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『2016 ブロードバンド・モバイルサービス総調査』まとまる(2016/8/1発表 第16063号)

FinTech関連やシェアリングなどのサービス市場が大きく拡大するブロードバンド・モバイルサービスの国内市場を調査

タイトル
ロボアドバイザー 220億円(55.0倍) 投資未経験の20〜30代のユーザーの利用にも期待
クラウドファンディング 4,395億円(5.1倍) 金融型、購入型ともに大幅に伸びる
タクシー配車サービス 176億円(2.5倍) 配車アプリの認知度向上、他業界との連携が拡大を後押し

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、FinTech関連やシェアリングなど新分野におけるサービスの登場や、既存サービスでもVODや音楽配信のサブスクリプション型など新形態サービスが開始され、ビジネスモデルを含めて大きく変化しつつあるコンシューマー向けブロードバンド・モバイルサービスおよび関連プラットフォームの国内市場を調査した。その結果を報告書「2016 ブロードバンド・モバイルサービス総調査」にまとめた。

 この報告書では、コンシューマー向けサービスとして、コンテンツサービス5品目、EC6品目、ソーシャル4品目、金融サービス6品目、生活・行動支援サービス8品目、関連プラットフォームとして、サービスプラットフォーム2品目、集客・販促関連3品目、決済関連4品目、サービスインフラ4品目について市場動向を分析し、将来を予想した。

注目市場
ロボアドバイザー市場(FinTech関連)
2015年度2020年度2015年度比
4億円220億円55.0倍
年度末(3月末)時点の累計
 ロボアドバイザーは、ユーザーがいくつかの質問に回答すると、人工知能や独自アルゴリズムにより自動的にポートフォリオを作成して、金融資産の運用を行うサービスである。ここでは預かり資産に対して年率手数料を徴収するサービスを対象とし、市場は運用預かり資産額とした。
 2016年に入り参入事業者の増加に加え、既存の証券会社や銀行が無料のサービスを開始したことで認知度が高まっており、今後このサービスも活発化するとみられる。ロボアドバイザーは1〜10万円程度でも利用可能なため、投資未経験の20〜30代のユーザーも取り込みながら市場は拡大していくと予想される。
モバイル決済サービス市場(FinTech関連)
2015年度2020年度2015年度比
14億円80億円5.7倍
 モバイル決済サービスは、スマートデバイスと決済アプリケーション、決済リーダーで決済業務が行えるサービスである。市場は決済アプリケーション利用料と決済手数料とした。
 近年は展示会やイベント会場で決済リーダーのスポット利用も増加している。機能面では、POS機能との連携が進んでおり、高額なPOSを導入できないユーザーの開拓も進んでいる。決済手数料が低いため今まで手数料が負担となってクレジットカード決済を導入できなかった店舗での新規導入に加え、既存の高額なクレジットカード決済端末(CAT端末)導入店舗でのリプレースも進むことで、市場は拡大するとみられる。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や国土交通省の主導による観光立国構想に伴う外国人観光客の増加により、サービスを導入する施設や店舗の増加が期待される。
仮想通貨市場(FinTech関連)
2015年度2020年度2015年度比
1,850億円1兆円5.4倍
 仮想通貨は、ネット上でのみ経済活動が行える貨幣価値で、ブロックチェーン技術を活用したサービスである。取引所で仮想通貨同士の取引や、円やドルなどの法定通貨とも取引ができる。市場は取引所経由で取引された取引額(出来高)とした。代表的な仮想通貨にはビットコイン、Ripple、Litecoinなどがある。
 2014年2月に当時世界最大のビットコイン取引所であったマウントゴックスが経営破綻したことで市場に大きな影響を与えたものの、ビットコインはその後も正常な取引が継続されており、仮想通貨による取引額は拡大を続けている。利用者保護の観点から2016年5月に資金決済法をはじめ関連する法律が改正され、仮想通貨が物品やサービスの対価に使用できるなど財産的な価値があり、円などの法定通貨と交換できるものと定義され、仮想通貨取引所の登録制、口座開設時の本人確認、システムの安全管理などが義務づけられたことも、市場の活性化につながるとみられる。地域限定の仮想通貨なども地場の金融機関を中心に進められており、地方創生の一翼を担うサービスとなる可能性もある。
クラウドファンディング市場(FinTech関連)
 2015年度2020年度2015年度比
金融型800億円4,100億円5.1倍
購入型57億円295億円5.2倍
年度末(3月末)時点の累計
 クラウドファンディングは、一般個人からの資金調達を可能とするオンラインプラットフォームであり、金融型と購入型がある。金融型は、大口の不動産投資や海外投資などを行う企業に小額の資金で貸付けを行うことができる貸付型、特定のプロジェクトに対して投資を行う投資型、未上場企業に対して出資するエクイティ型がある。購入型は、商品開発やサービス開発などのプロジェクトで資金を必要とする企業・団体に対して支援を行い、報酬として金銭以外の作品やノベルティ、サービス、商品自体などを受け取る。市場は、金融型は累計成立ローン総額、購入型は累計成約支援総額とした。
 金融型は、貸付型が大きく市場を拡大させているほか、投資型や購入型も順調に伸びている。2016年度以降はマイナス金利の影響もあり、利回りの良いクラウドファンディングへの期待が高まり、今後も市場は拡大すると予想される。また、2014年の金融商品取引法の改正により、2015年度より事実上エクティ型が解禁されており、市場拡大を後押しするとみられる。購入型も、順調な市場拡大が予想される。
タクシー配車サービス市場
2015年度2020年度2015年度比
70億円176億円2.5倍
 利用者または乗務員がスマートフォンでハイヤー・タクシーの配車依頼や受付ができるサービスである。インストールが必要なアプリケーションソフトとインストールが不要なWEBアプリケーションを使用するサービスがある。市場は配車アプリを利用して徴収した営業収入とし、アプリの開発費用や利用料に関しては対象外とした。
 利便性の高さや、参入企業の拡大により急速に市場は拡大している。今後は、乗務員の提供サービスの向上に加え、旅行業界やホテル業界など他業界との連携、配車アプリの認知度アップ、アプリの利便性のさらなる向上、シニア層のスマートデバイス利用増加に伴う利用者層の拡大などの要因により、市場拡大が予想される。また、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、訪日観光客の利用増加も期待される。現在は乗務員からの手数料などによる収益が基本であるが、タクシー内に動画広告を配信するなど収益構造の変化も予想される。
シェアリングサービス市場
2015年度2020年度2015年度比
240億円620億円2.6倍
 個人や企業が所有する車や自転車などの乗り物や、土地、家、部屋、駐車場などを一時的に提供し、共有するサービスを対象とする。市場は乗り物やスペースなどの利用料とした。
 市場をけん引するのは民泊サイトの「Airbnb」で、国内利用だけでなく訪日観光客などの利用も多い。空きスペースや会議室、イベント会場、駐車場などスペースのシェアリングサービスも堅調に拡大している。また、国家戦略特区諮問会議で自家用車タクシー解禁に向けた取り組みが公表されており、将来的な普及が期待される。
 海外ではシェアリングサービスが広く普及しているため、今後海外からの参入事業者が増加するとみられる。
内容の詳細につきましては『2016 ブロードバンド・モバイルサービス総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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