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『2018年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの現状と将来展望』まとまる(2018/7/13発表 第18059号)

耐熱、透明・光学ポリマーの世界市場は2022年6.5兆円超え

2022年市場予測
透明PI 78億円 フォルダブルディスプレイでの採用により、2019年頃から急拡大
特殊PC 347億円 スマホでのデュアルカメラ搭載、車載カメラなどで拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、高耐熱グレードの開発・採用により拡大する耐熱ポリマー、透明性に機能を付加することで差別化が進む透明・光学ポリマーの世界市場を調査した。
 その結果を「2018年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの現状と将来展望」にまとめた。この調査では、耐熱性や透明・光学特性を軸に採用されるポリマー35品目に加え、ポリマーにフィラーなどを追加することで特性を向上させた特殊コンパウンド6品目についても市場や採用用途などを調査・分析した。

注目市場
透明PI(ポリイミド)
2018年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの現状と将来展望:透明PI(ポリイミド)市場グラフ
 高耐熱性、機械的特性、電気特性に優れる透明PIは、ディスプレイカバーフィルム、センサー基板フィルム、OLED照明や、フレキシブルプリント配線板、太陽電池基材向けなどで少量出荷されているものの、サンプル出荷が中心で2017年までは市場が限定されていた。
 今後フォルダブルディスプレイのカバーシートで採用が予想され、2019年以降フォルダブルディスプレイの量産化が進むことで市場は急拡大し、2022年には78億円が予測される。
 フォルダブルディスプレイ向けで透明PIフィルムが量産化されることでコストダウンが進み、今後有望なアプリケーションである有機薄膜太陽電池やOLED照明などでも採用が期待される。
特殊PC
2018年見込2017年比2022年予測2017年比
218億円117.8%347億円187.6%
 広範に利用されるPC(ポリカーボネート)に対し、光学用途などで主に使用される特殊PCを対象とする。光学用途としては光学レンズ、光ディスク、光学フィルムなどがあるが、そのなかでも光学レンズ向けが中心である。
 スマートフォンやタブレット端末などモバイル端末でのデュアルカメラ搭載や顔認証システムの導入が進んでいることから、端末1台当たりのレンズユニット数が増加している。また、1ユニット当たりのレンズの使用枚数も高精細化ニーズにより4枚から6〜7枚へと増加しており、特殊PCの市場は2017年、2018年と2年連続二桁増が見込まれる。
 モバイル端末に加え、車載カメラ、監視カメラ、ヘッドマウントディスプレイなどVR用レンズでも需要増加が予想され、車載カメラはセンシングカメラ用をターゲットに140度程度までの耐熱性向上が進められている。
 特殊PCは、フルオレン系ポリエステルと組成や物性が近く、モバイル端末、車載カメラなどの光学レンズ用途で強い競合関係にあるが、豊富なグレードラインアップがあり、ユーザーの使い勝手がよいなどの利点があるため、今後も市場は拡大を続け、2022年には347億円が予測される。
PPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンド
2018年見込2017年比2022年予測2017年比
870億円103.6%1,120億円133.3%
 優れた耐熱性、難燃性、耐薬品性が特徴である。コンパウンド(再生品除く)のみを対象とし、繊維・フィルム向けのPPSポリマーは対象外とする。
 軽量化を目的とした自動車部品の金属から樹脂への置き換えが進んでおり、自動車用途が需要の中心である。特にEV、PHV、HVなど環境対応車では自動車1台当たりの使用量が多い。今後、環境対応車の生産台数の増加に伴い市場は拡大し、2021年には1,000億円突破が予測される。
 エリア別には、日本や中国、欧州、北米の需要が大きい。中国ではEV産業の育成に努めており、電装部品を中心に使用量の増加が予想される。また、中国では再生品(対象外)が普及しているものの環境規制の強化により、廃プラスチックの輸入規制が行われたことから、バージン材の需要が増加している。
調査結果の概要
耐熱、透明・光学ポリマー世界市場
2018年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの現状と将来展望:耐熱、透明・光学ポリマー世界市場グラフ
 2018年の耐熱、透明・光学ポリマー35品目の市場は5兆8,697億円、1,179万トンが見込まれる。建材、雑貨・日用品、家電などの汎用用途向けは新興国の人口増加と経済成長にともない堅調である。また、自動車生産台数の増加も市場拡大に寄与している。
 ポリマーは成形後の形状自由度が高く、軽量性、量産性に優れることから、自動車、光学用途などでガラスや金属の代替で採用が増加しており、2022年には6兆6,590億円、1,365万トンが予測される。

 品目別には、フォルダブルディスプレイの立ち上がりとともに透明PIの高成長が期待できるほか、用途の広がりにより特殊PC、脂環式エポキシ、フルオレン系ポリエステル、PPS(コンパウンド)なども大幅な伸長が予想される。

 なお、180度以上の耐熱性を特徴とするポリマーは16品目(詳細は調査対象を参照)あり、高い耐熱性を要求される用途としては自動車の電装部品(コネクター、ECUなど)、半導体関連装置部品、LCD・OLEDディスプレイ用基板などが挙げられる。
内容の詳細につきましては『2018年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの現状と将来展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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