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『2016 次世代カードソリューション/電子マネー関連ビジネス市場調査要覧』まとまる(2016/8/9発表 第16065号)

東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年に向けてキャッシュレス決済が加速
カードソリューション/電子マネー関連ビジネスの市場を調査

2020年国内市場予測(2015年比)
非与信決済カード(ブランドプリペイド、ブランドデビット、サーバー管理型ギフト)が大幅に伸びる
カードソリューション(リアル/ネット決済) 113兆9,645億円(57.4%増)
政府主導のキャッシュレス決済推進、インバウンド需要に対応したインフラ整備により拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、キャッシュレス決済の増加を受けて活性化している決済/認証ソリューション、カードアプリケーションおよび関連製品の市場(国内市場。一部品目については世界市場)を調査した。
 その結果を報告書「2016 次世代カードソリューション/電子マネー関連ビジネス市場調査要覧」にまとめた。
 この報告書では、カードソリューション22品目、カードアプリケーション18品目、カード関連製品20品目について市場動向を分析し、将来を予想した。

 国内外を問わないキャッシュレス決済の普及加速を背景に、Fintechサービスやウォレットサービス、ハウス型電子マネーなど、新たな決済サービスの登場に伴いさまざまな業種から参入が相次いでいる。今後、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年に向けてキャッシュレス決済のインフラ整備も急速に進むとみられ、インバウンド需要やマルチ決済化への対応、決済端末のIC対応義務化、マイナンバーカードの普及に伴う公的/民間サービスの展開などにより、さらなる市場の活性化が期待される。

