- ■2024年度予測(2019年度比)
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- ■ソフトウェア49品目の国内市場 1兆9,889億円(45.0%増)
- 業務システム、コラボレーション、データベースが市場をけん引
- ■電子契約ツール市場 138億円(2.4倍)
- 印紙や送料などのコスト削減、契約締結までのスピードアップを目的に導入が進む
マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、新型コロナウイルス感染症の対応策としてリモートワークが広がる中、非対面でのコミュニケーションや営業活動、顧客サポートの強化を実現するソフトウェア(パッケージ/SaaS)の国内市場を調査した。その結果を「ソフトウェアビジネス新市場 2020年版」にまとめた。
この調査では、カテゴリー別に業務システム16品目、デジタルマーケティング8品目、情報分析3品目、コラボレーション10品目、ミドルウェア8品目、データベース2品目、運用・管理ツール2品目を対象に、パッケージ/SaaSの二つの提供形態別に市場を捉えることでソフトウェアビジネスの現状を明らかにし、将来を展望した。
- ■調査結果の概要
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■ソフトウェア49品目の国内市場(パッケージ/SaaS別)

企業向けソフトウェアの国内市場は2020年度に前年度比9.7%増の1兆5,052億円が見込まれる。
働き方改革や人手不足の解消などの課題解決に向けコミュニケーションの促進や業務の自動化/効率化につながるソフトウェアの導入が進み、市場は拡大している。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策としてリモートワークが広がり、非対面でのコミュニケーションや営業活動、顧客サポートを実現するソフトウェアの需要も増加している。
提供形態別には、初期導入費用の抑制や短期間で稼働可能な点、また、外部サービスとの柔軟な連携性に加え、リモートワークの広がりによりさまざまな拠点からアクセスが可能で、自社でシステム運用する必要がないSaaSの導入が進んでいる。2024年度のSaaS比率は56.2%が予測される。
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■ソフトウェア49品目の国内市場(カテゴリー別)
| | 2020年度見込 | 前年度比 | 2024年度予測 | 2019年度比 |
| 業務システム | 3,801億円 | 107.9% | 4,916億円 | 139.6% |
| デジタルマーケティング | 1,542億円 | 113.1% | 2,263億円 | 166.0% |
| 情報分析 | 769億円 | 108.8% | 1,045億円 | 147.8% |
| コラボレーション | 3,685億円 | 113.2% | 5,232億円 | 160.7% |
| ミドルウェア | 1,436億円 | 109.5% | 1,865億円 | 142.3% |
| データベース | 2,923億円 | 108.4% | 3,557億円 | 131.9% |
| 運用・管理ツール | 896億円 | 103.7% | 1,012億円 | 117.1% |
| 合計 | 1兆5,052億円 | 109.7% | 1兆9,889億円 | 145.0% |
※市場データは四捨五入している
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業務システムは、主要ソフトウェアである大規模企業向けERPや中規模企業向けERP、財務・会計ソフトの需要が堅調に増加している。そのほか、人材活用の課題解決ニーズにより人材管理ソフトや採用管理ソフト、学習管理システムが、また、業務効率化ニーズにより勤怠管理ソフトや労務管理ソフト、経費精算ソフトが伸長するとみられる。
デジタルマーケティングは、新型コロナウイルス感染症の流行により、顧客とのコミュニケーションや営業活動の手段がリアルからデジタルへとシフトしていることから関連ソフトウェアの需要が急増している。
情報分析は、企業の経営環境が大きく変化する中で、データに基づき将来を予測する各マイニングツールの需要が増加している。また、ユーザー自身で迅速かつ柔軟にデータ分析を行うニーズも高まっており、利用が拡大している。
コラボレーションは、働き方改革や新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策によるリモートワークの広がりから業務自動化ニーズが高まっており、グループウェアやワークフロー、ファイル/コンテンツ共有サービス、ビジネスチャット、Web会議などの需要が増加している。特に、Web会議は一般企業をはじめ、官公庁や文教まで幅広い層への導入が進んでいる。
ミドルウェアは、システム開発や業務の自動化/効率化により高速開発支援ツールやWebデータベース、RPAツールやOCRソフトウェアの需要が増加している。
データベースは、デジタル技術を用いた新たなサービス提供を行うため、SaaSの利用が大幅に増加している。
運用・管理ツールは、システムリソース管理やジョブ管理といった基本的な機能を提供するソフトウェアの需要は横ばいである一方、ITサービスマネジメントツールはサポートサービスの効率化ニーズの高まりにより伸長するとみられる。
- ■注目の市場
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■労務管理ソフト
