『2026年 微粉体市場の現状と将来展望』まとまる(2026/10/30発表 第26120号)
微粉体の世界市場を調査 生成AIサーバーやAIデータセンター向け製品の高機能化需要が市場拡大をけん引
- ■2035年予測(2025年比)
- ■微粉体41品目の世界市場 25兆2,199億円(167.1%)
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、エレクトロニクスやライフサイエンス、環境、エネルギーなど、幅広い産業分野で機能付与材料あるいはベース材料として活用され、AIデータセンター向け製品の高機能化などで需要が高まっている微粉体の世界市場を調査した。その結果を「2026年 微粉体市場の現状と将来展望」にまとめた。
この調査では汎用無機7品目、金属・金属酸化物9品目、レアメタル・レアアース8品目、セラミックス6品目、ポリマー7品目、カーボン4品目の微粉体計41品目の市場について、現状を把握し、将来を予測した。また、3Dプリンター用金属パウダーや化粧品用感触付与微粒子など注目の微粉体5品目の市場についても分析した。
- ■調査結果の概要
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■微粉体41品目の世界市場

2025年の市場は15兆934億円となった。半導体分野などでの添加対象の高機能化トレンドや世界経済の成長を背景に拡大しており、2035年の市場は25兆円を超えると予測される。特に近年は、生成AIサーバーをはじめとするAIデータセンター向け製品の高機能化に伴い、微細配線対応、高耐熱や高放熱化、機械的強度の向上などを実現する微粉体の需要が増加している。最先端の半導体や電子部品向けでは、不純物除去や粒径・粒子形状制御など高度なカスタマイズが求められており、使用される微粉体は高単価なため市場拡大をけん引している。そのほか、自動車分野や3Dプリンター関連で使用される微粉体が伸びている。
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■カテゴリー別動向
最も市場が大きいのはカーボン・多孔質である。xEV化の進展に伴い、FCV(燃料電池自動車)に使用される多孔質カーボンや、リチウムイオン電池の導電助剤に用いられるCNT(カーボンナノチューブ)の高い成長が期待される。
汎用無機は、半導体市場の拡大に伴い、研磨工程に用いられるCMPスラリーや各種製造設備の材料として使用される超高純度コロイダルシリカの採用が増加している。また、自動車タイヤ向けでは、環境負荷低減に寄与する素材として既存材料からの代替が進むバイオマス・リサイクルシリカが注目されている。
金属・金属酸化物は、半導体分野において電子部品の導電部に使用される銀ペースト用の銀粉の需要が増加している。供給不足に伴う単価上昇も相まって市場は拡大するとみられる。
レアメタル・レアアースは、EVやデータセンターをはじめとする各種電気や電子分野で使用される酸化ビスマスが鉛フリー化ニーズの高まりで伸びている。また。3Dプリンターを用いた航空宇宙や医療分野での部品成形が本格化しており、チタンなどの需要増加が予想される。一方、中国の輸出規制による調達リスクが懸念されており、2026年は在庫出荷などにより供給が維持されているものの、規制が長期化すれば日本の微粉体メーカーの調達に影響が出る可能性がある。
セラミックスは、新興国を中心とした耐火物向け需要の伸びに加え、LiBや、AIデータセンターの放熱フィラーや半導体製造部品で使用されるアルミナなどが成長している。
ポリマーは、自動車を中心とした国内製造業での3Dプリンター導入の進展でポリアミドの採用増加が期待される。
- ■注目微粉体市場
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1. 3Dプリンター用パウダー(金属パウダー・樹脂パウダー)
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| 2026年見込
| 2025年比
| 2035年予測
| 2025年比
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| 金属パウダー
| 3,411億円
| 149.9%
| 1兆1,400億円
| 5.0倍
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| 樹脂パウダー
| 768億円
| 128.0%
| 3,203億円
| 5.3倍
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幅広い分野で3Dプリンターの需要が高まっており市場は拡大している。
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■3Dプリンター用金属パウダー
