◆月刊BT 2008年3月号

No. 12 業界研究 百貨店

−序−
  • 百貨店業界の売上高は、2007年まで11年連続で減少している。これには少子高齢化やモノ消費比率の減少(ライフスタイルの変化)といった外部要因の影響も多く、百貨店だけでなく小売業全体の低迷にもつながっている。さらに、総合スーパー等のチェーンストア拡大による競争も低迷の原因の一つとなっている。特に地方百貨店の経営は厳しく、大手百貨店との業務提携や経営統合が相次いだ。
  • 大手百貨店についても2000年のそごうによる民事再生法申請を受けた2003年のミレニアムリテイリング発足をかわきりに業界再編が進んでいる。2007年には大丸と松坂屋が経営統合、2008年には伊勢丹と三越が経営統合を果たした。また買収防衛策としてミレニアムリテイリングがセブン&アイ・ホールディングスの傘下に入り、阪急百貨店と阪神百貨店の経営統合なども行われた。
  • 百貨店は対面販売を基本としており、人材が企業の財産になっている。しかし、ここ数年従業員数は減少傾向にある。一方で、店舗数は拡大傾向にあり、従業員一人当たりの負担が大きくなっている。人件費や販促費等の削減を実施しているが、大きなリストラは行われることはなく、経営・業務効率化により利益率の向上を目指している。また、業務提携や経営統合を果たした企業においては盛んに人的交流を実施するなど、人材の育成にも取り組んでいる。
  • 近年、政府やシステムベンダなどによりICTの活用による経済活性化、生活の質の向上、経営・業務効率化などが提唱されてきたが、百貨店業界のICT活用はまだそれ程進んでいない。同じ小売業界であるコンビエンスストアや総合スーパーでは積極的な取り組みが進んでいるが、これらら業態とは対面販売(非セルフ方式)の実施、“個”客意識、商品単価、商品サイクルなどの違いがあり、システム化が遅れていたとされている。
  • 百貨店業界における本格的なICT活用はこれからと見られるが、小売業の最重要システムであるマーチャンダイジング(MD)システムの高度化・オープン化、CRMの活用が進み、電子タグ(RFID)の実導入も始まっている。業界再編や長引く業績低迷などが引き金となり、百貨店経営陣の意識改革とともにEDIの活用や内部統制の取り組み、IPコミュニケーションの活用など徐々に広がって行くと見られる。
−目次−
序(1)
第1部 業界動向(3)
第1章 百貨店業界の概要(3)
1.1 わが国商業における位置づけ(3)
1.2 業界構造(4)
第2章 行政施策と法制度(7)
2.1 改正まちづくり三法(7)
第2部 IT投資ニーズ(8)
2.1 百貨店における経営課題(8)
2.2 百貨店におけるITシステム化の現状(10)
2.3 電子タグ(RFID)の活用(13)
2.4 EDIの活用(15)
2.5 インターネットの活用(16)
2.6 百貨店システムに関するトピックス(17)
2.7 百貨店業界におけるITベンダの取り組み(19)

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