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『エデュケーションマーケット 2015』まとまる(2015/7/29発表 第15068号)

教育機関向けICT関連市場を調査

2020年度予測(2014年度比)
国内市場は2,403億円(46.5%増)…コンテンツの充実や業務支援システムの整備などで市場拡大

 マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(本社:東京都中央区日本橋小伝馬町 TEL:03-3664-5839 社長:田中 一志)は、拡大する教育機関向けのICT関連機器・システム・サービスの市場を調査した。その結果を報告書「エデュケーションマーケット 2015」にまとめた。

 この報告書では、小中学校、高等学校、大学/専門学校、学習塾/予備校など、教育機関向けの業務支援システム、校内設備・インフラ、教材・コンテンツ、ハードウェアについて、政府、管轄省庁や自治体の取り組み状況を踏まえた上で、国内を中心に海外の市場動向と今後の方向性についてまとめている。

 総務省と文部科学省の主導のもと、ICT教育の推進が継続的に進められている。中でも、総務省「フューチャースクール推進事業」や文部科学省「学びのイノベーション事業」は教育ICT化に直結した施策の一つであり、一定の成果を得た。続いて、総務省「先導的教育システム実証事業」、文部科学省「先進的な教育体制構築事業」が進められ、ICT教育は導入フェーズから利活用フェーズへと移行している。これらを受けて、電子黒板やタブレット端末、デジタル教材など、教育機関向けのICT関連市場は拡大している。2016年以降も教育ICT化向けの予算は確保される見通しであり、教育機関向けのICT関連市場はさらなる拡大が期待される。

調査結果の概要
教育機関向けICT関連市場(国内市場)
2014年度2020年度予測2014年度比
1,640億円2,403億円146.5%
 2014年度の市場は、前年度比2.2%増の1,640億円となった。2013年度まで各都道府県で教育ICT化に向けた実証実験が行われ、2014年度には関連設備・インフラ導入が加速すると同時に、利活用のためのシステム、コンテンツが普及し市場が拡大した。
 カテゴリー別に見ると、業務支援システム関連では、授業支援システムをはじめ、校務支援システムや園務システムなどが2020年度にかけて安定して伸びると予想される。
 構内設備・インフラ関連では、教育現場で児童・生徒の安全に対する意識の高まりにより、関連する品目が堅調に伸びている。また、ICT教育の進展に伴いネット上での安全性、セキュリティに対する需要も高まっている。
 教材・コンテンツ関連では、電子黒板やタブレット端末といったハードウェアが整備されていく中、デジタル教科書や教材ソフト、教育コンテンツ配信サービスなどのコンテンツに対する需要が高まっている。デジタル教科書は今後、小中学校を中心にマルチデバイス、マルチOSに対応したコンテンツが普及していくとみられる。教材ソフトや教育コンテンツ配信サービスは、パッケージベースから配信型への移行が進んでいく可能性があり、クラウド上で必要な時に必要なコンテンツを利用する形態が増えるとみられる。
 ハードウェア関連では電子黒板が堅調な伸びを示し、タブレット端末が一人1台の施策により急拡大が予想される。デジタルTVなどリプレースを主体とした品目が多い中、デジタルペンを活用するようなアプリケーションの普及も期待される。PCはタブレット端末などと比較すると予算が割かれにくいが、OSバージョンアップなどリプレース時期には一時的に拡大すると予想される。
注目市場
電子黒板
2014年度2020年度予測2014年度比
51億円54億円105.9%
 タッチペンによる書き込みなどのインタラクティブ機能を搭載した黒板を対象とした。30インチ以上の液晶/PDPモニターにインタラクティブ機能を搭載したFPD型、ビジネスプロジェクターにインタラクティブ機能を内蔵したプロジェクター(以下、PJ)内蔵型、ホワイトボード/プロジェクター/黒板/マグネットスクリーンなどに取り付けプロジェクター投影映像にインタラクティブ機能を付加するボード型/ユニット型がある。
 市場は海外メーカーが先行し、日系メーカーからボード型が投入され形成された。2000年代後半からはFPD型、PJ内蔵型が相次いで投入され、ICT教育の中核機器として利活用されている。
 PJ内蔵型は大画面で設置性に優れ、FPD型よりも低価格であることから入札案件に強く、小中学校への導入が大幅に増加している。2015年度は、PJ内蔵型を投入するメーカーの増加もあり、引き続き高い伸びが見込まれる。一方、FPD型は安定した需要に加え、新製品の投入も予定されていることなどから微増が見込まれる。
タブレット端末
2014年度2020年度予測2014年度比
20億円210億円10.5倍
 Webブラウジングやアプリケーションの利用が可能な汎用端末を対象とし、ディスプレイ部が双方向に回転可能なコンバーチブル型も対象とした。
 2010年度にICTを利活用した協働教育の推進に関する調査研究を目的とした総務省「フューチャースクール推進事業」により、タブレット端末を活用した授業が行われ、現在2020年度内の生徒一人1台のタブレット端末整備に向け、導入が進められるなど需要が急速に高まっている。
 各自治体は電子黒板やタブレット端末活用に伴う無線LANシステムなども並行して整備する必要があり、私学だけでなく一部公立校においても児童・生徒によるBYOD(Bring Your Own Device)もみられる。
内容の詳細につきましては『エデュケーションマーケット 2015』をご覧ください。
報道関係のお問い合わせは
富士キメラ総研広報担当 Tel. 03-3664-5697(窓口:富士経済グループ広報部)

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