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『2018 中国における人工知能(AI)市場の現状と将来展望』まとまる(2018/11/8発表 第18101号)

中国における人工知能(AI)関連市場を調査

2018年市場見込(2017年比)
中国における人工知能(AI)関連市場 340億元(61.9%増)
AIの発展が国の重点目標に位置付けられ市場は活性化

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、AI技術を応用するために提供されるコア技術やシステム、プラットフォーム、設備など、AI関連の中国における市場を調査した。
 その結果を「2018 中国における人工知能(AI)市場の現状と将来展望」にまとめた。
 この調査ではAI技術の応用が期待される製造業、農林水産、医療/介護/ヘルスケア、インフラ、スマートホーム、交通、金融業、卸売小売業、教育、生活サービスの10分野における市場規模推移、AI活用シーン、ビジネスモデル、プレーヤー、キーテクノロジー、ソリューションを調査・分析し、将来を予想した。また、中国メガクラウドベンダー4社、中国キーテクノロジーベンダー18社の動向についてもまとめた。

 2018年3月に行われた「中国共産党第十九次全国代表大会」において、習近平主席は国家を挙げて2030年までに中国のAI産業を世界のトップ水準までに向上させ、AI大国を目指すことを宣言した。現時点では、中国におけるAI研究者、開発技術者のレベルはシリコンバレーに及ぶ水準に達していないが、「投資」「データ資源」「スピード感」「政府支援」は、世界中のどの国よりも良好な環境が整えられている。中国政府は半導体、センシング、音声認識、画像認識、ディープラーニングなどの技術や、5G、データセンター、クラウドなどのインフラ事業に巨額な補助金を投入し、13.8億人の人口を強力な武器に、世界のAI産業の頂点に立とうとしている。

調査結果の概要
中国におけるAI関連市場
2018 中国における人工知能(AI)市場の現状と将来展望:中国におけるAI関連市場グラフ
 市場はコア技術(半導体、画像認識、音声認識、ビッグデータ、ディープラーニング)やシステム、プラットフォーム、設備などを応用分野向けに提供する中国企業の売上高とした。
 中国におけるAI関連市場は2014年に立ち上がり、2015年には150社以上のAI関連企業が設立され、市場は本格的に形成された。これらの企業は、主に北京市、上海市、広東省周辺に集中している。
 2015年の5月に発表された「中国製造2025」によって、AIの発展が国の重点目標に位置付けられたこともあり、中国のAI産業には政府の手厚い支援がある。2016年には、AI産業の促進に向けて「互聯網+人工知能三年行動実施方案」(インターネットプラスAI3年行動実施方案)が発表され、世界のトップ企業を育成することを目的に補助金の支給を積極的に行ったことから市場は活況を呈し、拡大を続けている。2017年7月には国務院が発表した「国務院関於印発新一代人工知能発展規劃的通知」に、2020年に1,500億元、2025年に4,000億元、2030年に1兆元といった市場規模を形成する目標が設定されたため、今後さらなる拡大が期待される。
中国企業におけるAI関連への投資の動向
2017年2018年見込2017年比
800億元2,500億元3.1倍
 2015年に、「中国製造2025」が発表され、その後中央政府より「互聯網+人工知能三年行動実施方案」などの関連政策が発表されたことで投資は急速に拡大を続けている。
 2017年における投資は、主に、画像認識、音声認識、ビッグデータ、ディープラーニングに集中した。最も多い画像認識は年間約90件、音声では50件前後の投資があり、投資額は800億元となった。2018年は上期の投資が活発化し有力企業を巡って国有ファンド、民間ファンド、外資系ファンド、関連企業など、さまざまな投資が行われている。さらに、BAT(Baidu、Alibaba、Tencent)による投資が加速しており、投資額は2,500億元(2017年比3.1倍)が見込まれる。
メガクラウドベンダーの参入動向(Baidu、Alibaba、Tencent)
 BATは、いずれも大手インターネット系事業者として、AI関連への投資や開発で先行している。これらの企業は、それぞれネット検索、ECサイト、SNS、電子決済などの分野において、中国国内で生活に根付いたサービスを提供する存在となっている。膨大なユーザー数を抱えていることが、最大の強みであり、過去から現在までに蓄積したビッグデータだけでなく、今後AIを利用し、スマートフォンやIoTを通じて得るさまざまな情報を自社事業に応用していくとみられる。また、それぞれの企業が強みとするコア技術は異なる。Baiduはディープラーニングを重視するが、自動運転分野にも注力している。Alibaba は買収や投資により、画像や音声認識のコア技術企業との協力を強化し、スマートシティにAIの活用展開を模索している。Tencentも画像分野に注力しており、医療での応用を推進している。いずれにしても、中国国内という市場においてGoogle、Amazon、IBMなどの米国企業に対し、データ資源を保有できる優位性は今後も続き、中国におけるAI関連市場は成長していくとみられる。
内容の詳細につきましては『2018 中国における人工知能(AI)市場の現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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