◆市場調査レポート:2004年12月21日発刊

2005 デジタルコンテンツ市場総調査

地上波 BS/CS 放送/光アクセス・BB/携帯/移動体…“ユビキタス”インフラ
−調査の背景−
  • コンテンツは、書籍、映画、テレビなど普段の生活や、仕事の場面において、見る・聞くものすべてである。書店で販売される書籍、VHSビデオのセル・レンタル、映画興行実績など媒体の種類、文字、絵、音などの表現手法、テーマ、目的を問わず、編纂されたものすべてによって構成されているのがコンテンツ市場である。

  • コンテンツという単語は、ここ10年ほどの間に情報・通信分野で良く聞かれるようになり、弊社のような市場調査機関でも、もう何年にもわたってテーマとして取り上げている。特に、'95年ごろからだったと記憶しているが、インターネットがビジネス分野から、一般の生活に波及して行く中、このコンテンツという言葉も盛んに使われるようになった。

  • 経緯とこれまでの経過時間からみれば、コンテンツ市場は、いわゆるITの世界において、大きな市場を形成しているようにみられ、デジタル化されたコンテンツ市場が確立しているかのように感じられる。しかし、コンテンツ市場の大半は、先述の通り書籍、パッケージ映像作品など、旧来の商品市場で確立しているのが実情で、昔から形成されている市場である。具体的な数値で市場規模をみると、国内全コンテンツ市場は、12兆7千億円(2003年度末)とされている。デジタルコンテンツは、この中の一画を占める分野である。

  • 旧来の非デジタルのコンテンツが、デジタルに置き換わると考えれば、この12兆円余の市場は、そのままデジタルコンテンツの市場ポテンシャルという見方もできる。現状でも映像系の作品市場では、デジタル化により過去の作品が、再度商品事業として拡大している例も多い。

  • しかし、コンテンツにしろ、他の製品市場にしろ、事業が成立するためには、“その物品”が“金に変わる”その物品によって“金が落ちる”という商売の仕組みが必要である。旧来のアナログのコンテンツでは、書店とそのルート、映画と映画館その他パッケージものの販売・レンタル、テレビの民放や、最近のフリーペーパーなどの訴求価値を反映した広告収入等々、“その物品”ごとに見合った流通モデルがある。

  • デジタルコンテンツは、一つに過去のコンテンツをデジタル技術で再製(作り直し)するモデルもあるが、多くは、デジタルの情報通信環境を基盤とするインフラ内で、過去にない利便性と、より質の高いコンテンツを提供する、従来と異なる市場が期待されるものである。インターネットの普及、ADSL・光(FTTH)のBB(ブロードバンド)、地上デジタル放送、携帯電話といったインフラ側と、この中に流すためのデジタルコンテンツが同調して、効果を生み出す世界である。

  • 2004年末現在、国内のデジタルインフラは、最後で最大の情報インフラである地上放送がデジタル化に向かい、その整備が順調な進捗を見せているのを受けて、2011年には、国内のすべてがデジタルに移行することになる。デジタルコンテンツ市場に必要なのは、コンテンツ流通のための機構であるが、エンタテインメントから、生活情報、本年のような災害多発時に実際に役に立つ防災情報網など、インフラが整いつつある現在、すべてを俯瞰して改めて適所な機構作りが必要と考えられる。

  • インターネットのブームなど象徴的であるが、その時、その時点のみのブームで、サービス機構を構築した結果、統合的な環境作りの弊害が出ている例が多いように見受けられる。また、エンタテインメント分野の場合でも、商業的に成功している例は未だ少ない状況である。

  • 各インフラ間、デバイス間の情報ローミング、エンタテインメントから生活情報まで、常に“使いものになる”情報環境のためには、Javaで提唱されるような共通の環境作りを、本格的に検討すべき時期にあると考えられる。その結果、行き着くところにユビキタスの情報環境と、その上で、自由に使いこなす、あるいは消費されるコンテンツ市場が確立することになる。

