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『2025 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』まとまる(2026/2/18発表 第26016号)

通信機器・通信サービスの国内市場を調査 「GIGAスクール構想」「IOWN構想」などの動きにも注目

2030年度国内市場予測(2024年度比)
通信機器 28品目 4兆1,774億円(107.8%)
 通信サービス 22品目 12兆3,633億円(112.2%)
 ユーザーの大容量コンテンツ利用増やクラウド取り組み拡充で関連機器・サービスが伸長
マルチクラウド接続サービス 780億円(4.6倍)
 クラウドサービスへの接続を最適化できることから利用が増加
インフラシェアリングサービス 340億円(187.8%)
 参入企業の増加と積極的な展開により屋内、屋外ともに堅調に拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、個人向けでは高速大容量通信の利用増加、法人向けではSaaSや生成AI、クラウドサービス需要増による広帯域化/安定化ネットワーク構築ニーズ拡大、文教向けの「GIGAスクール構想」などを受けた設備投資の増加などにより、緩やかな拡大を続ける通信機器・通信サービスの国内市場を調査した。その結果を「2025 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧」にまとめた。
 この調査では、通信機器28品目(ネットワーク関連製品12品目、音声関連製品3品目、放送関連製品3品目、会議関連製品4品目、移動体通信端末3品目、移動体通信基地局関連製品3品目)、通信サービス22品目(インターネット接続サービス3品目、移動体通信サービス3品目、固定データ通信サービス8品目、音声関連サービス3品目、その他サービス5品目)の市場について現状を調査し、将来を予想した。また、放送システムのIP化、産業用ネットワークの動向、通信における生成AI活用の影響、また、「GIGAスクール構想」や次世代情報通信基盤である「IOWN構想」への取り組みなど注目ポイントを整理した。

