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『ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2021』まとまる(2021/10/14発表 第21098号)

ヘルスケア関連の機器、サービス・システムの市場を調査 ウェアラブル機器の進化とともにサービス・システムが順調に伸びる

2025年国内市場予測(2020年比)
ウェアラブル/ヘルスケア機器、サービス・システム 1兆731億円(66.0%増)
個人、企業・自治体・医療関連向けで需要が増加し、堅調に拡大
ヘルステック 2,042億円(2.1倍)
スリープテックやスポーツテックがけん引。国家戦略も後押し
スマートウォッチ 1,100億円(96.4%増)
健康志向の高まりや認知度上昇を背景に大幅な拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、高齢化社会の進展や健康意識の高まりから需要が増加するとともに、関連機器に加えて新たなサービス・ソリューションが登場している、ウェアラブル/ヘルスケア機器、サービス・システムの市場を調査した。その結果を「ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2021」にまとめた。
 この調査では、ウェアラブル/ヘルスケア関連の機器19品目、サービス・システム12品目、計31品目の市場を「健康管理/増進」「医療関連」「介護関連」「ヘルスケア周辺機器」の4カテゴリーに分類し、現状を調査し、将来を予想した。また、関連機器に搭載されるセンサーなどの注目デバイス/マテリアルの市場について整理した。加えて、AIやIoT、デジタルトランスフォーメーション(DX)の導入により、医療/介護/健康分野のサービス高度化を実現するヘルステックの動向についてもまとめた。