  • この調査レポートは、デジタルコンテンツ市場をテーマに、毎年定点観測しているものであるが、この市場には、単にコンテンツを並べるのではなく、同時に“金を生み出す”仕組みづくりの必要性が大きいものと感じられる。また、そこに“稼ぐ場所”があると考えられる。
    テレビ放送、BB、ケータイ、その他分野を含め、コンテンツ流通の解析には、なかなか見え難いものがあるが、市場規模、事業モデルなど、数的・視覚的に判読できるよう、また、理想の環境と現実の市場やニーズの実際といった、新規の市場に付きものの問題も抽出して一冊にまとめた。


−調査目的−
  • 本調査レポートは、テレビ、PC、携帯電話、自動車、映画館、電子看板、メディアといったコンテンツ受信端末ごとに、コンテンツ市場やサービスの要点・動向を解説する。ユビキタスという広範な視点で、コンテンツビジネス環境を調査/分析し、将来展開すべき方向性を示唆することを目的とした。


−調査対象−
対象プラットフォーム

デジタル放送
テレビ、PC、携帯電話、自動車

ネット・BB
PC

ケータイ
携帯電話

自動車
自動車、カーナビゲーション、車載テレビ、車載ディスプレイ

映画
映画館、シネマコンプレックス、旅客機客室、ホール・会場

ビルボード/モール
電子看板、電子ディスプレイ、プロジェクタ、LED・PDP・LCD

CD/DVDパッケージ
CD、DVD、SACD、DVD-Audio、DVD録画再生機、ゲーム機

対象分野

1. デジタル放送
地上デジタル放送受信、ケータイ/自動車向け放送、サーバ型放送、生活ユビキタス、フラットパネルTV

2. ネット・BB
BBコンテンツ事業、エンタテイメント系コンテンツ、BB加入、トラフィック運営サポート

3. ケータイ
Webとコンテンツ、地上デジタル放送受信、家庭内電気機器操作、ユビキタスリモコン

4. 自動車
テレマティクス(ITS、DSRC)、地上デジタル放送受信

5. 映画
デジタルシネマ、ショートフィルム、シネコン

6. ビルボート/モール
街頭テレビ、デジタル看板、ケータイとの連携

7. CD/DVDパッケージ
CD-ROM、DVD-ROM、CD-DA、SACD、DVD-Audio 他

−目次−
総論(概要)(1)

◎ ノンPCクロスメディアのプラットフォーム(4)

1. 日本のデジタルコンテンツ市場(5)
1)コンテンツ全体市場とデジタルコンテンツ(5)

2)BB(ブロードバンド)コンテンツ配信市場(2003年度)(7)
(1) 市場の現状と市場規模(7)
(2) ブロードバンドコンテンツの調達と事業構造(11)
<ブロードバンドコンテンツ事業構造>(11)
<映像・エンタテインメントコンテンツ>(11)
<スポーツコンテンツ>(12)
(3) 欧州サッカーコンテンツ市場規模:ユーロ2004(13)

3)携帯電話コンテンツ配信市場(2003年度)(15)
(1) 携帯電話普及状況とコンテンツ市場(15)
(2) Web事業モデル(16)
(a) バリューチェーンと収益(金額)(16)
(b) 携帯電話(モバイル)コンテンツの事業市場規模・予測(17)

各論(19)

