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『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017(下巻)』まとまる(2017/5/17発表 第17042号)

センサー情報などを基に車載システムを制御するECU(Electronic Control Unit)の世界市場を調査

2025年の予測
車載ECU世界市場は13兆9,175億円、36億3,866万個。
自動車1台当たりの搭載数や、高処理能力が必要なECUの増加により拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、自動車の電装化が進む中で1台当たりの搭載数が増え、拡大しているECUの世界市場を調査した。その結果を報告書「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017 下巻:ECU関連デバイス編」にまとめた。
 この報告書では、パワートレイン系ECU、HV/PHV/EV/FCV系ECU、走行安全系ECU、ボディ系ECU、情報通信系ECU、スマートセンサー/アクチュエーターの市場を地域別に調査・分析し、今後を展望した。加えて、それらを構成・関連するデバイス27品目の市場についても調査・分析した。

調査結果の概要
1. 車載ECU世界市場
車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017(下巻):車載ECU世界市場規模推移グラフ
 2016年の市場は、8兆1,435億円、19億7,095万個となる見込みである。自動車(乗用車、トラック、バス)1台当たりのECU搭載数や、高処理能力が必要なECUの増加によって2025年には13兆9,175億円、36億3,866万個まで拡大すると予測される。
 エリア別にみると、金額/数量ベースともEU、NAFTA、中国の市場規模が大きい。今後は中国やその他地域の市場規模が自動車生産台数の増加とともに拡大していく。
 分野別にみると、金額ベースの市場で最も高いウェイトを占めるのがボディ系、次いで走行安全系、情報通信系のECUとなっている。ボディ系ECUは、単価は低いが数量ベースの市場の半分近くにあたる9億5,410万個と圧倒的に多いためである。一方、走行安全系ECUは3億2,226万個、情報通信系ECUは2億7,217万個であるが、単価が比較的高いため、ボディ系ECUに次ぐウェイトとなっている。今後、数量ベースの伸び率が高くなっていくのはHV/PHV/EV/FCV系ECUとスマートセンサー/アクチュエーターである。HV/PHV/EV/FCV系ECUは環境対応車の生産台数増加に伴い増えていき、スマートセンサー/アクチュエーターは自動車1台当たりのECU搭載数の増加に伴って搭載場所確保の観点から増加していくとみられる。
 自動車1台当たりのECU搭載数
車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017(下巻):自動車1台当たりのECU搭載数推移グラフ
 自動車1台当たりのECU搭載数は、車種によって大きな差があるものの、2016年に平均21.6個、2025年には同30.4個になると予測される。
 エリア別にみると、日本とEUが他エリアより多い。
 分野別にみると、ボディ系ECUが平均10.5個(2016年見込)と最も多い。ボディ系ECUが自動車1台当たりの搭載数の半分近くを占める。今後もボディ系ECUは増加するが、スマートセンサー/アクチュエーターが大幅に増加するため、自動車1台当たりの搭載数に占めるウェイトは低下する。スマートセンサー/アクチュエーターは、制御機能の分散から増加しており、2025年の搭載数は平均5.4個となり、ボディ系ECUの同13.1個に次ぐ搭載数になるとみられる。
 車載ECU世界市場における要放熱対策ECU市場
車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017(下巻):車載ECU世界市場における要放熱対策ECU市場規模推移グラフ
 2016年の要放熱対策ECU市場は11億4,878万個となる見込みである。全体(車載ECU世界市場)の約6割が何らかの放熱対策が必要なECUとなっている。これは高出力アクチュエーターを駆動させるシステムが増加していることや機電一体化が進んでいることからである。
 例えば、GEM(Gasoline Engine Management System)においてPFI(Port Fuel Injection)からDI(Direct Injection)化が進んでいることによって燃料を噴射させるインジェクターの高圧化が必須となるため、高圧噴射用のパワーデバイスが多く必要となる。さらにそれらを制御するECUはワイヤーハーネス削減の観点からアクチュエーター近傍に搭載されるため、エンジンルームへの搭載が必須となっていく。エンジンルーム内は非常に高温であることから、耐熱対策と高温下における放熱対策も必要となる。
 機電一体化が進んでいる点では、機電一体化によってセンサーやアクチュエーターと一体化したECU搭載が求められる。高熱を発するアクチュエーターにECUを直付けするため放熱対策が必須となる。また、センサーと一体となる場合は高度な信号処理をするICが搭載され、そのIC自体が高熱を発するため放熱する必要性が生じてくる。
 全体に占める要放熱対策ECUの構成比はそれほど変化しないが、数量は大幅に増加していくとみられる。
2. カテゴリー別ECU構成・関連デバイス世界市場
車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017(下巻):カテゴリー別ECU構成・関連デバイス世界市場規模推移グラフ
 2016年の市場は12兆310億円、2025年にはECUの増加とともに拡大し15兆5,143億円が予測される。市場はECU間をつなぐワイヤーハーネス(2016年見込の市場規模は5兆5,268億円)と車載コネクター(同2兆8,059億円)も含んでおり、その2つが市場の大半を占めている。それらを含むその他カテゴリーを除くと半導体カテゴリーの市場規模が大きい。半導体はECUでの信号処理の高度化や制御数の増加によって重要性が増している。それに伴って、ノイズ処理などの回路部品も増加していく。
内容の詳細につきましては『車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2017(下巻)』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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