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『2016 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』まとまる(2016/2/15発表 第16014号)

プリント配線板、プリント配線板関連材料、実装関連装置など半導体実装関連の世界市場を調査

2020年市場予測(2015年比)
プリント配線板 6兆3,707億円(8.8%増) ビルドアッププリント配線板(Any Layerタイプ)、フレキシブルプリント配線板などがけん引
フレキシブル銅張積層板 1,475億円(25.6%増) 2層の片面タイプの需要が増加
注目の半導体パッケージ:FO−WLP 15.0億個(8.3倍) アプリケーションプロセッサーで採用が増加

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、PCからスマートフォンへと電子機器の主役が移ったことで、その形状に対応してさらに薄型化・高密度化が進んでいる半導体実装関連の世界市場を調査した。
 その結果を報告書「2016 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧」にまとめた。
 この報告書では半導体デバイス3品目、半導体パッケージ5品目、プリント配線板7品目、プリント配線板関連材料9品目、半導体後工程材料8品目、実装関連装置8品目の市場を分析し、将来を予測した。

 半導体市場は、設計は欧米メーカー、前工程は台湾メーカーの独壇場となっている。後工程は台湾や韓国メーカーのシェアが高いが、近年は半導体設計および製造工程で中国メーカーのシェアが伸びている。その一方で、高速性や高密度、低反りなどが求められるプリント配線板や関連材料、高精度、高品質が求められる実装装置などの分野では、依然として日本メーカーのシェアが高く、今後も技術力を活かした優位な展開が期待される。

調査結果の概要
プリント配線板、プリント配線板関連材料、実装関連装置の世界市場
 2015年2020年予測2015年比
プリント配線板5兆8,547億円6兆3,707億円108.8%
プリント配線板関連材料2兆2,643億円2兆2,872億円101.0%
実装関連装置4,203億円3,976億円94.6%
 プリント配線板はTVやPCの市場が低迷しているため、それらで採用されることが多い多層リジッドプリント配線板やFC−BGA基板などが苦戦している。一方、高密度実装のニーズを満たしスマートフォンで使用されるビルドアッププリント配線板(Any Layerタイプ)や、「iPhone6s」(Apple)で採用されている「Force Touch(感圧タッチ)」向けのフレキシブルプリント配線板(FPC)は伸びている。FPCは2015年時点で日本メーカーが市場の約4割を占めている。また、高多層リジッドプリント配線板はハイエンドサーバーやハイエンドルーター、基地局向けで伸びており、2016年以降はやや低迷するものの、第5世代移動通信システム(5G)の基地局設置に対する投資が本格化する2020年には需要が大幅に増加するとみられる。
 ビルドアッププリント配線板(Any Layerタイプ)やFPCなどの伸びがけん引し、2020年のプリント配線板の市場は2015年比8.8%増の6兆3,707億円が予想される。
 プリント配線板関連材料はプリント配線板に連動してフレキシブル銅張積層板(2層)やガラス基材銅張積層板(高速基板)などが伸びている。今後もそれらが市場をけん引するとみられる。他にも電解銅箔からの切り替えが進む圧延銅箔や、表面処理に使用される金めっきなどが伸びるとみられる。
 実装関連装置は単価の下落もあり、今後市場は縮小するとみられる。
 半導体パッケージはコストが低減できるWLP(Wafer Level Package)の市場が今後拡大すると予想され、またSiP(System in Package)を用いたモジュール化の開発がAppleやSamsung El.で進められている。WLPやSiPを用いる動きは実装関連装置の市場に影響を与えており、モールディング装置やレーザー加工機などの装置メーカーは製品の仕様変更や顧客からの要求に対応した展開を進めている。
注目市場
ビルドアッププリント配線板【プリント配線板】
 2015年2020年予測2015年比
ベースタイプ5,448億円5,502億円101.0%
Any Layerタイプ3,229億円4,550億円140.9%
合計8,677億円1兆52億円115.8%
 メイン基板として採用されるビルドアッププリント配線板を対象とした。ベースタイプは携帯電話・スマートフォンやタブレット端末、ノートPC、デジタルスチルカメラなどで採用されているが、タブレット端末やノートPC、デジタルスチルカメラ市場の縮小や主用途である携帯電話・スマートフォンでAny Layerタイプへの置き換えが進んだため低調である。一方、Any Layerタイプは特にハイエンドスマートフォンでベースタイプからの置き換えにより需要が増加している。
 ベースタイプはスマートフォン市場でハイエンドの需要が徐々に減少し、ミドルレンジ以下の需要が増加するとみられ、それらに採用される比較的低価格な6層が伸びると予想される。
 Any Layerタイプはコア層を持たず全層がビルドアップ層であり、高密度実装や配線の微細化が可能なため、高密度実装が必要なハイエンドスマートフォンで採用がさらに進むとみられる。しかし、ハイエンドスマートフォンの需要縮小が懸念され、今後拡大ペースは鈍化すると予想される。現状は台湾や日本、韓国メーカーのシェアが高いが、今後は中国メーカーが中国スマートフォンメーカーの採用増加によりシェアを伸ばすとみられる。
フレキシブル銅張積層板【プリント配線板関連材料】
 2015年2020年予測2015年比
2層972億円1,320億円135.8%
3層202億円155億円76.7%
合計1,174億円1,475億円125.6%
 FPC向けのフレキシブル銅張積層板を対象とした。2015年は「iPhone6s」で採用された「Force Touch」向けでFPCが好調だったため、その材料となる2層の片面タイプの需要が増加した。タブレット端末やデジタルスチルカメラの市場が縮小しているため、2016年以降もスマートフォン向けが中心になるとみられる。また、2016年はAppleの新モデルでデュアルカメラの搭載が予定され、車載用途でLEDヘッドランプや圧力センサーなどの搭載が進むとみられる。それら向けのFPCの伸びに伴い、2層のフレキシブル銅張積層板の市場も拡大が予想される。
 3層はスマートフォン向けなどで2層への切り替えが進んでおり需要が減少している。また、HDDや光ピックアップの市場が縮小しており、それら向けで3層を使用するFPCの需要も低迷しているため、今後は2層が主流になるとみられる。
注目の半導体パッケージ市場
FO−WLP(Fan-out Wafer Level Package)
2015年2020年予測2015年比
1.8億個15.0億個8.3倍
 WLPはウェハの状態で端子形成、配線加工、樹脂封止を行い、その後個片化する方法で形成するパッケージである。FO−WLPは再配線層をチップサイズよりも大きく取ることで多ピン化が可能となるため300ピン以上の製品を主なターゲットとし、FC−CSPの置き換えで市場が拡大している。
 Intel MobileやSpreadtrum Communicationsのベースバンドプロセッサーで採用されており、2015年はこの2社向けの増加により市場は拡大した。2016年はApple向けのアプリケーションプロセッサーで採用が見込まれる。現状では高コストであるが、PoP(Package on Package)の低背化が可能となるため、QualcommやMediaTek、また中国メーカーなどでも採用が検討されており、2018年頃から市場は本格化するとみられる。
内容の詳細につきましては『2016 エレクトロニクス実装ニューマテリアル便覧』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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