| 2020年度見込 | 前年度比 | 2024年度予測 | 2019年度比 |
| 75億円 | 159.6% | 135億円 | 2.9倍 |
従業員情報や社会保険手続き、入退社などの労務管理業務を一元的に管理できるSaaSを対象とした。
労務管理業務のペーパーレス化や業務効率化を目的に利用が拡大している。2019年度は法改正により資本金が1億円を超える企業を対象に雇用保険や労働保険などの電子申請が義務化され、その対策として導入が進んだ。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策により広がるリモートワークに対応するため、多くの企業で導入が早まったこともあり、市場は拡大した。2020年度も電子申請の対応やリモートワークの広がりにより市場は拡大するとみられる。小規模企業では無料プランの利用が中心であるが、企業規模拡大や利用ツールの広がりから有料プランへ移行するユーザーが増加するとみられる。
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■ビジネスチャット
| 2020年度見込 | 前年度比 | 2024年度予測 | 2019年度比 |
| 168億円 | 129.2% | 312億円 | 2.4倍 |
メールよりも少ない文字数で気軽にテキストベースのコミュニケーションを実現するツールで、提供形態はSaaSを対象とした。
企業内での簡易的かつ円滑なコミュニケーションの達成を目的に導入が進み、市場拡大してきた。PCを利用したメールでのやり取りに加え、スマートフォンで場所を問わず手軽にコミュニケーションが取れるため、多様な従業員規模/業種の企業で利用が拡大している。
近年はコミュニケーションツールとしての利用に加え、業務効率化を目的にAPIを活用して勤怠管理ソフトや人材管理ソフト、経費精算ソフトと連携するなど機能拡張が進んでいる。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策としてリモートワークが広がっているのに伴い、コミュニケーションを円滑に進めるニーズが高まり導入が急増している。2020年度以降もリモートワークを継続して行う企業を中心に活用がさらに進むとみられる。
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■電子契約ツール
| 2020年度見込 | 前年度比 | 2024年度予測 | 2019年度比 |
| 79億円 | 136.2% | 138億円 | 2.4倍 |
さまざまな契約締結における契約書を電子化するツールで、提供形態はSaaSを対象とした。
セキュリティに対する不安や利用する企業間での合意が必要なことなど導入へのハードルは依然として高いものの、近年は印紙や送料などのコスト削減、契約締結までのスピードアップといったメリットから導入を進める企業が増加している。また、働き方改革の推進やリモートワークの広がりにより今後も電子契約ツールの利用が拡大するとみられる。
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■Web会議
| | 2020年度見込 | 前年度比 | 2024年度予測 | 2019年度比 |
| パッケージ | 24億円 | 120.0% | 31億円 | 155.0% |
| SaaS | 200億円 | 129.0% | 334億円 | 2.2倍 |
| 合計 | 224億円 | 128.0% | 365億円 | 2.1倍 |
PCやスマートフォン、タブレットなどを用い、インターネット回線による映像/音声のやり取りや資料の共有などを行うソフトウェアを対象とした。
SaaSはWebブラウザを経由した簡易的なWeb会議サービスを提供するベンダーが中堅/中小企業向けに安価なサービス提供を行っており、多様な業種/用途で活用が広がり市場拡大を続けている。2020年度はリモートワークが増加したことから利用が拡大している。SaaSを中心に大手企業から中堅/中小企業まで利用が進み、市場は前年度比28.0%増が見込まれる。今後も引き続き市場は拡大するとみられる。
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■グループウェア
| | 2020年度見込 | 前年度比 | 2024年度予測 | 2019年度比 |
| パッケージ | 162億円 | 95.3% | 124億円 | 72.9% |
| SaaS | 2,080億円 | 114.9% | 3,020億円 | 166.9% |
| 合計 | 2,242億円 | 113.2% | 3,144億円 | 158.8% |
電子メール、電子掲示板、文書共有ライブラリー、ビジネスチャット、スケジューラー、ワークフローなど企業内での情報共有を目的としたコミュニケーションシステムを対象とした。
企業内でのコミュニケーションや情報共有に必要な機能を一元化し、社内業務や情報共有を円滑に行う目的で大手企業を中心に導入が進み、市場拡大してきた。従来は独自のカスタマイズを加えたパッケージの導入が中心であったが、2015年度頃から導入コストを抑え、システム管理者の業務負担を軽減できるSaaSの利用が急増している。今後も運用・保守における人的リソースの軽減や働き方改革による業務効率化の推進、リモートワークの増加からSaaSを中心に利用が拡大するとみられる。
内容の詳細につきましては『ソフトウェアビジネス新市場 2020年版』をご覧ください。
- ■報道関係のお問い合わせは
- 富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)