プレスリリースプレスリリースPress Releases

  • HOME
  • プレスリリース
  • 『2019年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望(下巻)』まとまる(2019/5/16発表 第19031号)

『2019年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望(下巻)』まとまる(2019/5/16発表 第19031号)

少子高齢化の進展、東京五輪の開催、EVの普及などを追い風に拡大 ライフ・インダストリー分野の機能性高分子フィルムの国内市場2022年に3,659億円の予測

2022年予測(2017年比)
バイオプラスチックフィルム市場は8億円(60.0%増)
イージーピールフィルム市場は85億円(25.0%増)
ともにCVSのPB商品の包材を中心に採用が増加し拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、少子高齢化の進展、東京五輪の開催、EVの普及などを追い風に拡大が期待される機能性高分子フィルムの国内市場を調査した。その結果を「2019年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望(下巻)ライフ・インダストリーフィルム編」にまとめた。この調査では機能性高分子フィルムのうち、パッケージングや工業・産業分野に使用されるフィルムを対象とした。
機能性高分子フィルム:表面処理や多層化加工、フィラーの添加、ハイブリッド化などで機能を付与したフィルム。

注目市場
環境負荷低減を訴求するフィルムの国内市場
 バイオプラスチックフィルム、生分解性フィルム

2019年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望(下巻):バイオプラスチックフィルム、生分解性フィルム市場規模推移グラフ
 バイオプラスチックフィルムは、バイオPET、バイオPEを使用したフィルムである。CVSなどの流通事業者や食品メーカーなどが環境負荷低減への貢献などのPRを目的に、バイオプラスチックフィルムを包装資材(以下、包材)として採用するケースが増加している。用途としてはバイオPETは食品用包材が中心で、CVSなどのPB商品の包材としても需要増加が期待される。バイオPEは100μmの厚膜品が主体であるが、40μmの薄膜品の展開が始まったことで、食品用包材としての需要が増加している。
 生分解性フィルムは、土に埋めると微生物の働きによって水と二酸化炭素に分解されるフィルムである。原料は植物由来・石油由来どちらも展開されているが、石油由来品でも原料をバイオマス化する動きがみられる。市場は農業用マルチフィルム向けが中心であり、非生分解性のマルチフィルムと比較し高価であることから、ユーザーは大規模農家や企業などが多い。しかし、農業従事者の高齢化もあり、剥ぎ取り作業が不要で、収穫時に機械に巻きこみにくいなどの作業効率性の高さから、小規模農家による採用も増加している。
パッケージング関連の注目フィルムの国内市場
 イージーピールフィルム、吸湿フィルム

 2018年見込2017年比2022年予測2017年比
イージーピールフィルム72億円105.9%85億円125.0%
吸湿フィルム7.1億円104.4%8.2億円120.6%
 イージーピールフィルムは、容器の密封性をもたせつつ、開封は容易にできるフィルムであり、食品容器の蓋で多く使用される。食品容器では個包装化や小容量化が進んでいることから需要が増加している。2018年は災害の多い年だったため、イージーピールフィルムが包装に使用される無菌包装米飯の需要が増加しており、好調が予想される。また、冷凍食品のチャーハンなど、これまで袋が採用されていた加工食品でのカップ型容器の採用などもあり、今後包装・容器の変更による需要も期待される。無菌包装米飯、CVSの総菜や冷凍食品など、電子レンジでそのまま温め、容器から移さずに食べられる商品が増加しており、電子レンジ対応容器向けで今後も拡大が予想される。
 吸湿フィルムは、容器内の残存水分を吸収することで内容物の保存性を向上させるフィルムである。容器内に乾燥材を封入する必要がないため、誤飲防止や製造工程の簡略化による生産性の向上などが可能である。体外診断薬キットや薬剤など医薬品向けが中心であり、高齢化による医薬品の需要増加などから市場は拡大が予想される。また、コスト面から採用が見られなかった食品向けでも長期品質保持を目的に高級だしや高級食材で採用され始め、工業用では電子部品の包材として使用されるなど、新規採用も増えている。
調査結果の概要
ライフ・インダストリー分野の機能性高分子フィルムの国内市場
 2018年見込2017年比2022年予測2017年比
ライフサイエンス364億円100.6%404億円111.6%
パッケージング221億円106.3%242億円116.3%
バリアフィルム772億円102.0%831億円109.8%
土木・建築1,019億円108.2%985億円104.6%
工業・自動車126億円100.8%134億円107.2%
エネルギー605億円109.6%1,062億円192.4%
合計3,107億円 105.5%3,659億円124.2%
 市場は、少子高齢化の進展、東京五輪の開催、EVの普及などを追い風に拡大が予想される。
 ライフサイエンス市場は、環境負荷低減材料としてバイオプラスチックフィルムや生分解性フィルムの採用が増加している。特に生分解性フィルムを使用する農業用マルチフィルムは作業効率向上に寄与することから農業従事者の高齢化もあり伸びている。このほか通気性フィルムも高齢化により紙おむつでの需要増加が期待できる。
 パッケージングやバリアフィルム市場は、食品の包材を中心にトイレタリー用品や医薬品の包材などで安定した需要があり、堅調な拡大が予想される。
 土木・建築市場は、東京五輪に関連した建築需要の高まりにより、化粧シートや建築用ウィンドウフィルム、コンクリート補強用シートなどが好調で拡大しているが、2021年以降は縮小が予想される。
 世界的にも需要の伸びが期待される工業・自動車、エネルギー市場は、EV・HVなどの普及により関連するフィルムの需要も増加が予想される。
内容の詳細につきましては『2019年版 機能性高分子フィルムの現状と将来展望(下巻)』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

ページトップ