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『2016 次世代自動車関連マテリアル総調査』まとまる(2016/1/20発表 第16003号)

次世代自動車部品材料、自動車主要部品構成素材の世界市場を調査

2025年世界市場予測(2015年比)
次世代自動車部品材料 1兆5,467億円(4.5倍) 次世代自動車増加に伴い市場拡大
自動車主要部品構成素材 17兆701億円(18.7%増) ボディ、エンジン部品の軽量化で採用増
注目材料
  • アルミ合金 2兆9,260億円(2.2倍) EU、NAFTAを中心にボディ部品向けが増加
  • ホットスタンプ材 1兆2,000億円(2.3倍) 先進国を中心に採用が進み市場拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、厳格化される環境規制に対応するため需要が拡大している次世代自動車部品材料16品目、自動車主要部品16品目の構成素材の世界市場を調査・分析した。加えて注目材料19品目をピックアップし、自動車向けの市場と開発動向を調査・分析した。
 その結果を報告書「2016 次世代自動車関連マテリアル総調査」にまとめた。

調査結果の概要
次世代自動車部品材料
2015年2025年予測2015年比
3,458億円1兆5,467億円4.5倍
 次世代自動車部品材料は、HV/PHV/EV/FCVの燃費や環境負荷を大きく低減させる主要部品の材料で、各国政府の環境規制やユーザーニーズの高まりにより、次世代自動車の生産台数が着実に増加していることから、市場が拡大している。普及のために単価の低減を目指した技術開発が続けられているが、次世代自動車の生産増加に伴い2025年には、2015年比4.5倍の1兆5,467億円が予測される。
自動車主要部品構成素材
2015年2025年予測2015年比
14兆3,822億円17兆701億円118.7%
 自動車主要部品は、次世代自動車を含め全ての自動車に使用される主要な部品であり、自動車生産台数増加に伴い市場が拡大し、2025年には17兆701億円が予測される。
 自動車燃費規制に対応するため部品の軽量化が求められている。ボディ部品でアルミ合金やCFRP、シリンダーヘッドやシリンダーヘッドカバーなど、重量の重いエンジン部品でアルミ合金化やマグネシウム合金化の採用が進むことにより、車両重量は現在よりも最大20%減少するとみられる。こうした代替材料の開発も進んでいる。
注目材料
アルミ合金
2015年2025年予測2015年比
1兆3,406億円2兆9,260億円2.2倍
 エンジン、ドライブトレイン、ボディ、足回り部品など適用範囲と使用量が拡大している。
 強度や剛性を維持しつつ、各国の環境規制に対応できる軽量な車両を製造する上で、ボディ部品のアルミ合金化が効果的とみられており、今後EUやNAFTAを中心に、アルミ合金製ボディを採用した自動車が続々と投入される予定である。ボディ部品のアルミ合金化が大きく進展し、2025年には2015年比2.2倍の2兆9,260億円が予測される。
高張力鋼、ホットスタンプ材
 2015年2025年予測2015年比
高張力鋼500MPa未満4兆1,505億円4兆7,417億円114.2%
高張力鋼500MPa以上1兆3,350億円2兆996億円157.3%
ホットスタンプ材5,112億円1兆2,000億円2.3倍
 高張力鋼は、炭素、シリコン、マンガンを添加し、鉄の変形を引き起こす隙間部分の動きを抑制し、従来の普通鋼に比べ、引っ張り強度の高い鋼板を指す。強度、耐久性に優れ、普通鋼に比べ軽量化に向いていることから、骨格、外板、内板、シャーシといったボディ部品や、サスペンション、ホイール、内装用部品などさまざまな部品に用いられる。
 中国、インド、東南アジアでは、骨格部に440/490MPaの高張力鋼の使用が一般的であり、パネル部にはまだ普通鋼の使用も多いため、今後パネル部の340MPaへの切り替えによって、需要が拡大すると予想される。高張力鋼500MPa未満の2025年市場は4兆7,417億円と予測される。
 500MPa以上の高張力鋼は、ボディの骨格部に多く用いられており、590〜980MPaが一般的である。またサスペンションなどの足回りで590MPa、780MPaクラスの採用が増加している。日本、EU、NAFTAでは、引っ張り強度440/490MPaから590/780MPaの高張力鋼への切り替えが進んでいる。しかし、EU、NAFTAでは、高張力鋼よりもホットスタンプ材への関心が高く、日本に比べ車両あたりの使用率は低い。日本は、高品質の高張力鋼が調達しやすい環境にあり、590MPa、780MPa以上の使用率は20%近くとなっている。今後は、中国、東南アジア地域における590MPaの採用増加と大手自動車メーカーの軽量化を目的とした1,000MPa以上の高張力鋼の採用が増加し、市場は拡大すると予想される。
 ホットスタンプ(熱間プレス)技術では1,500MPaクラスの高強度部品の成形が可能である。使用される鋼板材料のホットスタンプ材は欧米が主要消費地域となっており、2000年代に入って高級車を中心に採用が急増した。今後もEU、NAFTAを中心に市場は拡大すると予想される。日本は、高張力鋼の性能向上が進んだため、ホットスタンプ材の採用に消極的であるが、近年はバンパーなどの補強部品で採用され始めている。
マグネシウム合金
2015年2025年予測2015年比
429億円782億円182.3%
 日本の需要は、非常に少なく、ステアリングとキーロック向けが大半となっている。これは日本の自動車メーカーの燃費改善がエンジンの改良や使用している部品を小型化することによる軽量化を主流としていることに起因している。欧米では自動車の 外装や部品の素材を変えて軽量化を図る傾向が強く、マグネシウム合金を採用する頻度が高くなっている。EUではトランスミッションハウジングやシリンダーブロックといったエンジン部品への採用が多く、NAFTAではグリルやバンパーといった外装での採用が多く、今後も欧米の軽量化需要が市場をけん引すると予想される。
内容の詳細につきましては『2016 次世代自動車関連マテリアル総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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