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『2013年 中国プラスチックフィルム・シート市場の展望』まとまる(2013/12/18発表 第13091号)

中国のプラスチックフィルム・シート市場を調査

2012年は728万トン(前年比6.1%増)、2015年は861万トン(2012年比18.3%増)に成長
注目市場
PCシート〜LED照明の拡散板用途に期待
LiBセパレーター〜EV用途での需要拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、2013年6月から10月にかけて、中国現地法人である北京凱美莱信息咨詢有限公司と連携して、中国におけるプラスチックフィルム・シート市場の調査を行った。その結果を報告書「2013年 中国プラスチックフィルム・シート市場の展望」にまとめた。
 この報告書では、中国における食品、医薬、農業、建築、電気・電子などの各種産業におけるプラスチックフィルム・シートの生産と需要の動向を把握するため、原反フィルム・シート17品目、機能フィルム11品目について現状を分析し今後を予測した。加えて、中国参入企業の概要についても整理した。

調査結果の概要
中国のプラスチックフィルム・シート市場(中国国内需要)
 2012年2015年予測2012年比
原反フィルム・シート623万トン732万トン117.5%
機能フィルム104万トン130万トン125.0%
合計728万トン861万トン118.3%
数字は四捨五入して万トン単位にしているため必ずしも合計と一致しない。
 中国プラスチックフィルム・シートの2012年の市場は、前年比6.1%増の728万トンとなった。浙江省、江蘇省、広東省などの沿岸部での生産が中心となっている。経済状況などにより変動する可能性があるものの、2015年の市場は、2012年比18.3%増の861万トンが予測される。
 原反フィルム・シートは、前年比6.1%増の623万トンとなった。2015年の市場は2012年比17.5%増の732万トンが予測される。農業用PEフィルムが全体の36%を占めている。次いでPETフィルムやA−PETシートの構成比が高い。PET系フィルムは、包装材料用途、工業材料用途で一定の需要がある。他には、食品、洗浄用品、薬品などの包装で使われるL−LDPEフィルム(シーラント用)、導光板や拡散板などの光学用途で需要が多いPMMAシートの構成比が高い。PCシートは、建材用途やLED用途で市場拡大が期待されている。
 機能フィルムは、前年比5.1%増の104万トンとなった。工業製品、物流、農業(牧草の保管)に使われるストレッチフィルムが38%を占めている。シュリンクフィルムは、食品・飲料用途がビールや飲料などの市場拡大に伴って需要が増加している。上記2品目に包装用アルミ蒸着フィルムを加えた3品目で機能フィルム市場の90%を構成している。今後は、LiBセパレーターやITOスパッタリングフィルムなどの電子材料関連の市場拡大も加わり、2015年の市場は130万トンが予測される。
 日本からは中国に対して10万トン以上のプラスチックフィルム・シートの輸出を行っており、特にPETフィルムなどの輸出量が多い。また、PETフィルム、容器用シート、ONYフィルム、電子材料用フィルムは現地生産化も進められている。
注目市場
原反フィルム・シートにおける注目市場(中国国内需要)
 2012年2015年予測2012年比
PCシート40万トン55万トン137.5%
EVAフィルム11万トン14万トン127.3%
PETフィルム100万トン130万トン130.0%
 PCシートは、75%を占める建築・建材用途が一時期よりも成長が鈍化しているものの、LED照明の拡散板の用途で高成長が期待できる。また、広告看板用途でも一定の需要があるとみられ、2015年の市場は55万トンが予測される。
 EVAフィルムは、中国では、雨具、テーブルクロス、シャワーキャップなどの生活用品、衛生用品、包装用途や、野菜や花き栽培のハウス用フィルムでの農業用途が多い。2012年の市場は11万トンとなった。今後は農業用途の安定した需要に加え、生活用品や衛生用品などでの需要拡大がけん引し、2015年は14万トンが予測される。
 PETフィルムは、包装用途として印刷複合包装やアルミ蒸着真空パック、絶縁フィルムやテープなどの電気・電子部材用途、太陽電池用途など幅広く採用されている。今後は、LCDの拡散フィルムや反射シートなどの光学用途も期待され、2015年には130万トンが予測される。ただし、需要は増えているものの、PETフィルムの生産能力は設備過剰の状況が続いており、価格競争の激化のため参入事業者が赤字経営に陥っているケースもみられる。
内容の詳細につきましては『2013年 中国プラスチックフィルム・シート市場の展望』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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