I. デジタル放送(21)
1. 対象分野の解説(22)
1)テレビ放送の現状(22)
(1) 日本と諸外国の地上放送デジタル化(22)
(2) 日本の地上放送デジタル化(23)
(3) 地上デジタル放送開始時期(24)
(a) 分布図(24)
(b) 自治体別一覧(25)
(c) 地上デジタル放送開局スケジュールとカバー世帯数(26)
(4) 理想(想定)の地上デジタル放送と社会の関係(30)
(5) 現実の地上デジタル放送とサービス(34)
<放送局の対応:新規サービスへの反応>(34)
(6) 日本のメディアの構成・各放送の位置付け:放送ないし放送的メディアのヒエラルキ(37)
(a) 富士キメラ総研が整理したデジタル放送環境(37)
(b) インフラとコンテンツの特性(38)
2)地上デジタル放送の効果(41)
(1) 地上デジタル放送:ロードマップ(2011年にアナログ放送は現実に廃止可能)(41)
(2) 現実の地上デジタル放送(43)
◎ 2005年〜2011年アナログ停波まで(43)
(a) 全体(2011年にアナログ放送終了する)(43)
(b) TV(受信機)ラインナップへの影響(44)
○ 2008年後半のテレビラインナップ(44)
2. 地上デジタル放送と1セグ(“いちセグ”)ケータイ受信(46)
1)ケータイ+イヤホンで1セグに違和感なし(47)
<TVケータイ市場規模予測>(48)
2)ケータイと1セグ放送:携帯キャリア×放送局(49)
☆ KDDIの地デジ関連事業(49)

◎ ハードウェア端末市場(52)

1. テレビ、映像受信・映写機器(52)
1)CRTテレビ(52)
2)HDTV(53)
3)プラズマディスプレイテレビ(54)
4)液晶テレビ(10型以上)(55)
5)リアプロジェクションテレビ(56)
6)ホームプロジェクタ(57)

2. 映像録画・再生機器(58)
1)VCR(58)
2)DVDプレーヤ(59)
3)DVDレコーダ(60)
4)ホームサーバ(61)

3. 音響機器(62)
1)ホームシアタパッケージ(62)
2)CDプレーヤ(据置型)(63)
3)MDデッキ(64)
4)システムコンポ(DVD/CD/MD)(65)
5)システムコンポ(CD/HDD)(66)
6)ポータブルオーディオ(CD/MD)(67)
7)シリコンオーディオ(68)
8)HDDオーディオ(69)

4. 家庭用ゲーム機(70)
1)家庭用ゲーム機(据置型)(70)
2)家庭用ゲーム機(携帯型)(71)


II. ネット・BB(73)
1. 動画(インターネット放送)(74)

2. 音楽配信(79)

3. 電子書籍(87)
◎ 電子ブックリーダ(93)

4. オンラインゲーム(96)

5. ネットシネマ(102)

6. コミュニティ(アバター)(110)

7. 主要総合ポータル事業者とコンテンツホルダとの提携状況(116)

III. ケータイ(モバイル1)(117)
1. 携帯電話向けコンテンツ市場の概況(118)
1)携帯電話向けコンテンツ市場の構造(119)
2)携帯電話向けコンテンツの種類(121)
3)プレーヤ例(122)
4)通信関連サービス一覧(123)

2. 経緯〜現状〜課題(124)
1)ハードウェア・ソフトウェア/プラットフォームの進展(124)
2)コンテンツの多様化(125)
3)地上テレビ放送との連携事業(127)

3. 携帯電話向けコンテンツ関連市場規模推移・予測(129)
1)携帯電話向けコンテンツ国内市場規模推移(129)
2)主要コンテンツプロバイダの動向(131)
3)キャリア別公式サイトの動向(2004年)(133)
4)携帯電話方式別市場規模(135)
5)携帯電話事業者別シェア(136)
6)非音声ARPU推移(136)
7)携帯電話キャリアの動向(139)

4. 主要コンテンツ一覧(140)

5. 主要コンテンツプロバイダ/ホルダ、プレーヤ一覧(142)

IV. 自動車(モバイル2)(145)
1. 自動車向けデジタルコンテンツ市場の概況(146)
1)自動車向けデジタルコンテンツ市場の構造(147)
2)テレマティクスポータル事業者の概要(148)
3)事業者別コンテンツ・サービス展開(149)
4)事業モデル(150)

2. 経緯〜現状〜課題(152)
1)経緯(152)
2)現状(153)
3)課題(154)
4)分析(155)

3. テレマティクス市場規模推移・予測(156)
1)テレマティクスサービス市場規模推移(156)
2)事業者別シェア(157)
3)車載端末市場規模推移・予測(158)
4)自動車市場規模推移・予測(161)

