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『2016 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻)』まとまる(2016/9/9発表 第16074号)

LCD、OLEDディスプレイ、電子ペーパーなどディスプレイデバイスの世界市場を調査

2021年市場予測
大型AMOLEDディスプレイは1,718万枚(3.1倍)、1兆1,686億円(7.8倍)

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、テレビに代わりスマートフォン、スマートウォッチ・ヘルスケアバンド、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)・スマートグラス、車載ディスプレイ、パブリック・サイネージモニターなどが拡大をけん引するディスプレイデバイスの世界市場を調査した。その結果を報告書「2016 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻)」にまとめた。

 この報告書では、ディスプレイデバイス9品目をはじめ、タッチパネル2品目、アプリケーション機器17品目の市場の概要と今後の動向をまとめた。併せて主要ディスプレイ・タッチパネルメーカー11社の事業・製品戦略、設備投資動向などを明らかにした。

調査結果の概要
1. OLEDディスプレイ
  2016年見込 15年比 2021年予測 15年比
全体 1兆6,232億円 128.3% 3兆9,648億円 3.1倍
 大型AMOLED 501万枚 91.1% 1,718万枚 3.1倍
1,920億円 127.4% 1兆1,686億円 7.8倍
中小型AMOLED 3億8,518万枚 140.6% 9億252万枚 3.3倍
1兆4,049億円 129.2% 2兆7,573億円 2.5倍
金額はモジュールベースで算出
 大型AMOLEDはTV、PCモニター、ノートPC、タブレット端末、パブリック・サイネージモニター向けを対象とした。2015年はTV、タブレット端末向けが市場の大半を占めた。TV向けは前年同様ハイエンド機種中心の出荷となった。出荷数量は全体の一割程度である。一方、タブレット端末向けは引き続きSamsung El.のハイエンド機種に搭載され増加した。
 2016年は、TV向けは増加するが、タブレット端末向けは減少する。Samsung Displayは好調な「GalaxyS6 edge」や「Galaxy」シリーズでの採用率の上昇に伴い、スマートフォン向け中小型AMOLEDの出荷を増加させており、タブレット端末向けの生産能力が不足している。
 2015年からはパブリック向け、2016年にはノートPC向けの出荷が開始され、将来的にはPCモニター向けも計画されるなど、今後出荷数量の増加が期待される。各社とも用途拡大を進めてはいるものの、LCDとの競合から、コストダウン、歩留まりの低下が最優先課題となっている。
 中小型AMOLEDは大型AMOLED以外とした。先行したSamsung Displayが自グループのSamsung El.のスマートフォンを中心に出荷を伸ばし、市場拡大をけん引してきた。同社は2015年にパネル外販を強化し、中国スマートフォンメーカーを中心に採用を獲得した。特に、2015年から2016年かけてOPPO、vivoなどのAMOLED搭載機種が好調であったことや、Appleが搭載機種開発の方針を打ち出したことから、中国スマートフォンメーカーの間でAMOLED搭載に対する関心度が高まっている。
 また、2015年は「Apple Watch」が投入され、スマートウォッチ市場が本格化したことも市場の拡大の要因となった。AMOLED搭載のスマートウォッチは「Apple Watch」と「Galaxy Gear」シリーズがあり、ともにプラスチック基板を採用している。このうち「Galaxy Gear Fit2」ではフィルムセンサーと組み合わせることで、湾曲ディスプレイを実現している。
 2016年は、スマートフォン向けは採用率の上昇、「Galaxy」シリーズの販売復調などを背景に、出荷数量の増加が続くとみられる。スマートウォッチ向けについても、前年ほどのインパクトはないものの、「Apple Watch」の販売増に伴い、出荷数量が増加するとみられる。
