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『2018 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧』まとまる(2018/7/19発表 第18061号)

燃費・快適性向上を目指し開発が進む注目の自動車部品40品目の世界市場を調査

インホイールモーター市場 2030年に386億円
  • 高効率で応答性の高い走行、その場旋回や横方向移動、車体設計の自由度向上など、EVやFCVの駆動モーターとして期待

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、自動車の「燃費」や「快適性」の向上を目指し、日々開発が進められている自動車部品の世界市場を調査した。その結果を「2018 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧」にまとめた。
 この調査では注目されるエンジン系部品15品目、駆動/足回り系部品8品目、内装系部品9品目、外装系部品8品目、合計40品目を調査対象とし、市場を調査・分析するとともに、これらが「燃費」や「快適性」の向上、EV/自動運転化への対応のなかでどのように変化していくかを明確にした。

調査結果の概要
自動車部品40品目の世界市場
2018 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧:自動車部品40品目の世界市場グラフ
 自動車部品40品目の世界市場は、2017年に36兆5,498億円、2030年には46兆5,796億円が予測される。
 市場規模が最も大きいのは外装系部品であり、その市場構成品目であるボディでは高価なホットスタンプ材などの採用が欧州を中心に進んでいる。また、タイヤやヘッドランプはボディと同様に自動車に必ず搭載される部品であるが、自動車の低燃費化や乗り心地の向上に対するニーズの増加や、LED照明の採用による高付加価値化が先進国市場を中心に進んでいる。
 次いで市場規模が大きいのが駆動/足回り系部品である。この市場ではトランスミッションやパワーステアリングの構成割合が高い。自動車の走行性能の根幹を担う部品であり、ほぼ全ての自動車に搭載されている。燃費向上などのために電子制御化が進んでいる部品が多いが、エンジン系部品と同様に将来EV化や自動運転化により搭載の省略や採用タイプの変更が生じる部品が多く、今後そうしたトレンドの中でいかに価値を提供できるかが問われる。
 内装系部品はシートシステムやカーエアコンの市場構成割合が高く、快適性向上のために電子制御化など高付加価値化が進んでいる。また、乗員の安全を志向する動きが新興国でも高まっていることから、パッシブセーフティ関連部品であるエアバッグモジュール/インフレーターやシートベルトプリテンショナーの車両1台当たり平均個数が増加している。
注目市場
オルタネーター・ISG/BSG(エンジン系部品)
 2017年2030年予測2017年比
オルタネーター4,011億円1,477億円36.8%
ISG/BSG226億円2,462億円10.9倍
 オルタネーターとISG/BSGは、エンジンの駆動回転力を電気エネルギーに交換する交流発電装置である。近年、アイドリングストップシステムやエネルギー回生システムの搭載が増加し、エンジン始動やバッテリーへの電力供給回数が増加しているため、スターターとオルタネーターを一体化し、高効率を図ったISG/BSG(Integrated Started Generator/Belted Alternator Starter)の搭載が増加している。HV、PHVに使用されるMG(Motor Generator)は対象外とした。

 オルタネーターは日本やEU、NAFTAではHVや48VマイルドHV、EVなどが増加しているため、需要が減少していくとみられる。中国やその他地域でも、2020年頃まで需要は増加するが、その後は減少していく。それに伴い市場も縮小していくと予想される。今後、需要の中心は新興国にシフトしていき、先進国は2030年以降、ISG/BSGやMGなどに代替されるとみられる。
 ISG/BSGは日本ではHVが多くMGが搭載されるため、需要の伸びがほかの地域に比べ低いとみられる。その他の国・地域については48VマイルドHVの増加に伴って需要は増加していくと予想される。
インホイールモーター(駆動/足回り系部品)
2017年2030年予測2017年比
386億円
 インホイールモーターとはホイール内に内蔵した駆動用電気モーターであり、4輪それぞれに搭載すれば車輪ごとに独立制御が可能となり、ギアや駆動軸などによるパワーの損失が抑えられ、高効率で応答性の高い走行ができる。また、その場旋回や横方向移動など、これまでの自動車では不可能だった動きができるため、縦列駐車や狭い場所への駐車が簡単になる。さらに、従来自動車にあったドライブシャフトやエンジンがなくなり、車体設計の自由度が向上するほか、室内空間を拡大できる利点もあり、EVやFCVの駆動モーターとして期待されている。ここでは対象外であるが、中国の電動二輪車の多くにインホイールモーターが搭載されており、今後市場の拡大が予想される。

 現在は研究・開発段階である。前輪もしくは後輪の二つに搭載する研究・開発が中心となっている。 今後、参入メーカーが増えることで、製品が多様化し、製品の量産化や、高機能化が進み、さまざまな電動車両に搭載されていくと予想される。
シートシステム(内装系部品)
2017年2030年予測2017年比
2兆9,510億円3兆6,200億円122.7%
 乗員が座る座席を対象とし、車両1台分の完成品一式をシートシステムとして市場を捉えた。シートシステムはシートフレームや各種バネ、パット材、シートカバーなどから構成される。シート位置や高さ、背もたれの角度などを電動で制御するパワーシートも普及しており、それには制御用ECUやモーター、シートポジションセンサーなどが追加される。補修品がほとんどないことから、需要はほぼ自動車生産台数に依存する。

 需要は当面、自動車生産台数の多い中国やインドなどの新興国がけん引するとみられる。
 シートシステムは高級車を中心にシートヒーターやパワーシートといった電動化や、快適性の向上などを目指した高付加価値化が進められている。将来的には安全性を確保しつつ、シートの設置場所やデザイン上自由度が高いシートシステムの開発も行われていくとみられる。一方、新興国を中心に低価格化要求が高いため、構成部品の現地調達比率の上昇や、設計面ではシートフレームの共通化などのコスト削減が進められている。
ボディ(外装系部品)
2017年2030年予測2017年比
9兆9,990億円13兆7,522億円137.5%
 ボディは鋼板などで形成される自動車部品であり、市場はボディに使用される骨格やパネル、シャシーに用いられる鋼板、その他(アルミ合金、CFRP、樹脂)を加工前の素材価格をベースで算出した。

 自動車1台当たりにかかる材料費は、そのサイズや素材などによって大きく異なるが、基本市場は自動車生産台数に連動して推移していく。近年はNAFTAや中国でEクラスの自動車やピックアップトラックなどの大型の自動車が増加しているため、自動車1台当たりに使用される材料が増加傾向にある。また、軽量化の観点から樹脂化や高張力鋼やホットスタンプ材料などの使用量が増加しており、ボディに使用される材料費も上昇しているため、市場は自動車生産台数よりも高い伸長率で推移していくとみられる。
内容の詳細につきましては『2018 ワールドワイド自動車部品マーケティング便覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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