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『2014年版 次世代ワイヤ/ケーブル関連マテリアル市場調査総覧』まとまる(2014/2/27発表 第14015号)

新興国のインフラ需要や自動車向けなどで注目されるワイヤ/ケーブル、コネクターと各種素材の世界市場を調査

注目品目の2017年世界市場予測
フッ素樹脂 697億円(2012年比118.1%) 航空機用ケーブルなどが好調で市場は拡大
超電導材 40億円 送電エネルギーの効率化に貢献が期待され需要が拡大
黄銅 7,560億円(2012年比121.0%) 車載用コネクターで自動車需要の増加とともに成長

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、用途の拡がりや需要先の技術発展により多岐にわたる性能/機能が求められているワイヤ/ケーブルとそれらを構成する各種素材に着目し、ワイヤ/ケーブル産業からみた素材ニーズ、新規素材のブレイクスルーに向けた課題などを中心に市場を調査した。その結果を報告書「2014年版 次世代ワイヤ/ケーブル関連マテリアル市場調査総覧」にまとめた。

 この報告書では、ワイヤ/ケーブル素材として内部導体(3品目)、電線被覆/絶縁材(11品目)、シールド材(4品目)、光ファイバー素材としてコア/クラッド材およびコーティング材(3品目)、コネクター素材として基材(9品目)、端子材(5品目)の合計35品目について、市場の現状を分析し今後を予測した。また、製品市場としてワイヤ/ケーブル(6品目)、コネクター(3品目)、代替技術/製品(3品目)の動向を整理した。

調査結果の概要
ワイヤ/ケーブル市場
2013年見込2017年予測2012年比
19兆6,645億円21兆4,950億円115.6%
 ワイヤ/ケーブル市場は、新興国の電力・通信インフラ需要や、リーマンショック後は順調に生産を伸ばしている自動車向けのワイヤハーネスや、電装用の巻線/マグネットワイヤ向けなどを中心に市場は拡大しており、2013年の市場は前年比5.8%増の19兆6,645億円が見込まれる。
 需要の5割以上を占める電力インフラ向けは新興国のインフラ需要が今後も期待される。また、自動車生産台数の増加と自動車の多機能化による1台当たりのワイヤハーネス使用量の増加により、自動車向けの需要も増大するとみられる。巻線/マグネットワイヤは電子機器や自動車のコイル・モーターなどに採用されており、各製品の生産増に伴って市場が拡大するとみられる。ワイヤ/ケーブルの2017年の世界市場は2012年比15.6%増の21兆4,950億円が予測される。
電線被覆/絶縁材 ワイヤ/ケーブル素材
 電線被覆/絶縁材の市場は、ワイヤ/ケーブル市場に連動して推移する。新興国において電力インフラや通信インフラの整備に積極的な投資が行われており、ワイヤ/ケーブル市場および電線被覆/絶縁材の市場も拡大している。国内市場は、電力会社の投資抑制による電線張り替えの先延ばし、電気・電子製品の海外生産シフトなどにより近年は低調であったが、消費増税前のマンション建設ラッシュなどの駆け込み需要、また2020年の東京オリンピック開催に向けた新設、耐震補強工事といった要因で需要が回復している。
 2013年(見込)の素材別構成比は、PVCが数量ベースで7割弱を占めている。電気絶縁性が良好であり、難燃性を有し、可塑剤の使用によってさまざまな硬度に適応可能であるのに加え、安価であることから、電線被覆/絶縁材の主要材料として採用されている。PEは、絶縁性、柔軟性、耐衝撃性に優れ、環境への配慮などからPVC以外の材料を採用する際に価格面での優位性により選択されるケースが多く、数量ベースの構成比で2割強を占めている。また、絶縁ワニスは、モーターやコイルに使用される巻線/マグネットワイヤの絶縁材料であり、家電、電子機器、自動車、機械、重電など多様な製品に採用されている。2017年においても、採用素材の構成比に大きな変動はなく、PVCとPEが大部分を占めるとみられる。
コネクター基材 コネクター素材
 コネクター基材の市場は、2011年は前年比割れとなったものの2012年は盛り返し、2013年以降も堅実な市場拡大が予測される。
 2013年(見込)の素材別構成比では、PBTが数量ベースで5割以上を占めている。家電を中心に多くの用途で採用され今後も市場は拡大するとみられるが、SMT(表面実装技術)対応が可能なSPSやLCPへの代替も一部で進められている。PA6/PA66は数量ベースで3割を占め、PA6は自動車向け、PA66は電気・電子コネクター向けの需要が多いが、自動車向けではPA6からPA66へ一部で需要がシフトしている。LCPは耐熱性、流動性、SMT対応が可能な性質により、今後もスマートフォン、タブレット用で採用が進むとみられるものの、コネクターの小型化により使用樹脂量が少なくなるため伸び率は鈍化すると考えられる。また、PA6Tは、需要が多い電気電子用コネクター向けは微増にとどまるが、自動車向けでワイヤハーネス用、EV/HVの高圧電源系での採用により需要が拡大している。PA46は、SMT対応が可能であり、部品の小型化・高密度化が実現できるため、LCPの需要を代替しながらiPhone用などで需要を大幅に増加させている。SPSは、主に車載用コネクターで採用されており、低比重で軽量化が可能なため、自動車軽量化の進展に伴いPBTからの代替需要を獲得している。
注目市場
フッ素樹脂
2013年見込2017年予測2012年比
610億円697億円118.1%
 フッ素樹脂は、分子中にフッ素樹脂を含む樹脂の総称であり、PTFE、PVDF、FEP、PFA、ETFE、PCTFE、ECTFE、PVFなどの種類がある。他の絶縁材向け樹脂に比べて高価であるが、耐熱性、難燃性、誘電特性などの性能面で非常に優れているため、規格の厳しい航空機用ケーブルや、自動車向けでは高級車における燃料関連部品周辺のケーブル、難燃性が求められる通信インフラ向けのLANケーブルなど幅広い用途で採用されている。
 航空機、自動車向けを始めとするフッ素樹脂の各用途市場は順調に拡大するとみられる。フッ素樹脂は競合する材料がないため、用途市場の拡大に伴う需要増加が期待され、2017年の世界市場は2012年比18.1%増の697億円が予測される。
内容の詳細につきましては『2014年版 次世代ワイヤ/ケーブル関連マテリアル市場調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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