャリアでも使用されることにより今後は縮小していくとみられる。400G製品はCFP8がすでに市場投入されているが、メインである通信キャリアの400G需要が小さく、出荷数量は伸びなかった。400G需要のあるデータセンターではQSFP-DDとOSFPが標準化され市場投入されている。ハイパースケールデータセンターでは2017年より100G製品が主力となっており、2020年頃より200G、400G製品の需要が本格化するとみられる。
3. LDチップ
2018年2025年予測2018年比
1,177億円3,802億円3.2倍
 ここでは〜2.5G 、10G 、25GのDFB-LDチップ(以下、DFB)と、FP-LDチップ(以下、FP)を対象とした。
 25G DFBが5G通信インフラやDCI(100G光トランシーバー用として)において、〜2.5Gや10G DFBからの需要シフト、および2km以下伝送のデータセンター内で需要が増加していることから、市場は高成長が予想される。
4. プラスチックレンズ
2018年2025年予測2018年比
51億円118億円2.3倍
 プラスチックレンズはレーザー光を平行光にし、効率よく光ファイバーに挿入したり取り出したりする光通信向けのデバイスである。径の小さいシングルモードファイバーを用いる光トランシーバーではガラスレンズが採用される傾向にあるが、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER:垂直共振器面発光レーザー)を搭載する光トランシーバーは、径の大きいマルチモードファイバーを使用するため、プラスチックレンズが採用される。
 世界的なデータセンターの活発なインフラ投資に支えられ、データセンター内などで使用されるVCSELを搭載した短距離光トランシーバーは市場を拡大させてきた。これに伴いプラスチックレンズの市場も拡大した。2018年後半から中国や北米企業による投資が一段落してきたことから、市場の成長はやや鈍化している。今後は従来用途であるデータセンター向けのほか、5G通信基地局やFTTxでも一部採用されるとみられ、一部ガラスレンズの需要を侵食しながら市場拡大していくとみられる。
内容の詳細につきましては『2019 光通信関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

ページトップ