プレスリリースPress Releases
『2017 光通信関連市場総調査』まとまる(2017/8/31発表 第17082号)
光通信関連の世界市場を調査
- ■2025年予測(2016年比)
- ■光トランシーバー市場:2兆7,309億円(76.9%増) 100G以上の光トランシーバーがけん引
- ■注目市場
- ■光変調アナライザー市場:55億円(71.9%増) 新技術コヒーレント通信を活用する装置・デバイスの性能検証に不可欠
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、新しい技術であるコヒーレント通信の登場により100Gbps(以下bps略)から200G、400Gとさらなるデータ伝送の高速大容量化が進んでいく光通信関連市場について調査した。
その結果を報告書「2017 光通信関連市場総調査」にまとめた。
この報告書ではアプリケーション4品目、光伝送装置・関連装置5品目、デバイス・材料・測定器35品目(光トランシーバー8品目、光アクティブデバイス8品目、光パッシブデバイス5品目、光ファイバー・光回路デバイス6品目、光測定器・製造装置8品目)、計44品目の市場について現状を調査し、将来を予想した。
- ■調査結果の概要
-
■デバイス・材料・測定器世界市場
光トランシーバーは、2016年後半から2017年前半にかけて、中国では一部システムメーカーによる在庫調整により、2017年の低速光トランシーバーは大きく縮小するが、製品単価の高い100G光トランシーバー(ライン側・クライアント側共に)がけん引し、拡大を続けると見込まれる。また、2025年にかけても100G以上の光トランシーバーがけん引し、デバイス・材料・測定器市場の中で最も高い伸び率が予想される。
光ファイバー・光回路デバイスは、市場の半数以上を占める石英光ファイバーがけん引している。2016年は中国の需要が伸び、今後はASEAN、南米、中東などの需要増加が期待される。また、100G以上のラインカード(光トランシーバーに分類)に搭載されるデジタルコヒーレントDSPも100G伝送の標準化やさらなる高速大容量化と共に急拡大が予想される。
光アクティブデバイスは光トランシーバーの構成部材であり、日系メーカーが比較的強い品目が多い領域である。DFB−LDの市場に占める割合が高く、その中でも25G DFB−LDが100G光トランシーバーでの需要増加に加え、第五世代携帯電話基地局向けで採用が予想されることから急拡大が期待される。
光測定器・製造装置は、堅調な伸びが予想される。特に、新しい技術であるコヒーレントの性能などを測定する光変調アナライザーと任意波形発生器が注目される。
光パッシブデバイスはメッシュネットワークの構築には不可欠なWSSモジュールが市場をけん引しており、今後データセンターや携帯電話基地局、光幹線系ネットワークなど、あらゆる用途での利用が期待される。 - ■デバイス・材料・測定器 注目市場
-
■ラインカード市場
2016年 2020年予測 2025年予測 数量 33万枚 47万枚 58万枚 金額 5,450億円 5,150億円 5,490億円
用途別には100Gが主力であり、2016年時点で市場の75%程度を占めた(数量ベース)。2017年には短距離のメトロ向けシステムでは200Gを主力とするケースが出てきており、30%近くを占めると予想される。また、10Gや40Gなどは保守需要にとどまっており、ウェイトは下がっていくとみられる。
なお、ラインカードに挿入される光トランシーバーは、ラインカードメーカーが内製するケースと外部調達するケースがあるが、現在200Gを展開するメーカーは光トランシーバーを内製するメーカーのみであり、200G光トランシーバー単体の市場はまだ立ち上がっていない。
長期展望としては、光伝送装置の需要増加に伴い数量ベースでは拡大を続けるものの、単価下落が影響し金額ベースでは2016年の水準への回復に向けて微増が続き、2025年の市場は2016年をやや上回る5,490億円が予測される。 -
■クライアント側光トランシーバー市場(100G・200G・400G)
2016年 2020年予測 2025年予測 1,302億円 4,910億円 5,200億円
現在100G製品が主流であり、特にデータセンター向けでは40G(本品目対象外)に変わって今後需要の中心になると予想される。
2017年には200G、400Gの光トランシーバー(CFP8)の投入が予想されるほか、2018年にはさらに小型パッケージの200G、400Gの光トランシーバー(QSFP−DD/OSFP)の投入も予想され、高速化と小型化が一段と進むとみられる。 -
■光変調アナライザー市場
2016年 2020年予測 2025年予測 32億円 50億円 55億円
コヒーレント通信技術は現在研究開発段階であり、光変調アナライザーも主に研究所でのR&D向けの需要が高い。また、2015年から量産向けが立ち上がっており、コヒーレント通信向け光伝送装置や光トランシーバーの量産化が進むことによって、需要増加が期待されることから、今後も採用数が増え2020年まで毎年二桁近い拡大が予想される。
一方、量産向けとR&D向けではR&D向けの方が単価は高く、将来的なR&D向けの需要減少による市場の停滞も懸念される。 -
■光コネクター市場
2016年 2020年予測 2025年予測 670億円 734億円 808億円 - ■アプリケーション別動向
-
光通信関連市場の需要先は、主に(1)光幹線系ネットワーク、(2)FTTx(Fiber To The x)、(3)携帯電話基地局およびモバイルバックホール、(4)データセンターで構成される。
データ伝送(G=Gbps) 拡大要因 光幹線系ネットワーク - 主力は100G
- 200Gも登場し、400Gの開発が進む
- 中国でのFTTxや携帯電話基地局用インフラの増設による長距離インフラの需要増加
- 米国のデータセンター間伝送の需要増加
FTTx - 主力は1.25G、2.5G
- 10Gの市場が2016年に立ち上がった
- 中国の政策「ブロードバンドチャイナ」により2020年に向けて農村部の光通信インフラの拡充が進む
携帯電話基地局および
モバイルバックホール- 主力は10G
- 第五世代への移行で25Gへ
- 新興国での第四世代基地局敷設の継続と、先進国での第五世代基地局敷設の新規投資
データセンター - 主力は100G(米国)、40G(日本、中国、欧米)
- 2017年中にもクライアント側200G・400G光トランシーバーの投入が予想される
- 需要の中心である米国でのデータセンター間伝送の需要増加によるネットワーク増強
- OTT(Over The Top)と呼ばれるAmazon、Apple、Facebook、Googleなどの米国系大手サービスプロバイダーのデータセンター事業者化の進展
光幹線系ネットワーク、FTTx、携帯電話基地局およびモバイルバックホール、データセンターでの需要増加に加え、各需要先でのビットレートが一段階上がった製品の採用などにより、光伝送装置・関連装置、デバイス・材料・測定器の市場は拡大が予想される。 - ■光伝送装置・関連装置世界市場
-
2016年 2020年予測 2025年予測 6兆6,596億円 7兆7,310億円 8兆4,050億円
FTTx、携帯電話基地局およびモバイルバックホール、データセンターにおけるデータ伝送では、光伝送装置が不可欠であり、今後も光伝送装置が市場をけん引するとみられる。
内容の詳細につきましては『2017 光通信関連市場総調査』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)