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『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻』まとまる(2026/4/21発表 第26042号)

車載電装システム、デバイス市場を調査

2035年世界市場予測(2024年比)
ADAS/自動運転システムは、4兆938億円(2.2倍)
新興国における搭載率上昇、センシングデバイスの多機能化・高度化による搭載個数の増加、高機能デバイスの採用により拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、「カーボンニュートラルの実現」や「事故の低減」といった潮流に変化はない一方で、トレンドが社会情勢によって目まぐるしく変化し、ニーズが多様化している車載電装システムの世界市場を調査した。その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻:システム/デバイス編」にまとめた。
 この調査では、自動車に搭載される主要なシステム21品目を対象に、パワートレイン系、xEV系、走行安全系、ボディ系、情報系に分類して市場の現状を分析し、将来を展望した。また、デバイス&コンポーネンツ16品目の市場についてもその動向を捉え、長期予測を提示した。

注目市場
1. ADAS/自動運転システム
車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻:ADAS/自動運転システム世界市場規模推移グラフ
 ADAS/自動運転システム(以下、ADS)は運転支援や自動運転走行を目的に搭載されており、近年はシステムを構成するミリ波レーダーなどのセンシングデバイスのコスト低下が進んだことや、AEB(Autonomous Emergency Braking)の搭載義務化が各国・地域で推進されたことなどにより、搭載車両の市場投入が大幅に増加している。自動車生産台数に対する搭載率は、2024年時点で先進国を中心に70%程度まで上昇しており、そのほとんどがADAS搭載車両である。今後は、新興国における搭載率上昇、センシングデバイスの多機能化・高度化による搭載個数の増加、高機能デバイスの採用により、市場は拡大すると予想される。
 タイプ別にみると、ADASは日欧米においてはほぼ搭載されている。今後は新興国における搭載率が上昇する。ADSはアイズオフとハンズオフが可能な自動運転レベル3以上の車両を対象とした。搭載車両は商用車がほとんどで、自動車生産台数に対する搭載率は僅かである。自動車市場の停滞や一部地域でのEV政策見直しにより、搭載車両の開発見直しや計画延期も発生している。日本や中国、米国(Teslaを除く)の自動車メーカーから市場投入が期待されるが、高級車両からの展開になるとみられる。
 国・地域別にみると、日本ではレベル3以上の法整備が進み、商用車ではADS搭載のバスやタクシーが一部地域で導入されており、2027年にはトラックが本格導入されるとみられる。乗用車ではホンダ「Legend」が世界初のレベル3に認定されたが、大部分はADAS搭載車両である。欧州ではドイツを中心にレベル3以上の法整備が進んでいる。ADS搭載は乗用車ではMercedes-BenzやBMWが先行投入しており、商用車ではバスやトラックで、特にハブ間輸送への導入が本格化しつつあるが、大半はやはりADAS搭載車両が占める。米国では州単位でレベル3以上の法整備が進み、ADS搭載はタクシーやトラックを中心に急増している。米国メーカーが本格導入を計画する一方、Mercedes-BenzやBMWなど欧州メーカーが先行して市場を形成している。中国ではAEB搭載義務はないものの、EV市場の急速な拡大に伴いADAS/ADSの搭載率が60%超となっている。ADS搭載はタクシーを中心に、急速に増加しており、複数の都市で完全無人商用運用を展開するなど、世界で最も進んでいる。その他、韓国をはじめとしたAEB規制採択国ではAEBの搭載が進んでおり、ADAS市場が着実に形成されている。また、新興国では車両コスト上昇への懸念から多くの国でAEBの搭載義務化に至っていないため、消費者ニーズの増加や安全意識の高まりに伴い、中長期的に市場が拡大していくとみられる。
2. 統合コックピットシステム
2025年見込 2024年比 2035年予測 2024年比
6,427億円 125.2% 1兆6,808億円 3.3倍
 統合コックピットシステムは、単一のコックピットドメインコントローラー(以下、CDC)によって、メーターや、CID(Center Information Display)やHUD(Head-Up Display)の表示情報、ADASやDMS(Driver Monitoring System)などの関連情報を統合的に制御するシステムである。ここでは中央集権型E/Eアーキテクチャー(一部ドメイン型を含む)を採用した車両に搭載される、OTA(Over The Air:無線ソフトウェア更新技術)対応のCDCを市場の対象とした。
 市場は、OTAによる自動車ソフトウェア更新や高度なADAS/ADSを実現するための中央集権型E/Eアーキテクチャーの採用増を背景に拡大している。特に、EVシフトを進めた中国が拡大をけん引している。今後は欧州や日本、北米で本格的に市場が拡大するとみられる。
 国・地域別にみると、日本ではトヨタ自動車(以下、トヨタ)や日産自動車が高級車両やEVを中心に統合コックピットシステムの搭載を進めている。今後は、ミドルクラスの車両への本格的な展開が予想される。欧州ではMercedes-Benzなどの高級車両を中心に搭載が増えており、今後も増加するとみられる。北米ではTeslaやBMWが先行して搭載車を市場投入している。米国自動車メーカーのGeneral Motorsは「Super Cruise」をベースに搭載を増やしているが、次世代車両への本格展開は2028年ごろになるとみられる。中国では2023年以降NoA(Navigate on Autopilot)を搭載したEVを中心に、急速に増加している。高機能化も先行しており、オートパーキング機能搭載車両がすでに市場投入されている。また、2025年にはAI統合型のコックピットシステムも発売されている。その他の国・地域では2G/3Gのセルラー通信が主流で、4Gの普及が遅れているエリアがあるため、通信インフラが発達した韓国などから普及が進むとみられる。新興国ではコストやインフラ整備が課題となっている。
