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『2021 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編/ベンダー戦略編』まとまる(2021/12/3発表 第21117号)

ネットワークセキュリティビジネスの国内市場を調査

2026年度予測(2020年度比)
ネットワークセキュリティビジネス市場 8,078億円(142.4%)
ゼロトラストの下、認証やクラウドアクセス、エンドポイント向けのセキュリティ対策が進む
セキュリティスコアリングサービス 78億円(6.5倍)
サプライチェーン攻撃の対策状況を把握するための導入が増え、市場拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、クラウドネットワークへのアクセス環境を強化する非境界型セキュリティやゼロトラストへ注目が集まっているネットワークセキュリティビジネスの国内市場を調査した。その結果を「2021 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧 市場編」「(同)ベンダー戦略編」にまとめた。
 市場編では、セキュリティサービス18品目、セキュリティ製品29品目の市場を分析し、将来を展望した。ベンダー戦略編では、セキュリティソリューションベンダー26社、セキュリティツールベンダー17社の分析を行った。

調査結果の概要
ネットワークセキュリティビジネス市場
 2021年度見込2020年度比2026年度予測2020年度比
セキュリティサービス2,471億円108.0%3,232億円141.3%
セキュリティ製品3,760億円111.1%4,847億円143.2%
合計6,231億円109.9%8,078億円142.4%
 2021年度はクラウドサービスの普及で社外からのネットワークへのアクセスが増えたため、社内・社外ネットワークを問わずセキュリティ対策を行うゼロトラストへの取り組みが加速し、市場は拡大している。また、新型コロナウイルス感染症の流行を契機に、テレワークの普及やデジタル活用・DX推進が加速したことで、新たなセキュリティ課題に対する投資が増えており、市場は前年度比9.9%増の6,231億円が見込まれる。
 今後は、ゼロトラストへの取り組みとして認証強化やクラウドアクセス強化、エンドポイント(ネットワークの末端に接続されている機器や端末)のセキュリティ強化によって従来の境界型から非境界型へシフトする企業が増加するとみられ、2026年度には2020年度比42.4%増が予測される。
注目市場
セキュリティスコアリングサービス
2021年度見込2020年度比2026年度予測2020年度比
20億円166.7%78億円6.5倍
 セキュリティスコアリングサービスは、企業や組織のセキュリティ状況をスコアリングし、セキュリティの脆弱性を可視化するサービスである。
 2021年度は、テレワークの普及でオフィスネットワークのセキュリティや、グループ会社・業務委託先などを攻撃し、それを足がかりにターゲット企業に侵入するサプライチェーン攻撃への対策として自社や他社のセキュリティ状況を把握する需要が高まったことから、市場は伸長している。
 今後は、サプライチェーン攻撃対策状況の可視化による把握を目的とした利用が市場をけん引するとみられる。また、年に1度脆弱性診断サービスを実施してセキュリティ状況をチェックしていた企業が、継続的な確認と客観的な評価を得られるメリットから本サービスの利用を開始するケースも増えており、2026年度は2020年度比6.5倍が予測される。
CSPM/CWPP
2021年度見込2020年度比2026年度予測2020年度比
5億円125.0%23億円5.8倍
 CSPM(Cloud Security Posture Management)は、主にクラウドの設定における不備や脆弱性の有無をチェックすることを目的としたツールである。また、CWPP(Cloud Workload Protection Platform)は、主にクラウド上の仮想マシンやそこで稼働するアプリケーションなどにおけるセキュリティ強化を目的としたプラットフォームである。
 簡単で利用しやすいインターフェースを採用したクラウドの普及が進んでいるものの、詳細な設定や運用管理などはユーザーのみで完結することが難しく、システムの構築などをベンダーに委託するケースが多い。このため、既存の環境から変更する際に設定変更が起き、従来のセキュリティ環境が反映できないといった課題が生じているため、大手企業を中心に導入が進んでいる。2021年度もクラウド利用におけるセキュリティ対策への関心は高く、市場は前年度比25.0%増が見込まれる。
 今後は、クラウドの利用増加やそれに伴うセキュリティ強化への需要の高まりを受け、2026年度に市場は2020年度比5.8倍が予測される。
IDaaS
2021年度見込2020年度比2026年度予測2020年度比
150億円142.9%290億円2.8倍
 IDaaS(Identity as a Service)は、IDをクラウド上で管理するサービスである。
 これまでIDやアクセス管理システムは、社内の情報システムとして構築・運用されてきたが、クラウドサービスやSaaSの利用が一般化し、クラウドへの抵抗感が薄まったため、ユーザーが増加している。また、企業などで複数のクラウドサービスやSaaSを利用するケースが増え、ID管理やシングルサインオン機能の利用を目的に導入するケースが増加している。
 2021年度は、テレワークやクラウド利用の普及、実証案件から本格導入への移行などが増えているため、市場は前年度比42.9%増が見込まれる。
 ゼロトラストにおいては複数のセキュリティツールを組み合わせることが求められており、企業と複数のクラウドの間に設置するセキュリティ対策ツールのCASB(Cloud Access Security Broker)やSWG(Secure Web Gateway)などを導入している企業の利用増加によって、2026年度の市場は2020年度比2.8倍が予測される。
EDR
2021年度見込2020年度比2026年度予測2020年度比
161億円138.8%325億円2.8倍
 EDR(Endpoint Detection and Response)は、エンドポイント(ネットワークの末端に接続された機器や端末)への脅威侵入後の対策として、機器や端末を監視し、不審な挙動の検知や調査を行うものである。
 経済産業省が提唱した「サイバーセキュリティ経営ガイドライン」が2017年に改訂され、侵入後の対策に関する取り組みが訴求されたことで、従業員規模1,000名以上の大手を中心に普及が進んできた。
 2021年度は、ゼロトラストへの取り組みとして、ネットワークの認証やアクセス関連のセキュリティ強化に加え、ネットワークにアクセスしてくる端末のセキュリティを保証する目的の導入が増えており、市場は伸長が予想される。
 また、現在は主要ベンダーが提供ライセンスを数百IDから販売することや、中堅向けに強いSIベンダーが運用とライセンスを受託しているなど中堅・中小企業向けの取り組みも本格化している。今後は、認知度の向上でユーザー層が広がると予想されるため、2026年度に市場は2020年度比2.8倍が予測される。
内容の詳細につきましては市場編ベンダー戦略編をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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