プレスリリースプレスリリースPress Releases

『次世代映像ビジネス総覧 2017』まとまる(2017/2/20発表 第17013号)

2020年スポーツイベント開催に向けさまざまな用途で利用増加が期待される映像ソリューション市場を調査

2021年市場予測(2015年比)
映像ソリューションの国内市場 3兆2,734億円(38.3%増)
AR/VR、デジタル映像配信プラットフォーム、デジタルサイネージなどが大きく伸びる
映像機器・システムの国内市場 1兆1,101億円(18.1%増)
2020年スポーツイベント関連で表示機器、入力/撮像機器などの需要が増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、映像機器/デバイス技術の向上に加えて、情報配信/通信技術、画像処理/解析技術などの進歩により、ビジネス領域が拡大している映像ソリューション(映像関連サービスを含む)の市場を調査した。
 その結果を報告書「次世代映像ビジネス総覧 2017」にまとめた。
 この報告書では映像機器・システム販売/構築、映像コンテンツ制作/配信などといったビジネスやサービスである映像ソリューション18品目に加え、映像ソリューションを構成する主要な機器・システム25品目を対象に国内市場規模推移、メーカー/ベンダーシェア、需要先別動向、技術トレンド、今後の方向性などを捉えた。また、関連する映像デバイス5品目について世界市場規模推移、技術トレンドなどをまとめた。

調査結果の概要
映像ソリューションの国内市場
映像ソリューションの国内市場:市場規模推移グラフ  2020年のスポーツイベント開催に向け、商業施設や自治体などにおけるデジタルサイネージの新規導入をはじめ、各施設のセキュリティシステムの更新、BS/CS放送での4K・8K実用放送に向けた放送システムの設備更新などの需要が活発化するため、市場は拡大が続くとみられる。
 品目別では、映像利用の増加と多様化、またWebサイトやスマートデバイスなどでの映像のマルチユース化が進んでいる映像制作が40%以上の大きな割合を占めている。また、車載ソリューションの比率も高く25%以上を占めている。カーナビゲーションシステムの安定した需要に加え、ADAS(先進運転支援システム)の伸びが拡大をけん引している。
 2016年から2021年にかけて高い伸長率が予想されるのは、デジタルシネマやAR/VR、デジタルサイネージ、医用画像/遠隔医療といったソリューション、デジタル配信プラットフォームなどである。デジタルシネマソリューションは2020年前後に更新需要のピークを迎える。また、放送局向け、セキュリティ、自治体といったソリューションなどはピークの年は異なるものの2020年のスポーツイベント開催に向けた需要増加が予想される。セキュリティソリューションは、施設改修に伴うシステムの更新や増設案件などが増えるとともに、4K対応カメラの本格的な普及が進むとみられる。
AR/VRソリューション
 業務用途で利用されるAR/VRソリューションを対象とし、保守点検や医療、物流、製造業などにおける各種のシミュレーションなどで使用されるウェアラブル端末、開発用ARエンジン、AR/VRコンテンツ制作ビジネスの市場を捉えた。
 2016年にヘッドマウントディスプレイやスマートグラスなど対応ウェアラブル端末の投入が進んだことから注目されており、今後大幅な伸びが予想される。特に医療分野で術前シミュレーションや術中トレーニングなどでの活用が期待される。
デジタルサイネージソリューション
 システム販売/構築ビジネス、コンテンツ制作/配信ビジネス、広告ビジネスを対象とした。
 ディスプレイや配信システムの低コスト化に伴うユーザー層の拡大、さらに2020年のスポーツイベント開催に向けて観光や交通案内、災害時の緊急情報などの用途で商業施設を中心に導入が進むとみられる。また、2020年スポーツイベントでは先進技術のアピールの場として、8Kディスプレイやフレキシブルディスプレイ/フォルダブルディスプレイ、AIやAR/VRなどの技術を用いた新たな利用法や設置、演出による需要創出も期待される。
 システム販売/構築ビジネス市場は、2020年頃に伸びが落ち着くものの、ユーザー数やディスプレイ数(媒体数)の増加によりコンテンツ制作/配信ビジネスや広告ビジネスは2020年以降も二桁成長が続くと予想される。
医用画像/遠隔医療ソリューション
 離島やへき地などで対面診療が困難な場合に患者症状の情報共有で使用されるTV/Web会議システムと、CTやMRIなどで撮影された医療画像を、医師が遠隔で専用システムを用いて読影する遠隔画像診断サービスを対象とした。
 サービスの種類が増加しており、専門医の不足を補うための有力なサービスとして導入が進んでいる。2015年に厚生労働省が通達した遠隔医療に関する解釈変更も追い風となり、今後はスマートフォンやタブレット端末を用いたサービス利用が本格的に開始されるとみられ、大幅な需要増加が予想される。
デジタル映像配信プラットフォーム
 デジタル映像配信プラットフォームはVODなどの映像配信サービスで用いられ、会員管理やセキュリティ、著作権保護機能などを備えており、利用するコンテンツホルダーはサービスを迅速に展開できる。データ通信の高速化やスマートフォン、タブレット端末の普及に伴いVODなどの映像配信サービスはユーザー数が増加している。2015年に動画配信サービス「Netflix」のサービス開始によるVODサービスの認知度上昇によるユーザー数増加もデジタル配信プラットフォームの導入拡大を後押ししている。
教育ソリューション
 小中高校では政府による電子教材普及促進により、電子黒板機能内蔵プロジェクターおよび業務用モニターなどの電子黒板の導入が積極的に進められている。また、大学ではレーザープロジェクター、リモートカメラ、業務用モニターなどの高額製品の導入も進んでいる。
映像機器・システムの国内市場
2016年見込2021年予測2015年比
9,554億円1兆1,101億円118.1%
 車載ディスプレイやスマートデバイス、業務用モニターなどを含む表示機器や、医療用カメラや監視カメラ、車載カメラモジュールなどを含む入力・撮像機器などの伸びがけん引し、2018年には市場は1兆円を突破し、以降も市場拡大が予想される。
 市場の7割以上を占める表示機器は、業務用モニターやデジタルTVが商業施設でのデジタルサイネージ用途の伸びに加えて、教育や会議利用などの需要が増えており、市場が拡大している。特にデジタルサイネージ用途は2020年スポーツイベントに向けて、スタジアムや交通機関、自治体における案内、防災、広告用途で需要増加が予想される。
 入力/撮像機器も2020年スポーツイベントに関連した需要増加が期待される。監視カメラはCCTVからネットワークカメラへのシフトが進み、今後は都心部を中心に需要が増えるとみられる。放送分野では2018年にBS/CS放送で4K・8Kの実用放送が予定されており放送用カメラなどの更新需要が活発化するとみられる。また、スタジアムや競技場に設置されているシステムカメラやリモートカメラの更新需要も期待される。
 記録/再生/編集機器・システムは需要が縮小するとみられるが、4K・8Kの大容量映像コンテンツ制作環境の整備の進展に伴う映像アーカイブシステムの増加や、メモリーカードや光ディスクの放送用メディアの伸びが予想される。
 出力/分配/配信/伝送機器・システムは4K-TVの普及や8Kなどの高精細映像製品の登場に伴い、光伝送装置の需要増加が予想される。また、デジタルサイネージの利用拡大によりサイネージメディアプレーヤーの伸びも期待される。
 TV会議システムとWeb会議システムを対象とした通信機器・システムは、一般企業向けの需要が堅調であることに加え、医療機関や教育機関で需要が高まっており、市場拡大が予想される。
内容の詳細につきましては『次世代映像ビジネス総覧 2017』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

ページトップ