3. HVシステム
2025年見込 2024年比 2035年予測 2024年比
9,966億円 89.6% 1兆6,562億円 148.8%
 HVシステムは、内燃機関と電動モーターの両方を動力源とするパワートレインを持つシステムである。ほとんどの国・地域で低燃費と低価格を同時に実現するHVシステムを搭載したHVの販売台数が大きく増加している。欧米を中心に自動車メーカー各社の電動化戦略に修正が相次いでおり、多くがHVシステム搭載車のラインアップを拡充していることから、市場は長期的に拡大していくと予想される。
 国・地域別にみると、日本ではHV普及が突出している。PHVやEVと比較して安価であることや、トヨタや本田技研工業(以下、ホンダ)などが積極的にHVの普及を進めてきたことが要因であり、今後もHV市場は拡大するとみられる。欧州ではPHVやEVに注力する自動車メーカーが多く、日本や北米に比べるとHVの普及率は低い。しかし、2025年以降にHVに注力する自動車メーカーが出てきていることや、2025年12月にEUにおいて2035年以降にICE(Internal Combustion Engine Vehicle:内燃機関車)の販売を原則禁止する方針を撤回する案が発表されており、HV需要が徐々に増加するとみられる。北米では、トヨタやホンダ、現代自動車、起亜自動車のHV販売が好調であり、また、Ford Motor Companyの販売が大きく増加している。航続距離や長時間充電の問題からHVを選択するケースも多く、今後もHV需要は堅調に増加すると予想される。中国ではEVやPHVの需要が大きいが、2035年以降ICEの販売をゼロにする方針を打ち出していることからHVの需要が増加するとみられる。その他の国・地域では比較的低価格な車両に対する需要が大きいことから、PHVやEVに比べて安価なHVのほうが普及しやすく、将来的には需要が高まっていくと予想される。
調査結果の概要
車載電装システム、デバイス&コンポーネンツの世界市場
  2025年見込 2024年比 2035年予測 2024年比
車載電装システム 57兆4,276億円 113.6% 85兆6,856億円 169.5%
 パワートレイン系 8兆5,004億円 100.5% 8兆6,404億円 102.2%
 xEV系 29兆3,721億円 124.6% 49兆7,248億円 2.1倍
 走行安全系 7兆5,926億円 103.0% 10兆3,761億円 140.8%
 ボディ系 6兆4,596億円 108.0% 9兆4,220億円 157.6%
 情報システム 5兆5,030億円 106.4% 7兆5,224億円 145.4%
デバイス&コンポーネンツ 36兆6,405億円 120.7% 55兆6,570億円 183.4%
 市場データは四捨五入している
 2025年の車載電装システム市場は、世界の自動車生産台数が増加していることから前年比13.6%増の57兆4,276億円が見込まれる。主に電動車生産増加によるxEV系システム、ADAS/ADSの普及や高度化による走行安全系システム、高機能化によるボディ系システムの伸びが寄与し、その他のシステムも伸長して2035年には2024年比69.5%増の85兆6,856億円が予測される。
 パワートレイン系の市場は、内燃機関を搭載した自動車の生産台数にほぼ比例する。今後も内燃機関搭載車両の需要は一定数残るとみられるが、xEVの普及に伴い2030年以降は縮小に転じると予想される。
 xEV系の市場は、各自動車メーカーがカーボンニュートラルの実現に向けて各種xEVの市場投入を続けるため、2035年に向け最も伸びる。EVシステムは、2023年まで各国・地域のEV優遇措置を背景に急伸長していたが、EV優遇措置の終了、寒冷地における二次電池問題、充電時間・インフラ整備の課題により、EVからHVやPHVへと一部需要がシフトしており、伸びが鈍化している。一方、HVシステムは、近年各国・地域でHVの販売台数が増加しており需要が高まっている。
 走行安全系では、自動車の電動化に伴い、ブレーキやステアリングシステムで従来の機械式から電動制御方式へのシフト、物理的な接続を電気信号に置き換えるバイワイヤ技術の採用が増加している。また、ADAS/ADSは、搭載個数の増加、デバイスの高機能化、新興国における搭載率上昇などが期待される。
 ボディ系の市場は、自動車生産台数の増加とシステムの高機能化による単価上昇により拡大していくとみられる。特にボディ制御システムは、E/Eアーキテクチャーがゾーン型ドメインコントローラーへ移行するにつれ制御マイコンの高機能化や高速通信インターフェースへの対応により単価が上昇し、高伸長が予想される。
 情報系では、統合コックピットシステムは、中央集権型E/Eアーキテクチャーの採用増を背景に伸長するとみられる。Head Unit(カーナビ/ディスプレイオーディオ)やメーターシステムは、統合コックピットシステムに統合されていくため縮小すると予想される。車内モニタリングシステムは、搭載義務化や安全評価基準の導入などにより搭載が進み、また、HUDシステムや電子ミラーシステムも搭載が増加するとみられる。
 2025年のデバイス&コンポーネンツ市場は、前年比20.7%増の36兆6,405億円が見込まれる。ADASの搭載の増加や自動車電動化の進展、xEVの生産増などに伴い拡大し、2035年には2024年比83.4%増の55兆6,570億円が予測される。
内容の詳細につきましては『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2026 上巻』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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