調査結果の概要
ウェアラブル/ヘルスケア機器、サービス・システムの国内市場
 2021年見込2020年比2025年予測2020年比
機器4,403億円112.8%6,798億円174.2%
サービス・システム2,933億円114.5%3,934億円153.6%
合計7,336億円113.5%1兆731億円166.0%
市場データは四捨五入している
ブレインチップ、スマートデバイス、健康管理プラットフォームサービスを除く、ウェアラブル/ヘルスケア関連の機器17品目、サービス・システム11品目、計28品目を対象とした
 2020年は、新型コロナウイルス感染症対策で需要が増えた機器やサービス/システムが多かった。一部では医療機関の予算縮小や企業の健康管理投資の鈍化により苦戦したものの、市場は前年比17.1%増と大きく拡大した。2021年以降は新型コロナ関連の特需は減少するものの、医療機関や法人需要の回復により、堅調な市場拡大が予想される。医療費削減および健康寿命の延伸が求められる中、企業では健康優良法人認定制度の導入により健康経営の意識が高まり、また、自治体では第2期データヘルス計画により医療情報/健診結果の情報などのデータ分析に基づく効果的な保健事業が進められている。今後、企業や自治体、医療機関での健康状態モニタリングやバイタルデータの分析などを活用した機器、サービス・システムの需要が増加するとみられ、2020年から2025年の年平均成長率は10%を超え、2025年の市場は1兆731億円が予測される。
 機器は、ヒアラブルデバイスやスマートデバイスなどの堅調な伸びに加え、新型コロナ対策でパルスオキシメーターや体温計などが大きく伸びたことから、2020年の市場は前年比20%を超える伸びとなった。2021年以降はスマートウェアやスマートウォッチなどウェアラブル機器の伸びが市場をけん引するとみられる。
 サービス・システムは、健康に対する意識の高まりや健康経営へ注力する企業の増加、従業員の健康管理ニーズの拡大に伴い伸びている。2020年は、新型コロナ流行の影響により急速に普及が進んだオンライン医療ソリューションや、遠方に住む家族をケアするための高齢者見守りサービスなどの伸びにより、市場は前年比12.2%増の2,561億円となった。今後も各サービス・システムが伸びるとみられ、2025年の市場は2020年比53.6%増が予測される。ウェアラブル機器から取得したバイタルデータと健診結果を連携させるサービスやAIによるデータ分析/体調のモニタリングサービスなどを導入する企業が増えているため、特に従業員向け健康管理サービスや保健指導支援サービスなどが大きく伸びるとみられる。
カテゴリー別のウェアラブル/ヘルスケア機器、サービス・システムの国内市場
 2021年見込2020年比2025年予測2020年比
健康管理/増進775億円93.4%994億円119.8%
医療関連845億円102.8%997億円121.3%
介護関連2,760億円114.3%3,759億円155.7%
ヘルスケア周辺機器2,957億円123.3%4,982億円2.1倍
合計7,336億円113.5%1兆731億円166.0%
市場データは四捨五入している
 健康管理/増進は、2020年の市場は新型コロナ流行の影響により特需を受けた機器が多く、2021年はその反動で縮小するものの、2022年以降はサービス・システムを中心に堅調な拡大が予想される。
 医療関連は、2020年の市場は新型コロナ流行の影響で血圧計や体温計、パルスオキシメーターを中心に特需が発生したことから、前年比10%以上の伸びとなった。2021年は前年に特需を受けた品目で反動減がみられるものの、オンライン医療ソリューションや電子お薬手帳などの伸びがけん引し、市場拡大が予想される。
 介護関連は、高齢者人口の増加により市場拡大が続いている。介護施設の業務効率化につながるベッドシート型センサーやパワーアシストスーツはIT導入の補助金などの支給が継続されていることから、今後も大幅な伸びが期待される。
 ヘルスケア周辺機器は、現状は音楽鑑賞やゲーム、Webブラウジングなどが主要用途であるが、ヘルスケアでも利用される機器を対象とした。認知度の向上に伴い、今後の市場拡大が期待されるカテゴリーであり、2025年には2020年比2.1倍の4,982億円が予測される。ヒアラブルデバイスは音楽鑑賞を目的に導入するユーザーが多いが、バイタルデータの取得が可能な製品も発売されており、ヘルスケア利用が進むとみられる。スマートグラス/HMDやスマートリングは認知度の向上により、大幅な伸びが期待される。
ヘルステックの国内市場
2021年見込2020年比2025年予測2020年比
1,216億円122.5%2,042億円2.1倍
 ヘルステックは、スリープテック、スポーツテック、ベビーテック、ブレインテック、スキンケアテックを対象とする。
 睡眠改善・支援サービスやベッドシート型センサー、スマートウォッチなどで構成されるスリープテックの市場規模が大きく、2021年は800億円を超えると見込まれる。睡眠計測機能を搭載したスマートウォッチの増加など、睡眠の質向上に関する需要が近年増えていることから好調である。企業では従業員の睡眠の質と生産性の関連が注目されており、従業員向けの睡眠改善・支援サービスの活用が増加しているほか、今後は医療分野でも睡眠データビジネスの広がりが期待される。
 腕装着型デバイスやスポーツ用GPSデバイス、スマートシューズなどで構成されるスポーツテックは、2021年は270億円を超える市場が見込まれる。今まではプロスポーツ現場への導入が中心であったが、2020年に各メーカーからコンシューマー向けスマートシューズが発売され、今後の伸びが期待される。
 ベビー用モニターやベビースケール、授乳室検索システムなどで構成されるベビーテックは、育児のDX化促進などのニーズにより堅調に伸びるとみられる。ブレインテックやスキンケアテックは現状の市場規模は小さいが、基礎研究の推進および参入企業の増加などにより需要増加が予想される。また、国家戦略としてこれらのヘルステックを後押しする施策も期待され、市場拡大の追い風になるとみられる。
注目市場
スマートウォッチの国内市場
2021年見込2020年比2025年予測2020年比
720億円128.6%1,100億円196.4%
 「watchOS」や「Wear OS by Google」などのOSを搭載した腕時計型ウェアラブル端末を対象とした。近年は心拍数の計測機能に加え、心電図機能や血中酸素濃度の計測機能など、ヘルスケア機能が拡充している。
 認知度向上に伴い市場は拡大してきたが、2020年は新型コロナ流行の影響を受けた健康志向の高まりを背景に需要が急増した。2021年以降も健康志向の高まりや認知度拡大を背景に市場は拡大するとみられる。医療機器として承認された製品もあり、ヘルスケアに加えて医療用途での需要増加も期待される。
内容の詳細につきましては『ウェアラブル/ヘルスケアビジネス総調査 2021』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ本社 広報部)

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