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『EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024』まとまる(2023/12/5発表 第23131号)

ゼロエミッション車(EV、水素自動車)向けECU、ECU構成デバイスの世界市場を調査

2040年世界市場予測(2022年比)
ゼロエミッション車向けECU 10兆9,017億円(7.5倍)
ゼロエミッション車の生産台数増加に伴って市場は拡大
燃料電池電解質膜 5,224億円(217.7倍)
FCスタックの構成部品であるため、FCVの普及に伴い2030年以降大きく伸長
UWB/BLE/Dust Networks 1,930億円(28.4倍)
リレーアタック対策として採用拡大。wBMSやボディ系センサーでも需要増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋 TEL:03-3241-3490 社長:田中 一志)は、カーボンニュートラル達成に向けて注目が集まるゼロエミッション車向けのECU、ECU構成デバイスの世界市場を調査した。その結果を「EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024」にまとめた。
 この調査ではゼロエミッション車(EV、水素自動車)向けECU12品目、ECU構成デバイス22品目の市場を分析し、将来を展望した。
水素自動車は、水素エンジン車、燃料電池車(FCV)を対象とする

調査結果の概要
ゼロエミッション車向けECUの世界市場
EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024:ゼロエミッション車向けECUの世界市場グラフ
 2023年見込2022年比2040年予測2022年比
電動システム1兆2,703億円137.6%7兆6,175億円8.2倍
バッテリー/サーマルマネジメントシステム7,250億円135.2%3兆1,342億円5.8倍
水素充填ECU15億円3.0倍1,500億円300.0倍
ゼロエミッション車向け合計1兆9,968億円136.8%10兆9,017億円7.5倍
 ゼロエミッション車向けはEV、水素自動車、その他自動車向けはICEV(内燃車)、HV、PHV向けを対象とし、それぞれトラックとバスを含む。
ICEVはISSV(アイドリングストップ自動車)、12V系、48V系マイルドHVを含む
 2023年の市場は前年比36.8%増の1兆9,968億円が見込まれる。今後ゼロエミッション車の生産台数増加に伴って市場は拡大し、2040年には2022年比7.5倍の10兆9,017億円が予測される。
 電動システムは、環境規制が強まる中で、EVの生産台数が急増していることから市場拡大している。インバーターの規模が大きく、市場をけん引している。非接触充電用受電ユニットは現状、開発・実証実験段階であるが、2026年以降は高い伸びが期待される。各自動車メーカーがゼロエミッション車の比率を高めることを発表しており、引き続き市場拡大が予想される。
 バッテリー/サーマルマネジメントシステムは、ゼロエミッション車の長航続距離化や安全性確保は重要な開発テーマであることから、各自動車メーカーはメインバッテリーの管理とメインバッテリーを含めた電動システムの熱管理に注力しており、今後も大きく伸長するとみられる。
 水素充填ECUは、水素自動車の生産台数と連動した市場である。水素自動車はバスやトラックなどの巡回エリアが比較的定まっている商用車を中心に普及が進み、市場拡大するとみられる。
ゼロエミッション車向けECU構成デバイスの世界市場
EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024:ゼロエミッション車向けECU構成デバイスの世界市場グラフ
 2023年見込2022年比2040年予測2022年比
電動システム関連1兆5,217億円134.3%6兆6,109億円5.8倍
バッテリー/サーマルマネジメントシステム関連2,148億円138.0%1兆1,900億円7.6倍
水素自動車関連1,609億円3.1倍21兆7,364億円423.7倍
その他部品4,057億円133.4%1兆7,842億円5.9倍
ゼロエミッション車向け合計2兆3,031億円140.1%31兆3,213億円19.0倍
 電動システム関連は、システム市場の拡大に伴い、特にマグネットワイヤや駆動用モーター、レゾルバ/回転センサーなどで高い伸びが期待される。
 バッテリー/サーマルマネジメントシステム関連は、システムの搭載に左右される市場であるが、各自動車メーカーがシステム搭載に注力していることから、今後も好調に推移するとみられる。特に、無線チップであるUWB/BLE/Dust Networksで高い伸びが期待される。
 水素自動車関連は、現状、FCVを含む水素自動車の生産台数は少ないものの、各デバイスやコンポーネンツが高価格であるため市場は1,000億円を超えている。今後、水素自動車の生産台数は増加していくため、2040年には2022年比423.7倍の21兆7,364億円が予測され、最も大きな市場規模になるとみられる。
 その他部品は、高電圧ワイヤハーネスと高電圧コネクターなどが市場をけん引し、2040年には2022年比5.9倍の1兆7,842億円が予測される。
注目市場
燃料電池電解質膜
2023年見込2022年比2040年予測2022年比
76億円3.2倍5,224億円217.7倍
 燃料電池電解質膜は、水素と酸素が水に変化する過程で発生する電気をFCVに供給するモジュールであるFCスタックの構成要素の一つで、FCスタックの出力向上などに大きく影響する重要な部品である。
 FCスタックと同様、FCVの生産台数と連動した市場であることから、2024年以降、急速な需要増加が期待される。2027年までは緩やかな推移が予想され、2030年以降市場は大きく拡大するとみられる。
UWB(Ultra Wide Band)/BLE(Bluetooth Low Energy)/Dust Networks
2023年見込2022年比2040年予測2022年比
125億円183.8%1,930億円28.4倍
 低速無線パーソナルエリアネットワークの動作を定義する技術標準規格で、低コスト、低消費電力、高い信頼性とセキュリティが特徴であるIEEE802.15.4に準拠した各無線チップを対象とする。
 電波を通じてキー番号や固有の暗号情報を送り、車両に搭載された受信機で認証することで、ドアの施錠、解錠を遠隔操作できるキーレスエントリーシステムで主に採用されている。2023年の市場は、中国を中心にキーレスエントリーシステム搭載車種が増加していることから、前年比83.8%増の125億円が見込まれる。リレーアタックなどの盗難防止対策にもつながることからキーレスエントリーシステムの採用は増加し、搭載される無線チップも需要が増加するため、今後も安定した市場拡大が予想される。また、今後wBMS(ワイヤレスバッテリーマネジメントシステム)やボディ系センサーでも採用増加が期待される。
BMS
2023年見込2022年比2040年予測2022年比
957億円128.8%5,077億円6.8倍
 LiBを安全制御するためのBMS(Battery Management System)を対象とする。EVの生産台数に連動して市場は拡大している。
 2023年の市場は、半導体不足の落ち着きによる需要回復および排ガス規制を背景とする各国の補助金政策などの施行により、前年比28.8%増の957億円が見込まれる。今後もEVの普及が進むことから市場は拡大し、2040年には2022年比6.8倍の5,077億円が予測される。
インバーター
2023年見込2022年比2040年予測2022年比
5,726億円141.2%2兆4,890億円6.1倍
 メインバッテリーから供給される直流電流を周波数が異なる多相交流電流に変換する装置であり、駆動モーター用と駆動アシストモーター用を対象とする。小型化やEV走行距離を伸ばす高効率化、快適な加速性能を実現する高出力化、厳しい車載環境下での高信頼性が求められる。
 2023年の市場は、前年比41.2%増の5,726億円が見込まれる。排ガス規制強化やESG投資の活性化などを背景とするゼロエミッション車の生産台数増加に伴い市場は拡大し、2040年には2022年比6.1倍の2兆4,890億円が予測される。
内容の詳細につきましては『EV・水素自動車デバイス&コンポーネンツ総調査 2024』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3241-3473(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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