4. 主要コンテンツ一覧(164)

5. プレーヤ一覧(169)

V. 映画(デジタルシネマ)(171)
1. 映画会社の映画コンテンツ(172)
1)主要映画会社の事業と2004年の映画コンテンツ(172)
2)2003年度の主な映画タイトル(製作・配給・興行)(173)
3)日本映画の過去興行収入ランキング(174)

2. 日本映画の製作の流れ(175)

3. シネコン運営会社の状況/映画興行館の状況(178)
1)シネマコンプレックスの概要(178)
2)シネコン事業運営会社の状況(179)
3)シネコン映画興行の流れ(182)
4)主要映画会社とシネコン会社関係図(182)
5)シネマコンプレックス館のスクリーン数(183)
6)都道府県別・シネコンの総スクリーン数(184)

4. 日本のデジタルシネマ〜映画のデジタル化(185)
1)デジタルシネマの定義(185)
2)デジタルシネマ化への進捗状況(185)
3)2003〜2004年公開の主なデジタル製作映画(186)
4)日本国内のデジタルシネマ化の主な動き(186)
5)各国のデジタルシネマ規格策定の関連団体(187)
6)デジタルシネマの展望(188)

5. 映画関連資料(189)
1)映画の封切本数(189)
2)2003年の映画興行収入ランキング(190)
◎ デジタルシネマプロジェクタ(191)

VI. 街頭ビジョン/映像メディアサーバ(新街頭テレビ)(199)
1. 対象分野の解説(200)
1)市場の定義(200)
2)映像配信システムの比較(201)

2. 各対象分野の動向(202)
1)大型ディスプレイを利用した映像配信システムについて(202)
(1) 主なシステム構成(202)
(2) 業界構造(203)
(3) 全国の主要な大型ビジョン設置場所(204)
(4) コンテンツの内容について(206)
(5) 大型街頭ディスプレイからのコンテンツ放映に関する仕様(206)
(6) 大型街頭ディスプレイからのコンテンツ放映の効果について(209)
(7) 今後の動向について(210)
(8) 当該システム関連機器、ビジネスの市場規模推移・予測(211)
2)小型〜中型ディスプレイ(20〜100インチ)を利用した映像配信システムについて(213)
(1) 当該システムの事例(213)
(2) 業界構造(214)
(3) 各ユーザー(映像配信システム所有者)のシステムの主要な用途(215)
(4) コンテンツの制作について(215)
(5) コンテンツ放映に関する仕様(216)
(6) 当該システム上における広告配信の可能性(216)
(7) 当該システムの運用・管理について(217)
(8) 今後の動向について(217)
(9) 当該システム関連機器の市場規模推移・予測(219)
3)映像配信用メディアプレーヤ/メディアサーバ(STB)について(223)
(1) メディアプレーヤ/メディアサーバ(STB)製品一覧(223)
(2) メディアプレーヤ/メディアサーバ(STB)製品市場規模推移・予測(224)
(3) メディアプレーヤ/メディアサーバ(STB)製品メーカーについて(225)
(4) 今後の動向について(225)

VII. CD/DVDパッケージ(227)
◎ パッケージ系コンテンツ市場概況(228)

1. プラットフォーム別市場規模(231)

2. CD-ROM市場規模(235)
1)一般・特化区分市場規模(235)
2)分野別市場規模(238)
3)主題別市場規模(243)

3. DVD市場規模(256)
1)一般・特化区分市場規模(256)
2)分野別市場規模(259)
3)主題別市場規模(263)

4. CD-DA市場規模(277)

5. SACD市場規模(282)

6. DVD-Audio市場規模(289)
−お問い合わせ・お申し込みについて−
調査資料名
2005 デジタルコンテンツ市場総調査

頒価
106,700円(税抜 97,000円)

発刊日
2004年12月21日

報告書体裁
A4版 原本コピー簡易製本

ページ数
295ページ

担当部署
株式会社富士キメラ総研 第二研究開発部門
TEL. 03-3241-3490 FAX. 03-3241-3491

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