調査結果の概要
通信機器・通信サービスの国内市場
2025 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧:通信機器・通信サービスの国内市場規模推移グラフ
 通信機器では、移動体通信端末がNTTドコモの3Gサービス終了に向けた施策やサービス事業者が取り組むMNP(Mobile Number Portability)ユーザー獲得施策などによる端末買い替え促進や、「GIGAスクール構想第2期」に伴うタブレット端末の需要増などにより、2025年度は大きく伸びている。ネットワーク関連製品はL2/L3スイッチのLAN増設や高速化、無線LAN機器ではオフィスなどでの複数端末利用に際した高速化需要への対応などで好調である。また、市場規模は小さいものの、放送関連機器であるビデオエンコーダー/デコーダーやビデオルーターなども伸びており、2025年度の通信機器市場は前年度比10.1%増が見込まれる。
 今後は、年度によって波はあるものの、「GIGAスクール構想第2期/第3期」に伴うL2/L3スイッチや無線LAN機器、タブレット端末の需要増が期待される。放送関連機器も放送のIP化進展に伴い、順調な伸びが予想される。音声関連や移動体通信基地局関連製品は縮小するものの、他の分野はリプレース需要も取り込み緩やかな伸びが予想される。また、「IOWN構想」の本格化に伴う関連投資の増加も市場拡大を後押しするとみられる。
 通信サービスでは、移動体通信サービスが自動販売機やスマートメーター、車載などをはじめとするモノ向けサービスの成長や、衛星通信サービスが携帯電話サービスのエリア外需要や災害/BCP需要を獲得し伸びている。また、インターネット接続サービスでは個人向けのWebサイトや動画、ゲーム、法人向けのIaaS/PaaSやSaaS、生成AIの利用増加などにより1Gbps超のサービスの利用が増えている。音声関連サービスは縮小が続いているものの、ほかのサービス分野が緩やかに伸びていることから、2025年度の通信サービス市場は前年度比2.2%増が見込まれる。
 今後、移動体通信サービスでは個人向けを中心にコンテンツ利用増加に伴う高容量プランへの移行によりARPU(Average Revenue Per User)向上が進むほか、固定データ通信サービスではユーザー企業が最適なクラウド接続を行うためのマルチクラウド接続サービスの需要が増加し、加えて、移動体通信キャリアのインフラ整備に欠かせないインフラシェアリングサービスなどが伸びることから、市場は緩やかな拡大が予想される。また、継続的な広帯域需要の増加やSASE(Secure Access Service Edge)/ゼロトラスト関連ネットワークに対応したサービスの需要増加も期待される。一方で、閉域網ニーズも底堅いため、当面は閉域網とインターネットのハイブリッド環境の構築に向けた投資も予想される。なお、「IOWN構想」については、主に固定データ通信サービスで取り組みが進んでいる。
注目市場
マルチクラウド接続サービス
2025年度見込 2024年度比 2030年度予測 2024年度比
217億円 129.2% 780億円 4.6倍
 クラウド接続拠点を介して複数のクラウドサービスとの閉域接続を実現するサービスを対象とする。単独サービスとして提供されるケースと、IP-VPNサービスや広域イーサネットサービスなどのオプションとして提供されるケースがある。市場はクラウドサービスとの接続利用料金で捉えた。
 コロナ禍を契機に企業のクラウドサービスへの接続機会が増えたことを受け、セキュアな通信が可能な点や、クラウドサービスへの接続方法や帯域を必要に応じて選択できる点、閉域環境下でクラウドサービス同士の相互接続が実現できる点などにより導入が進んでいる。
 通信キャリアやSIベンダー、データセンター事業者がサービスを提供しており、回線サービスやマネージドサービスとの組み合わせや、保有データセンターサービスとの組み合わせ、SI案件への組み込みなど多様な提供形態がある。
 クラウドサービスへの接続機会の多い大手企業、業種別では金融業や公共機関をはじめ情報通信業や製造業など業務でのクラウド利用が進んでいるユーザーが多い。現時点では複数クラウドサービスの利用を想定した導入は限定的であり、既存のクラウド接続サービスからのリプレースや、将来的な複数クラウドサービス接続を見据えた導入が中心である。接続先クラウドサービスとしては「Amazon Web Services」や「Microsoft Azure」「Microsoft 365」への接続ニーズが高い。
 企業のクラウドサービス利用が増えているため、今後も大幅な市場拡大が予想される。複数クラウド接続を前提とした導入は現時点では一部にとどまっているが、クラウドサービス同士の相互接続や企業による複数クラウドサービスの活用本格化により、このサービス需要が高まるため、当面は高い成長率を維持するとみられる。
インフラシェアリングサービス
  2025年度見込 2024年度比 2030年度予測 2024年度比
屋内向け 68億円 119.3% 121億円 2.1倍
屋外向け 145億円 117.9% 219億円 178.0%
合計 213億円 117.7% 340億円 187.8%
 移動体通信キャリアや移動体通信基盤整備協会以外の事業者が、移動体通信キャリアに対して共同利用できるアンテナや基地局などを設置するための土地や建物、鉄塔などを提供するサービスである。商業施設、オフィスビルなど施設内のネットワーク整備を目的としたサービスを屋内向け、鉄塔・電柱・屋上局など屋外キャリアネットワーク整備のためのサービスを屋外向けとした。市場は提供サービスの利用料収入で捉えた。
 屋内向けは、このサービスのパイオニアであるJTOWERが積極的な事業展開を進め、また、徐々に参入事業者が増えたことから、市場は堅調に拡大してきた。特に2024年度頃から、移動体通信キャリアが屋内向けサービスの設備整備を優先して行っていることから、市場は大幅に伸びている。2025年度は、移動体通信キャリアが営業利益率向上を目的に基地局増設などの設備投資を抑制しているため、このサービスの需要が増えている。2026年度以降も、移動体通信キャリアは人材不足や設備投資抑制の意向から、通信インフラの運用負担削減の取り組みを進め、施設所有者も不動産価値を高めるため通信環境の向上を図ることから、長期的な市場拡大が予想される。
 屋外向けは、屋内向けに先行して市場が拡大してきた。2024年度以降、JTOWERによる大手移動体通信キャリアの鉄塔の移管整備が進んだことや、「大阪・関西万博」の大型イベントなどでサービス利用が進展したことから、市場は堅調に拡大している。今後、参入企業の増加に伴いサービスエリアの拡大が進み、市場は拡大が続くとみられる。
内容の詳細につきましては『2025 コミュニケーション関連マーケティング調査総覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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