注目市場
非与信決済カード市場
 2015年2020年予測2015年比
ブランドプリペイドカード1,250万枚3,600万枚2.9倍
ブランドデビットカード250万枚970万枚3.9倍
サーバー管理型ギフトカード1億枚2億2,000万枚2.2倍
 非与信決済カードの需要が学生や専業主婦、高齢者を中心に、クレジットカードの代替で増加している。
 ブランドプリペイドカードは、ポイントサービスとの親和性が高く、Fintechサービスとの連携も期待され、クレジットカード会社や携帯電話キャリア、流通系事業者など、多くの事業者が参入している。従来型のポイントカードに決済機能を付帯して顧客の囲い込みが可能なため、今後も新規参入が予想される。Fintechサービスとの連携による決済/サービス享受の迅速化や資産管理の簡素化、ポイントの発行、プリペイド型の安全性などの要因による利用者の伸びに伴い、発行枚数は大幅に増えるとみられる。
 ブランドデビットカードは、既に欧米では一般的に普及しており、国内でも金融機関やクレジットカード会社が利用者の裾野拡大を目的に展開しており、市場は急速に拡大している。今後もクレジットカードを所有できない層を中心に、キャッシュバックなどのメリット訴求を進めることにより、利用者は順調に増加するとみられる。同カードでの決済利用を可能とすることで預金者増加を図る各行の方針から、サービス提供銀行の継続的な増加が予想される。金融庁の規制緩和によりスーパーのレジなどで預金引き落としができるサービスも想定され、市場拡大の後押しとして期待される。
 サーバー管理型ギフトカードは、発行会社の商品のみ購入できるハウス型、全国の対応店舗で利用可能な汎用型がある。国内ではPOSA対応カードを陳列したギフトカードモールがコンビニエンスストアやスーパーに設置され、認知度向上と共に市場が拡大した。デジタルコンテンツや、スマートフォンゲーム内で課金サービスに利用できる種類のカードの需要が大きい。また、ECサイトの券種も市場拡大を後押ししている。ハウス型は飲食店や小売店で販促ツールとして顧客の囲い込みや、レジ業務が効率化するため業種を問わず導入企業が増えており、今後の市場拡大が期待される。
個人番号カード(マイナンバーカード)
2015年2020年予測2015年比
700万枚800万枚114.3%
 2015年10月に制定された「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に基づいて通知された番号を元に申請により取得できるICカードである。2016年に発行枚数が大きく伸長し、その後は順次導入案件に合わせて年間数百万枚から一千万枚超の発行が予想される。  現時点では、身分証明書や公的サービスを利用する際の電子申請手続きでの用途が中心である。コンビニエンスストアでの住民票の写しなどの交付サービスが進んでおり、今後はCATV事業者や医療・福祉関連事業と連携した公的サービスにも拡大する可能性がある。また、クレジットカードなどの金融カード、診察券やポイントカードとのワンカード化に向けたロードマップについても政府主導で検討されている。
クラウド型決済プラットフォーム【決済ソリューション】
2015年2020年予測2015年比
100億円980億円9.8倍
 顧客情報処理をセンター側で行うシンクライアント型/クラウド型のシステムで提供される決済プラットフォームサービスを対象とする。市場はシステム導入売上(専用決済端末/インフラ構築)と決済センター利用による手数料収入とした。従来型のカード決済端末と比べてイニシャルコストが低減できるため、小規模店舗からチェーン店舗まで、新規加盟店の開拓やリプレース需要が期待される。
 2015年は大手ガソリンスタンドへの導入拡大や、スーパーやドラッグストアなど加盟店のPOS端末に直接接続する電子マネー決済端末が好調で大きく伸びた。今後も従来型のカード決済端末を展開してきた大手事業者の本格参入、拡張性の高さによる複数の電子決済を一括で処理する端末としてのニーズの獲得、政府の方針による加盟店の決済端末ICカード対応の義務化によるリプレース需要などにより、大幅な市場拡大が期待される。また、マルチ決済端末の導入やFintechサービスとの連携で市場はさらに活性化するとみられる。
ネット決済代行サービス【決済ソリューション】
2015年2020年予測2015年比
630億円1,110億円176.2%
 インターネットを介して物販やデジタルコンテンツ、オークション、フリーマーケットサービスなどの電子商取引(EC)や公共料金の支払いで課金・決済処理を代行するサービスを対象とする。ECの取引拡大に伴い決済システムの外部委託ニーズが高まっており、決済事業者やコンシューマーとの金銭取引負担の軽減や、複数のクレジットカード会社と一括して加盟契約を結ぶ加盟代行サービスが受けられることもあり、需要が増加している。
 スマートフォンを利用したECの普及に伴い決済関連業務のアウトソーシング需要は増加しており、今後も市場拡大が予想される。顧客の決済多様化ニーズに対応するため同サービスを利用する企業も多く、近年は地方自治体の税金徴収で利用が拡大しており、今後も期待される分野である。また、デジタルコンテンツ販売など従来のBtoC向けに加え、2015年頃からはフリーマーケットアプリの普及もあり、CtoC向けでも利用が拡大している。今後は訪日外国人向けのマルチ決済サービスの展開やマイナンバーカードとの連携などにより、新たなサービスの展開も期待される。
調査結果の概要
カードソリューション(リアル/ネット決済)市場
 2015年2020年予測2015年比
全体72兆4,021億円113兆9,645億円157.4%
 磁気ストライプカード決済50兆7,920億円73兆450億円143.8%
電子マネー決済5兆3,700億円7兆9,435億円147.9%
Pay−easy14兆8,000億円31兆4,000億円2.1倍
磁気ストライプカード決済、電子マネー決済、Pay−easyは全体の内数
 磁気ストライプカード決済、電子マネー決済、特定用途プリペイドカード決済、Pay−easy、ポイントサービスを対象とし、市場は決済額とした。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて政府主導でキャッシュレス決済を推進しており、大幅な伸びが予想される。訪日観光客やインバウンド需要に対応したインフラ整備が国内のキャッシュレス決済の追い風になるとみられる。
 磁気ストライプカード決済は、加盟店の決済端末IC対応義務化が安心感につながり利用が増加することや、インバウンド需要の高まり、決済手段の多様化/浸透などにより、大きく伸びるとみられる。また、ブランドプリペイドカードの普及が進んでおり、クレジットカード以外の決済手段の利用が進むとみられる。
 電子マネー決済は、1,000円前後の少額決済を中心に広まってきたが、近年は利用先の広がりやクレジットカード一体型の普及などにより1件当たりの決済単価が上昇している。今後は金融向けカードとの一体化で後払いするポストペイ型の市場も拡大が予想される。海外でも電子マネーは普及しており、訪日外国人の国内での利用促進のためのインフラ整備も進むとみられる。
 公共系の決済サービスではPay−easyが大きく伸びている。納付税目も拡大しており、導入先の自治体が増加しているため、さらなる市場拡大が予想される。
認証ソリューション市場
 2015年2020年予測2015年比
全体692億円843億円121.8%
 勤怠管理システム106億円155億円146.2%
デバイス認証ソリューション97億円131億円135.1%
勤怠管理システム、デバイス認証ソリューションは全体の内数
 電子認証サービス、ワンタイムパスワード、デバイス認証ソリューション、ID管理ソリューション、勤怠管理システム、入退出管理システムを対象とする。セキュリティ強化のため複合型のサービス/システム提供が進められており、競合関係にあった認証技術が組み合わせで利用されるケースも想定され、市場拡大が予想される。
 勤怠管理システムは、パッケージ型(ライセンス費用)とクラウド型(初期費用や定期費用)を対象とした。政府主導で過重労働の撲滅や働き方改革、休暇取得の促進などの取り組みが強化されており、出勤状況や勤務時間、残業時間、有休取得などが管理できることから需要が増加している。中小規模事業者を中心に導入/運用が容易なクラウド型の利用が増えるが、中堅規模以上では勤務形態や就業規則に合わせたスクラッチ型も堅調な需要増加が予想される。加えて、クラウド型は海外拠点や海外出張時の勤怠管理ニーズへの対応が期待される。また、メンタルヘルス対策の強化も市場拡大の追い風になるとみられる。
 デバイス認証ソリューションは、認証カードと、指紋認証や静脈認証、顔認証などのバイオメトリクス製品、デバイス認証を管理/強化するソフトウェアであるデバイス認証ツール、USBトークンを対象とした。認証カードのセキュリティ強化を目的に、生体認証と組み合わせた2要素認証の取り組みが進んでいる。特にマイナンバーカードでは、パスワードと顔認証などのバイオメトリクスを採用するケースが急増している。複数要素認証の拡大や新製品の投入の増加などにより、今後も市場拡大が予想される。
内容の詳細につきましては『2016 次世代カードソリューション/電子マネー関連ビジネス市場調査要覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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