プレスリリースPress Releases
『2017 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻)』まとまる(2017/9/19発表 第17088号)
TV、スマートフォン向けの需要急増によりOLEDディスプレイの市場拡大が本格化するディスプレイ関連の世界市場を調査
- ■2022年市場予測(2016年比)
- ■■大型AMOLED 7,617億円(4.7倍)
- TV向けを中心に大きく拡大
- ■中小型AMOLED 3兆8,523億円(2.8倍)
- スマートフォン向けに加えて、スマートウォッチやHMD、車載ディスプレイ向けが増加
スマートフォン向けを中心にフレキシブル型が大きく伸びる- ■有機ELテレビ(OLED−TV) 1,100万台(12.9倍)
- 2017年以降急速に拡大
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、TV、スマートフォンをはじめさまざまな機器で、LCDに代わりOLEDの採用が増加しているディスプレイ関連の世界市場を調査した。
その結果を報告書「2017 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻)」にまとめた。
この報告書ではディスプレイデバイス9品目をはじめ、タッチパネル2品目、アプリケーション機器15品目の市場の現状を分析し、将来を予測した。また、主要ディスプレイメーカー13社の事業・製品戦略、設備投資動向などを整理した。
- ■調査結果の概要
-
■注目ディスプレイデバイスの世界市場
-
■大型・中小型AMOLEDの世界市場
大型は、生産歩留まりの改善や低コスト化の進展により、ハイエンドTVで着実に採用が増加している。
2017年は先行するLG El.以外のTVメーカーでもOLED−TVの出荷が拡大するため、TV向けパネルの出荷が大きく伸びるとみられる。一方、市場拡大をけん引してきたタブレット端末向けは、セット品の出荷が減少しているため、需要減少が見込まれる。
2018年以降はTV向けを中心に大幅な増加が予想される。また、インクジェット方式による量産化を受けて低価格化も進むとみられる。
中小型は、Samsung DisplayによるSamsung El.のスマートフォン向けを中心に市場が拡大してきた。近年は各メーカーによる中国スマートフォンメーカー向けの供給が拡大しているほか、2017年11月発売予定の新機種「iPhone X」(Apple)でもAMOLEDが採用されるとみられるため、2017年の市場は大幅な拡大が予想される。
今後、ハイエンドスマートフォン向けのディスプレイはAMOLEDが主力となる可能性が高いため、当面は大幅な市場拡大が予想され、2019年には中小型TFTの市場を超えるとみられる。スマートフォン向けが市場拡大をけん引するが、スマートウォッチやHMD、車載センターディスプレイなどでも需要の増加が期待される。
また、2017年以降はスマートフォンを中心にフレキシブルAMOLEDの採用が大幅に増えるとみられる。現時点ではプロセスの複雑さや製造歩留まりなどの点から高価格であるが、低価格化の進展によりスマートフォンやスマートウォッチなどで採用増加が期待される。 -
■大型・中小型TFTの世界市場
大型は、2014年をピークに市場縮小が続いている。2017年の市場は前年比プラスが見込まれるが、数量(枚数)は引き続き減少が見込まれる。
2014年から2016年の大幅な市場縮小は、PCモニター・AIOやノートPC、タブレット端末のセット品の出荷減少による、それら向けの減少が要因だった。それらセット品の需要が下げ止まりつつあるため、今後市場は数量(枚数)ともに微減で推移するとみられる。
一方、出荷面積はTV向けパネルのサイズアップが今後も続くと予想されるため、2017年以降も微増が続くとみられる。
中小型は、2010年以降スマートフォンの伸びに伴い市場拡大を続けてきた。2016年は中国におけるスマートフォンの新規需要の増加が鈍化したことや、AMOLEDの採用増加により、スマートフォン向けが減少したため市場は縮小した。
2017年はスマートフォン向けでAMOLEDの採用が増加しているため、市場は数量ともに縮小が見込まれる。ただし、スマートフォン向け以外の車載やHMD向けでは大幅な増加が期待される。
2018年以降はスマートフォン向けの減少により、市場は緩やかな縮小が続くと予想される。 -
■ディスプレイ関連デバイスの世界市場(ディスプレイデバイス、タッチパネル)
2017年見込 2022年予測 14兆4,043億円 15兆8,368億円
中小型の主力用途であるスマートフォン向けの市場は、2016年は出荷が堅調だったものの、大幅な価格下落が進んだことにより縮小した。2017年は出荷好調に加え、AMOLEDやオン・インセルなど高付加価値製品の出荷比率が増えているため、伸びるとみられる。
大型ディスプレイの主力用途であるTV向けの市場は、2016年は生産調整の影響で前年比マイナスとなった。2017年も生産調整は続いているが、単価上昇がみられるため、市場は前年比プラスが見込まれる。
今後、スマートフォン、スマートウォッチ・ヘルスケアバンド、HMD・スマートグラス、車載ディスプレイなどが市場拡大をけん引すると予想される。スマートフォン向けは数量の大幅な伸びは期待しにくいものの、FHD(フルハイビジョン)以上の高精細パネルの需要増加やAMOLEDの台頭、ベンダブルやフォルダブル型のAMOLEDなど高付加価値製品の登場により市場は堅調な伸びが期待される。また、車載ディスプレイは数量の伸びに加え、各種用途におけるサイズアップの進展により平均単価の下落が緩やかなため、市場も堅調な伸びが続くと予想される。 - ■注目アプリケーションの世界市場
-
■TV
2017年見込 2022年予測 LCD 2億1,890万台 2億2,090万台 OLED 150万台 1,100万台 CRT 100万台 − 合計 2億2,140万台 2億3,190万台 -
■TVにおける4K・8Kパネルの採用率(数量ベース)
4Kパネルは、TFTの単価が下落したことで、50インチ超の大型サイズを中心に出荷が大幅に増えている。また、AMOLEDの4Kパネルも2016年に売れ筋サイズ帯である55インチの出荷が始まり、2017年は採用率が大きく伸びるとみられる。4Kパネルの採用率は、2016年は23.4%だったが、2022年には57.5%が予測される。
8Kパネルは大型サイズを中心に注目が集まっており、今後は60〜75インチのサイズでも8K化が進むとみられ、2018年の平昌五輪の前後に韓国メーカーを中心に市場が動き出すとみられる。8Kパネルの採用率は、2016年は採用実績が無かったが、2022年は2.7%が予測される。
内容の詳細につきましては『2017 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻)』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)