 今後は2017年後半にAppleへ供給が開始され、2018年には「iPhone」のフラッグシップモデルに搭載されるとみられることや、Samsung Display以外のパネルメーカーで生産技術の確立、量産が進むことから、市場は拡大が続くと予想される。
2. LCD
  2016年見込 15年比 2021年予測 15年比
全体 9兆4,711億円 79.4% 8兆4,961億円 71.2%
 大型TFT 7億7,889万枚 91.4% 7億3,452万枚 86.2%
6兆8,213億円 78.7% 5兆8,833億円 67.9%
中小型TFT 18億4,761万枚 95.0% 16億1,005万枚 82.8%
2兆5,610億円 81.1% 2兆5,449億円 80.6%
金額はモジュールベースで算出
 大型TFTはTV、PCモニター、ノートPC、タブレット端末、パブリック・サイネージモニター向けを対象とした。2015年はPCモニター、ノートPC、タブレット端末向けの出荷が低迷し、市場は数量ベースで前年比縮小となったが、金額ベースでは円安の影響で拡大となった。
 2016年はTV向けがセット需要の頭打ちと、2015年後半に実需を上回る数量が出荷された反動で、出荷数量が減少に転じる。PCモニターやノートPC向け出荷数量も引き続き減少するほか、タブレット端末向けはスマートフォンの大型化に起因するセット需要の減少が進行しており、大幅な減少となる。従って、市場は数量ベースで前年比縮小、金額ベースではTV向けの大型サイズや4Kパネルの低価格化に加えて円高の影響もあり、さらに大きな縮小が見込まれる。
 2017年以降、TV向け出荷数量は微増するが、PCモニター向け、ノートPC向けは微減、タブレット端末向けも漸減する。パブリックモニター向けは好調が続くが、大型TFT全体として市場は数量、金額ベースともにわずかな縮小が続くと予想される。
 中小型TFTは大型TFT以外とした。フィーチャーフォン、DSC、MP3プレーヤー向けなどが減少する中、ここ数年はスマートフォン向けが市場拡大をけん引してきた。しかし、2015年は在庫増大による生産調整のほか、AMOLEDの採用拡大の影響もあり、スマートフォン向けの出荷数量は低調な伸びにとどまった。その結果、他用途向けのマイナスを補うことができず、市場は数量ベースで縮小となった。
 2016年はセット需要が低迷しているほか、AMOLED採用の勢いが増しており、スマートフォン向けの出荷数量は減少に転じる。車載ディスプレイ向け、スマートウォッチ向けの出荷は好調が続いているが、市場は引き続き前年割れが見込まれる。
 今後は車載ディスプレイ向けで安定した出荷拡大が続くが、スマートフォン向けは横ばい、他用途向けの多くは減少し、市場は数量、金額ベースともに縮小が続くとみられる。
3. 電子ペーパー
  2016年見込 15年比 2021年予測 15年比
全体 5,047万枚 104.0% 1億60万枚 2.1倍
588億円 84.0% 704億円 100.6%
 ここでは電気泳動方式(マイクロカプセル・マイクロカップ型)の電子ペーパーを対象とした。2015年の市場は数量ベースでわずかに拡大したが、金額ベースでは価格の下落、為替変動の影響で縮小した。用途別では2014年に続き電子棚札向けが数量ベースの半数以上を占めた。
 電子ペーパーは薄さ、軽さ、電源を切っても表示が維持される機能、低消費電力、反射光表示、視野角の広さ、一定のフレキシブル性など、液晶にはない長所をいかしてさまざまなアプリケーションへの提案が行われている。用途は物流タグ、旅行タグ、椅子など家具、楽器などへの組み込みなどと広がっており、市場は数量ベースでは拡大するとみられる。一方、金額ベースでは用途が広がり単価が下落しているため当面縮小するが、出荷数量の増加とともに、次第にプラスに転じると予想される。電子書籍リーダー向けは普及が一段落していることから出荷数量は横ばいとみられる。主にクレジットカードなどのICカード、物流タグ、航空用手荷物ラベル用途などで需要拡大が期待される。
内容の詳細につきましては『2016 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻)』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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