金属系材料から造形を行う3Dプリンター用の金属パウダーを対象とする。主な用途である航空宇宙分野ではロケットのエンジン部品などの量産に3Dプリンターが採用されている。2024年から2025年にかけて米国や中国を中心にロケットの打ち上げ数が増加したことに伴い、市場は拡大した。
2026年は宇宙ロケットの打ち上げ数のさらなる増加に加え、米国などを中心に軍事向け需要が急激に伸びている。また医療分野でも、インプラントなど複雑な形状への対応や、患者の身体負担の軽減などを背景に患者ごとに合わせた個別化への活用が進むとみられ、市場拡大が続くと予想される。
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■3Dプリンター用樹脂パウダー
樹脂プリンターのうち、粉末床溶融結合法(PBF方式)に使用される樹脂パウダーを対象とする。PBF方式3Dプリンターは北米や欧州の製造業が先行して導入を進めている。試作品製造での利用が多いが、近年は全体の約3割が最終製品の製造目的で使用され市場拡大につながっている。
2026年以降も、PBF方式3Dプリンターの普及に伴い、世界的に急速な市場拡大が続くと予想される。射出成形などの既存の加工技術を代替するだけでなく、最初から3Dプリンターの使用を前提とした製品設計(DfAM)の広がりが、今後の市場拡大に寄与するとみられる。
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2. 多孔質カーボン
| 2026年見込
| 2025年比
| 2035年予測
| 2025年比
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| 5億円
| 100.0%
| 157億円
| 31.4倍
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FCV(燃料電池自動車)用の燃料電池触媒担持カーボンとして採用されている。また、日本の自動車メーカーがこの製品を使用したFC(燃料電池)システムを外販しており、トラックやバス、フォークリフトなどにも採用が広がり市場は拡大している。現状は日系自動車メーカーの採用が大半を占める。
2026年以降、中東情勢の影響による原油調達リスクを背景にFCV向けでの需要増加が期待される。特にFCVの開発・需要が旺盛な欧州でのさらなる成長が予想される。また、2028年頃には全固体電池、2030年以降にはリチウム空気電池での採用が予想されており、次世代電池分野での採用が長期的な市場拡大に寄与するとみられる。
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3. バイオマス・リサイクルシリカ
| 2026年見込
| 2025年比
| 2035年予測
| 2025年比
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| 330億円
| 137.5%
| 3,617億円
| 15.1倍
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植物由来またはリサイクル由来の原料を活用したシリカであり、主にタイヤ用途で使用される。
大手タイヤメーカーが従来の鉱物由来シリカから、バイオマス・リサイクルシリカへの切り替えを進めており、市場は急拡大している。地域別では中国や北米、欧州、東南アジアの構成比が高い。
環境配慮やサステナビリティへの対応を背景に、各グローバルタイヤメーカーはサステナブルマテリアル比率を2030年までに約40%、2050年までに100%にするという目標を掲げている。今後も日欧米のグローバルタイヤメーカーを中心に需要が増加し、鉱物由来シリカからの置き換えが進むと予想される。
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4. 超高純度コロイダルシリカ
| 2026年見込
| 2025年比
| 2035年予測
| 2025年比
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| 414億円
| 116.6%
| 1,156億円
| 3.3倍
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主に、半導体製造の研磨工程で用いられるCMPスラリーの砥粒として使用される。
半導体市場の拡大に伴いCMPスラリーも需要が増加している。CMPスラリーメーカーやシリコンウェハメーカーが日本に多いため、日本での需要が大きい。先端半導体ではチップの微細化などに伴い多層配線化が進んでおり、低スクラッチかつ高純度な製品の需要が急増している。
2026年以降も各メーカーによる生産力増強や半導体の高機能化などを背景に需要が増加し、市場拡大が続くとみられる。
内容の詳細につきましては『2026年 微粉体市場の現状と将来展望』をご覧ください。
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- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)