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『2013 イメージング関連市場総調査』まとまる(2013/7/5発表 第13051号)

スマホ・タブレットとの連携、ネットワーク対応、非民生分野での技術応用が鍵
カメラ以外も広がる光学機器と光学関連デバイス世界市場を調査

エリアイメージセンサー市場 2018年予測(2012年比)
42億個(50%増) 監視・車載カメラ向け好調。一眼レフフルサイズ採用、携帯電話高画素化進む

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2013年4月から5月にかけてデジタルカメラを始めとした各種光学機器と、これに関連するデバイス、モジュール、材料、装置の世界市場を調査した。

 この調査では、デジタルカメラ、情報通信関連機器などアプリケーション(19品目)、イメージセンサーなど半導体デバイス(5品目)、カメラモジュールなど光学モジュール(6品目)、レンズユニット、フィルターなど光学デバイス(7品目)、レンズ用樹脂材料、光学薄膜装置など光学デバイス製造関連製品(9品目)の各市場について、現状を分析し今後を予測し、その結果を報告書「2013 イメージング関連市場総調査」にまとめた。

注目アプリケーション世界市場
 アプリケーションにおいては、スマートフォンがその他のデジタル機器に与える影響は年々大きくなっている。デジタルスチルカメラとの競合はあるものの、現在ではスマートフォンと連携した新しい価値創出に取り組む動きが進んでいる。具体的には、通信機能の付与、クラウド対応などのネットワーク対応であり、これをうまく取り込むことで、新たな市場の開拓が期待される。また、FA、車載、医療、セキュリティなどの非民生分野の新しいニーズに光学関連技術を活用して応えていくことで、業界全体の発展に繋がると考えられる。
1. レンズ交換型カメラ
 2012年2018年予測12年比
ミラーレス一眼カメラ475万台850万台178.9%
デジタル一眼レフカメラ1,582万台1,750万台110.6%
 ミラーレス一眼カメラは、コンパクトデジタルスチルカメラとデジタル一眼レフカメラの中間に位置付けられるレンズ交換型カメラで、製造に高い技術を要するミラーボックスを持たない構造のため、デジタル一眼レフカメラと比べて開発しやすく、2008年に投入されて以降企業の参入が相次いでいる。
 主な需要は日本を含むアジア地域で、日本では小型・軽量という特徴がライトユーザーや女性ユーザーに受け入れられ市場が拡大している。東南アジアなども需要特性が日本に近いため受け入れられつつあるが、中国では高級志向が高くデジタル一眼レフカメラの方が人気を集めている。欧米ではミラーレス一眼カメラの認知度が低く、特に北米では小型軽量ニーズも小さいことからデジタル一眼レフカメラからのシフトが起こっていない。これらの地域でのデジタル一眼レフカメラの需要を取り込むために、最大の違いであるファインダーの高機能化が求められており、電子ビューファインダーの高解像度化が進んでいる。
 2012年は前年比67.8%増の475万台となった。日本国内についてはある程度普及したと見られ、今後は日本以外の市場の開拓が必須となる。2013年以降は市場拡大のペースは落ち着くものの、2018年には2012年比78.9%増の850万台が予測される。
 デジタル一眼レフカメラ市場は、2011年のタイの洪水による減産の反動で、2012年は各メーカーが増産し前年比25.0%増の1,582万台と大きく拡大した。しかし、先進国での需要の落ち着きとミラーレス一眼カメラとの競合により、2013年以降の市場拡大は緩やかになると見られる。アジアを中心とした新規ユーザーの獲得と、普及が進んだ先進国での買い替えを促せるようなデジタル一眼レフが求められており、サイズの大きいエリアイメージセンサーを採用したフルサイズ機が登場している。2012年からは需要喚起の一環として低価格なフルサイズ機の投入も続いている。
2. ヘッドマウントディスプレイ
2012年2018年予測12年比
12万台400万台33.3倍
 ヘッドマウンドディスプレイは、頭部に装着し目前に投影された映像等の情報を視聴するディスプレイである。映画などの映像視聴を目的としたものと、情報の収集と提示を目的としたものに分けられる。
 2012年までは映像視聴を目的とする製品が投入されていたが、近年では移動中に使用しSNSや拡張現実(AR)などによる周辺情報の収集や提示を行う製品の開発が進んでおり、特にネットとの連携による情報サービスの提供が期待される。2015年までにGoogle「Google Glass」が発売されることで、これ以降本格的な市場形成が進むと見られる。将来的にはスマートフォンに代わる用途も想定されるが、2018年までは周辺機器の領域に留まると予想される。
 ヘッドマウントディスプレイには、これまでモバイル機器への搭載で培われた技術やデバイスが詰め込まれている。特にスマートフォンの普及により、各デバイスの小型化低価格化が進んでおり、Bluetooth、GPS、骨伝導、音声認識などのインターフェースの搭載が期待される。また、ヘッドマウントディスプレイは、小型ディスプレイに映像を投影するため、電子ビューファインダーなどの技術が活用されている。電子ビューファインダーはミラーレス一眼カメラへの搭載で高機能化が進んでおり、ヘッドマウントディスプレイの技術向上への寄与も期待される。
注目デバイス世界市場
 デバイス市場はスマートフォンとタブレット向けが牽引し、2012年の3兆1,470億円から2018年には3兆6,224億円に拡大すると予測される。エリアイメージセンサーを中心とする半導体デバイスや小型カメラモジュールを中心とする光学モジュールの市場が拡大している。一方、レンズユニットなどを中心とする光学デバイスは数量ベースでは拡大が見られるものの低価格化の進行により金額ベースでは縮小している。
1. エリアイメージセンサー
2012年2018年予測12年比
28.1億個42.2億個150.2%
 2012年のエリアイメージセンサーの市場は、数量ベースでは前年比18.1%増、金額ベースでは同5.9%増の7,064億円となった。スマートフォンやタブレット向けが市場を牽引しており、市場は小さいが監視カメラや車載カメラ向けなども大きく伸びている。今後はコンパクトデジタルスチルカメラ向けの需要減少が予想されるものの、スマートフォンとタブレット向けに、監視カメラや車載カメラ向けの実績が上積みされることで市場が拡大し、2018年には42.2億個が予測される。
 エリアイメージセンサーはCCDとCMOSに分かれる。以前はCCDが採用されていたが、CCDと比較しコスト面で優位なCMOSイメージセンサーが携帯電話向けに採用されたことで小型化が進み、ゲーム機、パソコン、タブレットなど様々なアプリケーションへの採用が広がっている。今ではデジタルスチルカメラと監視カメラを除いたほとんどのアプリケーションでCMOSに切り替わっている。
 携帯電話向けではスマートフォンでの高画素カメラの増加に伴って、8メガや13メガピクセルなどの高画素なエリアイメージセンサーの採用比率が上昇している。また、ローエンドのスマートフォンでも3.2メガから5メガタイプへセンサの高画素化が進んでいる。
内容の詳細につきましては『2013 イメージング関連市場総調査』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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