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『デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2011年版)』まとまる(2011/6/9発表 第11051号)

デジタルAV機器市場の調査を実施

液晶テレビ国内市場
2010年はエコポイント特需で前年比1.9倍の2,450万台
以降特需の反動で縮小し、13年以降拡大に転ずるが15年は10年比54.3%減の1,120万台

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町2−5 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、地上デジタル放送移行で活況を呈するデジタルAV機器の市場を2011年3月から5月にかけて調査し、完全移行後の市場を展望した。その結果を報告書「デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2011年版)」にまとめた。
 この報告書では、テレビ5品目、ディスプレイ3品目、レコーダー/プレーヤー4品目、カメラ5品目、チューナー/STB5品目、ポータブル機器5品目、ホームオーディオ6品目の計33品目のデジタルAV機器の国内市場及び世界市場(世界市場は28品目)を調査分析、展望した。併せてエンターテインメント/情報機器7品目、デバイス/技術/サービス10品目に関しても市場動向を明らかにした。

注目市場
1. 液晶テレビ国内市場(10インチ以上を対象)
 2010年2011年見込2015年予測10年比
10〜19インチ125万台90万台90万台72.0%
20〜29インチ660万台450万台400万台60.6%
30〜39インチ1,420万台700万台470万台33.1%
40〜49インチ205万台65万台120万台58.5%
50インチ〜40万台15万台40万台100.0%
合計2,450万台1,320万台1,120万台45.7%
 2010年の市場はエコポイント制度の延長もあり前年比88.5%増の2,450万台となった。エコポイントが半減する直前の11月には駆け込み需要で前年同月比2.5倍以上の伸びとなった。2011年は、1月〜2月が3月のエコポイント制度終了を控え前年同月比1.2倍超となった。3月以降は東日本大震災の発生により消費意欲が落ち込んでいる。地上デジタル放送完全移行となる7月までは駆け込み需要が期待されるが、需要は前倒しになった反動もあり、8月から急激な減少が予想される。また、大震災の影響による部材不足で製品供給減少も予想されることから、通年では市場は大幅に縮小すると見込まれる。市場は2012年まで縮小が続くが、2013年以降は買替え需要により、堅調な拡大が予想される。
 サイズ別に見ると、2010年はエコポイントの恩恵が大きい40インチ以上の大型製品や低価格化が顕著となった30インチ台の製品が11月まで供給不足になる程大きく伸びた。一方で徐々に20インチ前後の製品の割合が拡大しており、2011年は寝室や子供部屋向けの2台目需要が増加している。
2. BD(Blu-ray Disc)レコーダー/プレーヤーの国内市場
 2010年2011年見込2015年予測10年比
BDレコーダー500万台600万台480万台96.0%
BDプレーヤー30万台60万台140万台466.7%
合計530万台660万台620万台117.0%
 2010年のBDレコーダー/プレーヤーの市場は前年比68.3%増の530万台となった。今後BDレコーダーは2011年をピークに縮小するが、BDプレーヤーは堅調に拡大すると予想される。
 BDレコーダーの市場は2010年にエコポイント制度で急伸したデジタルテレビとのセット購入が増加し、前年比66.7%増の500万台となった。特に駆け込み需要でデジタルテレビが大きく伸びた11月には、BDレコーダーも前年同月比2倍を達成した。2011年は7月までデジタルテレビと共に伸び、8月以降デジタルテレビは減少するが、BDレコーダーは引き続き伸びると見込まれる。BDレコーダーはデジタルテレビと時期をずらして購入されるケースもあり、2011年がピークになると見られる。それでも東日本大震災が発生した影響で東北地方における需要の大幅減や部品工場被災による製品供給の遅れなどが予想されており、大震災前の見通しよりも需要は減少する。
 BDプレーヤーの市場は2010年に前年比2倍の30万台となった。BDレコーダーと比べると市場規模は1割程度と小さいが、好調なデジタルテレビとのセット購入に加え、低価格製品の登場で伸びている。パッケージソフトのDVDからBDへのシフトに伴いプレーヤーのBD化も加速している。低価格化も着実に進んでいるため、2012年にはDVDプレーヤー市場を逆転すると見られる。その後は上位機種のBDレコーダーとの競合も考えられるが、価格差があるため市場には大きな影響はないと見られる。
3. ホームシアターシステムの国内市場
 2010年2011年見込2015年予測10年比
パッケージシステム19万システム25万システム40万システム210.5%
一体型サラウンドシステム49万システム27万システム35万システム71.4%
 ホームシアターシステムで個々のアンプ、スピーカー、サブウーファー等がセット販売されるのがパッケージシステム、アンプ、スピーカー、サブウーファー等が一体となったシステムが一体型サラウンドシステムである。一体型サラウンドシステムにはテレビ台にアンプが内蔵されたラック型と、壁に掛けられたり、テレビ台に設置できたりするワンバー(横棒)型がある。
 パッケージシステムの市場は2010年に19万システムと前年比9.5%減少した。大型のデジタルテレビが伸びたことでテレビ台買い替え時にラック型サラウンドシステムを選択するユーザーが増え、その影響でパッケージシステムの需要が減少した。2011年はデジタルテレビ需要の減少に伴うセット購入の減少に加え、絶対必要なものではないことから大震災の影響や景気低迷により買い控えがあると見られる。しかし、製品供給体制に目立った問題が無く、テレビの薄型化による内蔵スピーカー性能の低下からテレビ購入後に追加購入が期待され、簡易に設置可能な2.1ch(左右のメインスピーカーとサブウーファーの構成)バータイプで実売2〜3万円の低価格な製品が投入されることで市場は拡大すると見込まれる。2012年以降は大型テレビの需要減に伴いラック型サラウンドシステムの需要が減少するが、後付けし易いパッケージシステムの需要は拡大すると予想される。配線の煩わしさのないワイヤレスタイプやイヤフォンジャックでテレビに接続するタイプなど、ラインアップが拡充していることから更なる市場の活性化が期待される。
 一体型サラウンドシステムの市場は2010年に49万台と前年比8.9%拡大した。ラック型は37インチ以上の大型テレビとのセット購入で伸びている。特に家電量販店の安価なオリジナルモデルが好調であった。ワンバー型も各社から安価な製品が投入されている。
 2011年はデジタルテレビが8月以降減少するためセット購入が減少すると見られる。また、テレビ需要が大型から小型へと移行していることからラック型の需要が減少すると見られる。更に大震災の影響から消費マインドも冷え込んでいるため、市場は縮小すると見込まれる。縮小は2012年まで続くが、以降は薄型テレビ買い替えに伴ったラック型の需要が回復に向かうと見られる。但し、パッケージシステムで好調なサブウーファーとバータイプスピーカーをセットにした製品と競合すると見られることから、急激な市場拡大はないと予想される。
内容の詳細につきましては『デジタルAV機器市場マーケティング調査要覧(2011年版)』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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