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『4K・8Kビジネス/市場の全貌 2016』まとまる(2016/3/24発表 第16026号)

注目が集まる高精細動画像4K・8K※の関連機器やデバイスなどの世界市場を調査(※8K以上)

2025年世界市場予測(2015年比)
4K・8K対応機器は16兆8,572億円(4.6倍)に 欧米、日本、韓国が先行し、放送分野や医療分野で需要増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、世界的に普及が期待される4K・8Kの高精細動画像対応に向け、開発が進む関連機器/システム、主要デバイス、有望業界/用途を調査した。

 その結果を報告書「4K・8Kビジネス/市場の全貌 2016」にまとめた。

 この報告書では、表示機器10品目、入力/撮像機器6品目、記録/再生/その他機器6品目、キーデバイス10品目の市場動向に加え、有望業界/用途7分野における動画像利活用状況やニーズ分析、市場予測を行い、高精細画像ビジネスの実態を明らかにした。

調査結果の概要
4K・8K対応機器の世界市場
カテゴリー2015年2025年予測2015年比
表示53兆1,338億円58兆6,250億円110.3%
 4K3兆5,202億円12兆5,129億円3.6倍
8K以上4億円1兆1,621億円2,905.3倍
入力/撮像3兆5,182億円5兆7,858億円164.5%
 4K1,611億円1兆8,499億円11.5倍
8K以上僅少2,023億円
記録/再生/その他1兆6,900億円1兆4,950億円88.5%
 4K45億円5,220億円116.0倍
8K以上6,080億円
合計58兆3,420億円65兆9,057億円113.0%
 4K3兆6,858億円14兆8,848億円4.0倍
8K以上4億円1兆9,724億円4,931.0倍
四捨五入しているため合計と合致しない場合がある
 世界市場では、欧米、日本、中国などが4K・8K対応機器の主戦場となっており、さまざまな機器が4K対応になっている。欧米、アジア各国では、2014年より「UHD放送」の実証実験や試験放送が相次いで行われており、徐々に民間放送事業者による実用サービスが開始されているが、国策として4K・8K放送に対し、積極的に取り組んでいるのは、日本と韓国のみである。韓国は、他国に先駆けて2014年にIPTV/CATVによる4Kサービスの商用化を、地上波においても試験放送やライブ中継を開始している。2018年冬のスポーツイベントに向け2017年に放送を開始し、2021年までに全国サービス化する予定である。8K対応機器に関しては日本、韓国など限られた地域が主体となっていくとみられ、2018冬年のスポーツイベント、2020年夏のスポーツイベントに向けて2018年から普及が進むことで、技術の向上が予想される。
 表示機器では、4K化が順調に進んでいる。短期的には特にTVが4K化をけん引するとみられる。2016年以降はホーム/ビジネスプロジェクターや放送局用モニターの4K化が進み、8Kは放送局用モニターにおいて対応機器の比率が高まると予想される。
 入力/撮像機器では、業務用ビデオカメラ、デジタルビデオカメラ、ドローン、外科内視鏡で4K化が先行している。8K化は、放送環境の整備に伴い業務用ビデオカメラが先行すると予想される。
 記録/再生/その他機器では、民生用BDレコーダーにおいて徐々に4K化が進むとみられる。据置型ゲーム機は、2018年に4K対応機器が主流になり、2025年には8K対応機器が主流になると予想される。
 国内市場では、2015年にTV、スマートフォン、ノートPCなどが4K化をけん引した。4K対応機器の普及とともに4Kコンテンツも徐々に増加していくとみられる。さらに医療機関、セキュリティ用途での導入も増えるとみられる。
4K・8K関連デバイスの世界市場
 大型ディスプレイは、LCD、OLEDともに4K化が進むが、特にOLEDは、ハイエンドTV向けで4K化が進み、LCDは8K化も進むとみられる。
 中小型ディスプレイは、LCDにおいて4K対応機器比率が拡大し、OLEDについては2017年頃にハイエンドスマートフォンでの採用が増加するとみられる。
 DRAMは、スマートフォンやTV向けの映像処理向上に伴い搭載容量が増加し、市場が拡大するとみられる。
 QDコンポーネントは、4K以上のTVが主な用途であり、4K・8K−TVの普及に伴い市場が拡大するとみられる。
注目の市場(用途)
放送局/プロダクション関連の世界市場
主要機器2015年2025年予測2015年比
業務用ビデオカメラ1,518億円1,526億円100.5%
 4K以上371億円1,344億円3.6倍
放送局用モニター455億円570億円125.3%
 4K以上10億円500億円50.0倍
 世界市場では、業務用ビデオカメラや周辺機器を含め4K化が進んでおり、さらに4Kパネルの低価格化により、2017年以降は4Kモニターが増加するとみられる。また、日本や韓国など8K実用放送開始を背景に、マスターモニターを中心に4Kから8Kへシフトが進むと予想される。
 国内市場でも4K化が進み、8K実用放送開始とともに8Kへのシフトも進むとみられる。業務用ビデオカメラは、2020年夏のスポーツイベント開催を背景に、4K対応機器の需要増加と2017年以降のリプレース需要により市場拡大が予想される。
医療関連の世界市場
主要機器2015年2025年予測2015年比
医療用ディスプレイ929億円1,226億円132.0%
 4K以上4億円43億円17.8倍
手術用顕微鏡システム440億円800億円181.8%
 4K以上256億円
外科内視鏡4,180億円7,593億円181.7%
 4K以上僅少1,710億円
 世界市場では、医療用ディスプレイの4K・8K需要の中心は日本、北米、欧州、韓国などとみられる。手術用顕微鏡システムでは、4Kや3Dを活用した機器の需要が日本、北米、欧州などの先進国が中心で、日本や北米では、今後4K・3Dを活用した手術に用いられるとみられる。4K機器は先進国に浸透後、アジアやその他地域でも導入が進むと予測される。
 国内市場では、4K・8K対応カメラ/ディスプレイは、肉眼視では困難な極細の縫糸や血管を見ることが可能なため、効率的な手術が期待できる。手術用顕微鏡システムは、眼科や外科で需要がある。コンバーターやディスプレイ、レコーダーなどの周辺機器の製品化が遅れているため、4K・8K対応機器普及のためには、各種規格の標準化が求められる。また、4K・8K対応機器のユーザーはまずは大学病院など大規模医療施設が中心となるため、市場は徐々に拡大していくと予想される。
内容の詳細につきましては『4K・8Kビジネス/市場の全貌 2016』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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